2019-01-01から1年間の記事一覧

2019年振り返り

今年ももうそんな時期っすか 今年、特にこういう記事を書くつもりはなく、何の準備もしていなかったのだが、去年も28日だか29日だかに振り返り記事を書いていたようなので、まあちょっと書いてみるかと。 ブログについて ブログ運営的な点でいうと、はてなダ…

日経サイエンス2020年1月号

12月号を読んだ勢いで1月号も読んだ。 ただし、かなり飛ばし読み。日経サイエンス2020年1月号(特集:AI 人工知能から人工知性へ/深海生物)日本経済新聞出版社Amazon 特集:AI 人工知能から人工知性へ 想像力を手に入れたAI 知性獲得につながる3つの方法 G. マ…

『日経サイエンス2019年12月号』

日経サイエンス2019年12月号(大特集:真実と嘘と不確実性)作者:出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2019/10/25メディア: 雑誌 NewsScan●海外ウォッチ 卓上の重力波検出器 卓上の重力波検出器〜日経サイエンス2019年12月号より | 日経サイエンス アー…

『文学+01』

文学+ 1号 発売中A5サイズ/240ページ定価:1200円(送料・振り込み手数料別)現在は通信販売のみ。お取り扱い頂ける書店様随時募集しております。 pic.twitter.com/thQXxSlzl7— 文学+ (@bungakuplus) 2018年10月5日 2018年11月頃に読んで、そのまま読みさ…

たつざわ「芦田漫画映画製作所の通史的な解明」

(おそらく)2018年5月の文フリで購入し、その直後に読み終わっていたもの 感想メモも、読んだ当時に書いているのだが、何故かブログに載せずに放置されていたので載せる 何故か、というか、おそらく同時期に買った他の同人誌と一緒に感想をあげるつもりだっ…

飯田隆『新哲学対話』

プラトンが書かなかったソクラテスの対話編、とでもいうか、まあ二次創作というか。 4本が収録されているが、例えばそのうちの「アガトン」は、『饗宴』のあとも残って話を続けていた4人の対話の記録、ということになっている。 ところで、フィルカルVol.4 N…

古田徹也『ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考』

『論考』の入門書で、『論考』やウィトゲンシュタインをあまりよく知らない人でも読めるようにと書かれており、実際、とても読みやすい。 自分は、ウィトゲンシュタインについて多少興味があって入門書くらいは読んでいたりするけれど、わりと『探求』の頃の…

マルチレベル淘汰(メモ)

昨日、ちょうどこういうことをメモったタイミングで、今日、下記のようなツイートを目にした 記事中に、コラムとして集団選択の話が書かれている E.O.ウィルソンとデイヴィッド・スローン・ウィルソンによる「複数レベル選択理論」 群選択の話は、エリオット…

『SFマガジン2019年12月号』

SFマガジン 2019年 12 月号作者:出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/10/25メディア: 雑誌 第7回ハヤカワSFコンテスト最終選考委員選評 優秀賞の『オーラリーメイカー』と特別賞の『天象の鏡』の冒頭部分が掲載されていたが、読むとしたら、本でちゃんと…

『別冊日経サイエンス 進化と絶滅 生命はいかに誕生し多様化したか』

進化と絶滅 生命はいかに誕生し多様化したか (別冊日経サイエンス235)作者:出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2019/10/16メディア: 大型本www.nikkei-science.comこの表紙は、京都造形芸術大学の学生たちの作った作品から。アボリジニーアートから…

フィルカルVol.4 No.3

まだ、Vol.4 No.1とNo.2を読めてないのだが、ウィトゲンシュタイン特集とかだったので、手に取った とりあえず読んだ分だけ。 妖怪論の奴も読みたいと思っているのだが、長いので後回し。すみません。 後半、書評および筆者・訳者自身による著作の紹介が続く…

宙を数える 書き下ろし宇宙SFアンソロジー

創元SF短編賞出身者による宇宙SF競作 時間SFアンソロジーである『時を歩く』とセットの企画なのだが、とりあえず宇宙が面白そうだったのでこちらをまず手に取った。 が、めちゃくちゃ面白い どの作品も当たりで、かなり満足度が高い。レベルの高い短編集だと…

アニクリvol.7s 特集 作画崩壊/幽霊の住処

アニクリはほんと次から次へと出るので読むのが追っつかない この号は、夏頃に半分くらいまで読んでいたのだが、ブログ記事にするのはもうちょっと読んでからにしよう、とか思ってたら時間が経ってしまった。 アニクリは毎号、特集を組んでいるが、その中で…

現代思想2019年9月号 特集=倫理学の論点23

タイトルにあるとおり、様々なジャンルでの論点が分かるような、コンパクトな原稿が多数収められていて、色々と入口によい感じの特集。全部は読んでいないけれども。現代思想 2019年9月号 特集=倫理学の論点23作者:岡本裕一朗,奥田太郎,池田喬,長門裕介,福永…

Derek Hodgson ”Seeing the 'Unseen': Fragmented Cues and the Implicit in Palaeolithic Art"

Derek Hodgson "The Visual Brain, Perception, and Depiction of Animals in Rock Art" - logical cypher scape2に引き続き、Hodgsonの認知考古学論文 暗黙的な知覚処理・記憶が旧石器時代の絵画には関わっているんだよ というか、プライミング効果を引き出…

