海外文学読むぞまとめ

2022年12月〜2023年3月

事の発端(?)は、文学読もうかという気持ち - logical cypher scape2を参照
これが2022年の9月頃で、12月頃から「海外文学読むぞ期間」と称して海外文学を読み始めた。
(9~11月は日本文学篇で、まとめは最近読んだ文学 - logical cypher scape2
海外文学読むぞ期間用の読みたい本リストにはまだまだ本が残っているのだが、10冊読んだところで、いったんまとめてみる。
今後も、まだ読みたい本リストに残ってる海外文学読むの続けるつもりだけど、海外文学以外の本とも交互に読んでいくつもり。
なので、少しペースは落としつつ、次は9月とかその頃に、この記事を更新できればいいな、と思っている。


グラフも更新してみた!

2023年、3月にしてこの数になってるの我ながらすごい。

マリオ・バルガス=リョサ『世界終末戦争』(旦敬介訳) - logical cypher scape2
『世界終末戦争』は1981年の作品。
バルガス=リョサは、大江健三郎(1935〜2023、1994年ノーベル賞)と同世代
バルガス=リョサは今後他のも読みたい。具体的には『楽園への道』→読んだ。マリオ・バルガス=リョサ『楽園への道』(田村さと子・訳) - logical cypher scape2

ウィリアム・フォークナー『アブサロム、アブサロム!』(藤平育子・訳) - logical cypher scape2
ウィリアム・フォークナー『エミリーに薔薇を』(高橋正雄・訳) - logical cypher scape2
アブサロム、アブサロム!』は1936年の作品。
『エミリーに薔薇を』は1930年~1942年に発表された短編を集めた短編集。
フォークナーは、川端康成(1899~1972、1968年ノーベル賞)と同世代
フォークナーはあと『響きと怒り』とかかなあ→読んだ。ウィリアム・フォークナー『響きと怒り』(平石貴樹・新納卓也・訳) - logical cypher scape2

イタロ・カルヴィーノ『レ・コスミコミケ』(米川良夫・訳) - logical cypher scape2
『レ・コスミコスケ』は1965年の作品
カルヴィーノは、星新一(1926~1997)と同世代

  • 色々

『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 短編コレクション1』 - logical cypher scape2

ミハイル・A・ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』(水野忠夫・訳) - logical cypher scape2
巨匠とマルガリータ』は、1966年(作家の死後)に発表された作品。

フリオ・コルタサル『悪魔の涎・追い求める男他八篇』(木村榮一・訳) - logical cypher scape2
フリオ・コルタサル『奪われた家/天国の扉 動物寓話集』(寺尾隆吉・訳) - logical cypher scape2
『悪魔の涎・追い求める男他八篇』は、1951年、1956年、1959年、1966年に出された短編集からそれぞれ数本ずつ集めて編み直した日本オリジナル短編集。
『奪われた家/天国の扉:動物寓話集』は、1951年の短編集
コルタサルアルゼンチン出身の作家だが、のちにフランスに移住した。
コルタサルももう少し読みたい感じ。

アリステア・マクラウド『彼方なる歌に耳を澄ませよ』(中野恵津子・訳) - logical cypher scape2
『彼方なる歌に耳を澄ませよ』は1999年の作品。
クラウドは、バルガス=リョサ大江健三郎と同世代ということになるが、本作によってブレイクした。大江健三郎は2000年の『取り替え子』から晩年様式(レイト・スタイル)と言われていることを考えると、遅咲きの作家だといえるかもしれない(それ以前は知る人ぞ知る作家だったらしい)

デイヴィッド・マークソン『ウィトゲンシュタインの愛人』(木原善彦・訳) - logical cypher scape2
ウィトゲンシュタインの愛人』は1988年の作品

ウラジーミル・ナボコフ『青白い炎』(富士川義之・訳) - logical cypher scape2
ナボコフは、ロシア出身だが亡命し、のちにアメリカ国籍になっている。ロシア語で書いていた時期と英語で書いていた時期とに分かれる。
『青白い炎』は1962年、英語で書かれた作品

ニコルソン・ベイカー『中二階』(岸本佐知子・訳) - logical cypher scape2
『中二階』は1988年の作品
イカーは、田中康夫(1956~)と同世代(『なんとなく、クリスタル』は1981年)