郝景芳『郝景芳短篇集』(及川茜訳)

中国のSF作家である郝景芳(ハオ・ジンファン)の短編集 もともと中国では2016年に『孤独深処(孤独の底で)』というタイトルで出版された短編集全11篇の中から7編が収録されている。 郝景芳は、ケン・リュウ編『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』 - …

『世界2019年10月号』「特集AI兵器と人類」

世界 2019年 10 月号 [雑誌]出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2019/09/06メディア: 雑誌この商品を含むブログを見る この兵器と人類は共存できない いま、なぜ自律型致死兵器システムを問題にするのか 中満泉 筆者は国連軍縮担当事務次長 この記事は、この…

Derek Hodgson "The Visual Brain, Perception, and Depiction of Animals in Rock Art"

認知考古学による洞窟壁画の研究について 描写の起源に関わるような話で、人類史的な起源でもあるし、どんな認知能力が基盤になったのかという意味での起源でもある。 筆者のHodgsonは考古学者であるが、神経科学・知覚心理学・進化心理学などの知見を取り込…

ある画像が何を描いているのか

また視覚認識の話をしているのに、後天的な要因と文化的な要因をあまり区別しない説明をしているのも気にかかる。視覚に関しては奥行きの認識のように、幼少期に物をみたり触ったりする体験により獲得するため、後天的ではあるが文化的ではない要素がかなり…

哲学的ゾンビの話

the-yog-yog.hatenablog.com 草野原々さんが、この記事ならびtwitterで以下のようなアンケートを含むツイートをされている 下記の引用は、一部抜粋で、一連の流れの中で下記に引用した以外のツイートもしている点には注意哲学的ゾンビ論法の主張は「この世界…

ギョルゲ・ササルマン『方形の円』

架空の都市を描き出す36の掌編 コンセプト的にはカルヴィーノ『見えない都市』に近いが、もう少しSF寄りな感じ。また、『見えない都市』は、マルコ・ポーロがハーンに語っているという形式だが、こちらは統一された語り手は設定されておらず、淡々と都市につ…

Michael Newall ”Abstraction”

Michael Newallの”What is a Picture? Depiction, Realism, Abstraction”の中の8章「Abstraction」のみを読んだ。 分析美学で抽象絵画について論じているもの、何かないかなーと色々ググっているうちに辿り着いた奴 本全体でどういう話しているのかはよく知…

神奈川県立生命の星・地球博物館

最近、特別展目当てで、千葉県立中央博物館、茨城県自然博物館と、関東の県立博物館をいくつか行ったけど、ついに神奈川県立生命の星・地球博物館へ行ってきた ただ、実は最初から行こうと思って行ったわけではなくて、元来の箱根旅行へ向かう途中でたまたま…

渡辺零『Ordinay346』

この写真、右上だけ明らかにおかしいwあとでゆっくり読みます— シノハラユウキ (@sakstyle) August 11, 2019 (この写真に写っている中で他と比べて)「明らかにおかしい」奴読みました 高橋慶太郎作品をオマージュしたアイマス・シンデレラガールズ二次創…

大森望・日下三蔵編『おうむの夢と操り人形 年刊日本SF傑作選』

2018年に発表されたSF短編の中から、大森・日下の両名が選出した18編+第10回創元SF短編賞受賞作を収録したアンソロジー 元々、2008年に刊行された『虚構機関』から始まった本シリーズだが、今回、12冊目にして最終巻となる 『零號琴』のスピンオフである「「…

小川哲『嘘と正典』

『ユートロニカのこちら側』『ゲームの王国』といった長編を発表してきた筆者の初短編集 時間や歴史(世界史から家族の歴史までスケールは様々)を扱ったSF作品が主で、また「魔術師」や「嘘と正典」などはミステリ的な要素もある 紛うことなきSF作品揃いで…

『組曲虐殺』

天王洲アイルの銀河劇場にて 色々あって人からチケットをいただいたので、行ってきた 井上ひさしの遺作にあたる作品で、小林多喜二を主人公としたミュージカル すごいタイトルではあるが、半分くらいがコメディパート 音楽がピアノのソロ演奏のみで、これが…

阿部和重『オーガ(ニ)ズム』

神町トリロジー完結編! 『シンセミア』『ピストルズ』に続く、山形県神町を舞台にした三部作の最終章 さらに『ニッポニアニッポン』『グランド・フィナーレ』『ミステリアスセッティング』ともつながっている。 (なので以前は、神町サーガという呼び方をし…

ダレン・ナイシュ/ポール・バレット『恐竜の教科書』

そのものずばり、恐竜の教科書という名前に違わぬ本。 筆者は、古生物学者であり、他にも一般向けの著作を書いているダレン・ネイシュだが、それだけでなく、監訳者が、小林快次を筆頭に、日本の若手恐竜研究者たちが揃った豪華ラインナップとなっている。 …

『美術手帖2019年10月号』

特集「アーティストのための宇宙論」下記、特集部分のみの目次 巻頭座談会:宇宙×アートの問題系 木村大治×久保田晃弘×永松愛子 目[mé]がプレゼンする、宇宙アート計画!もしも宇宙空間で作品をつくるとしたら? 目×関根康人 宇宙を目指すアーティストたち…