  • ブックガイド

橋本陽介『ノーベル文学賞を読む』 - logical cypher scape2
『世界終末戦争』はここから。
木原善彦『実験する小説たち』 - logical cypher scape2
マークソン、ナボコフ、ベイカーはここから。
あと、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』も読みたい。
池澤夏樹の世界文学全集は、何が読まれているのか? - ボヘミアの海岸線
総括&お気に入りランキング! 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第1集 - ウラジーミルの微笑
総括&お気に入りランキング! 池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第2集 - ウラジーミルの微笑
この2つのブログは色々参考にしている。
巨匠とマルガリータ』はこれらから。

  • 暫定まとめ

まあ完全に、アメリカ大陸偏重であり、それは個人的な好みの反映である。
今回の「文学読みたい」の主な動機は「面白い小説読みたい」なので、自分の好みに偏重するのはそれに適っているのだが、この「面白い小説読みたい」には、「今まで読んでこなかったところに面白いと思える小説がないか探す」という意味合いもあるし、それはそもそも「今まであまり海外文学読んでこなかったから海外文学も読もう」ということで、偏りをなくすという目的もあったことを考えると、なかなか悩ましいところである。
このあと読む予定の本も、やはりアメリカ大陸多めだが、アジア文学も少しずつ手を伸ばしたいと思っているところである。ヨーロッパはこれまで通りパラパラ混ざる感じ。アフリカはまだ遠い……。
あと、やはり男性作家ばかりだな……。

2022年9月以前に読んでいた海外文学まとめ

非SF海外文学について、これまであまり読んでいなかったので、いっそのこと、これまで読んできたものもまとめてしまうかと思ってまとめてみた。
まあしかし、そこそこあるか。
なお、ブログを始めて以降なので、ブログを始める前に読んだものは入っていないが、多分ほとんどない(今思いつくのはカフカ『変身』とカミュ『異邦人』くらいだ)。
読んでいる時期と全然読んでいない時期に分かれるので、「2007年~2009年頃」「2013年」「2015年・2017年~2020年」に分けてみた。

2007年~2009年頃

色々、まとまりもなくポロポロ読んでいる

この時期にオースターを読んでいたわけだが、2009年に『ムーンパレス』を最後に、その後さっぱり読んでいない。
『幽霊たち』
ポール・オースター『幽霊たち』 - logical cypher scape2
『シティ・オブ・グラス』
ポール・オースター『シティ・オブ・グラス』 - logical cypher scape2
鍵のかかった部屋
ポール・オースター『鍵のかかった部屋』 - logical cypher scape2
『最後の物たちの国で』
5月後半に読んだ本・雑誌 - logical cypher scape2
『ムーンパレス』
ポール・オースター『ムーン・パレス』 - logical cypher scape2

まあ、有名だし読んでみるかと手を出したボルヘスとガルシア=マルケス。しかし、『百年の孤独』に手を出さなかったあたり、腰が引けている。
まあまあ面白かったが、しかし、自分はそこまでラテンアメリカ文学好きじゃないかも、とも思った記憶があり、その後10年くらい読まなくなった。
ボルヘス『伝奇集』
ボルヘス『伝奇集』 - logical cypher scape2
ガルシア=マルケス予告された殺人の記録
ガルシア=マルケス『予告された殺人の記憶』 - logical cypher scape2
ガルシア=マルケスエレンディラ
ガルシア=マルケス『エレンディラ』 - logical cypher scape2

試しに手に取ってみた『黒い時計の旅』がとても面白かったのだが、その次に読んだ『Xのアーチ』に困惑してしまい、その後、続かなかったエリクソン
気になる作家であり続けてはいる。
『黒い時計の旅』
スティーブ・エリクソン『黒い時計の旅』 - logical cypher scape2
『Xのアーチ』
エリクソン『Xのアーチ』 - logical cypher scape2

カルヴィーノおもしれーおもしれーって読んでた気がする。『レ・コスミコミケ』『宿命の交わる城』読んだのは2010年か。
『見えない都市』
イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』 - logical cypher scape2
『柔らかい月』
イタロ・カルヴィーノ『柔らかい月』 - logical cypher scape2
レ・コスミコミケ』『宿命の交わる城』
あんまりちゃんと感想メモ書けてなかったけど、読んだ本の記録1 - logical cypher scape2

  • それ以外

すごく雑多なラインナップ。バートルビーとかラヒリとか、読んだことすら忘れていた。
それ以外も正直、読んだことは覚えているけど、内容はほとんど覚えていないというものばかりで、その後に続いていかなかった。ウエルベックは自分にあわないな、と思ったことだけ印象に残っている。
ドストエフスキーカラマーゾフの兄弟
『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー - logical cypher scape2
カズオ・イシグロわたしたちが孤児だったころ
カズオ・イシグロ『わたしたちが孤児だったころ』 - logical cypher scape2
レイモンド・チャンドラーさらば愛しき女よ
チャンドラー『さらば愛しき女よ』/円城塔『オブ・ザ・ベースボール』 - logical cypher scape2
『モンキービジネス』(ハーマン・メルヴィル「書写人バートルビー」など)
『モンキービジネス』Vol.1野球号 - logical cypher scape2
ジュンパ・ラヒリ『その名にちなんで』
ジュンパ・ラヒリ『その名にちなんで』 - logical cypher scape2
ジョセフ・コンラッド『闇の奥』
コンラッド『闇の奧』 - logical cypher scape2
ミシェル・ウェルベック素粒子
ウエルベック『素粒子』 - logical cypher scape2

2013年

スリップストリーム文学みたいな言葉を聞きかじった時期ではないか。どちらかといえばSF文脈からの流れで手に取った気もする。
クリストファー・プリースト『夢幻諸島から』
クリストファー・プリースト『夢幻諸島から』 - logical cypher scape2
ケリー・リンク『マジック・フォー・ビギナーズ』
ケリー・リンク『マジック・フォー・ビギナーズ』 - logical cypher scape2
スティーブン・ミルハウザー『バーナム博物館』
スティーヴン・ミルハウザー『バーナム博物館』 - logical cypher scape2

2015年・2017年~2020年

あまり海外文学読むぞーという気持ちでは読んでいない気がする。
主には、プリーストとミルハウザーを読み進めていた時期、というか。

そもそもプリーストを非SF文学くくりに入れていいのか、という話もあるし、自分も半分SFジャンルとして読んでいるところはある。
いわゆる文学とSFとの中間みたいなポジションの人という位置づけのはずである。
デビュー作に遡った後、最新作と有名な奴を読んだ。
『魔法』
クリストファー・プリースト『魔法』 - logical cypher scape2
『限りなき夏』
クリストファー・プリースト『限りなき夏』 - logical cypher scape2
『隣接界』
クリストファー・プリースト『隣接界』 - logical cypher scape2
『双生児』
クリストファー・プリースト『双生児』(古沢嘉通訳) - logical cypher scape2

『バーナム博物館』を読んで以来気に入って、ポツポツ読むようになった作家。
まだ読めていない本も全然あるのだが、まあ好きな海外の作家はと聞かれたら「ミルハウザーとかかな」くらいは答えられるようになったかな、と。
『魔法の夜』
スティーブン・ミルハウザー『魔法の夜』 - logical cypher scape2
『三つの小さな王国
スティーブン・ミルハウザー『三つの小さな王国』 - logical cypher scape2
『マーティン・ドレスラーの夢』
スティーヴン・ミルハウザー『マーティン・ドレスラーの夢』 - logical cypher scape2
『十三の物語』
スティーブン・ミルハウザー『十三の物語』 - logical cypher scape2
『私たち異者は』
スティーブン・ミルハウザー『私たち異者は』 - logical cypher scape2

『不在の騎士』
イタロ・カルヴィーノ『不在の騎士』 - logical cypher scape2

エリクソンはずっと気になり続けていて、2018年にふとデビュー作『彷徨う日々』を読んだ。
『彷徨う日々』
スティーヴ・エリクソン『彷徨う日々』(越川芳明訳) - logical cypher scape2

ラテンアメリカ文学は自分にはあわないのではないか、となんとなく思っていたのだけど、せっかくこんな本が出たので読んでみるかと思った奴
『20世紀ラテンアメリカ短編選』
『20世紀ラテンアメリカ短篇選』野谷文昭 編訳 - logical cypher scape2

  • 中国文学

特に中国文学を読もうと意識したわけではないが、2018年に高行健、2019年に残雪を読んだ。
海外文学読むぞ、と言いつつ、読んでいるのは欧米圏ばかりでアジア・アフリカは全然読めていないので、そのあたりも徐々に読めていけたらなあと思いつつ。
SFも中国・韓国のものは結局あまり読めてないな。
高行健『霊山』
高行健『霊山』 - logical cypher scape2
残雪『黄泥街』
残雪『黄泥街』 - logical cypher scape2