歴史

石毛直道『麺の文化史』

普段こういう本、つまり文化人類学の本や食文化の本を読んでいないし、本を読むほどの興味関心を抱いている分野ではないのだが、しかし、日常生活において、料理や食文化についてちょっとした疑問を抱くことは度々あって、その都度、wikipediaを読んだりして…

大正史メモ?

何故か大正史に関わる本を連続で読んだ。何故か、というか主にちくま新書が近いタイミングで何冊か出してきたから、というのが主な理由だけど。 数年前から、戦前昭和史に興味を持ち始めていたのでそれに連結する形で大正にまで興味関心が伸びた。まだ、明治…

五十殿利治『日本のアヴァンギャルド芸術――〈マヴォ〉とその時代』

大正新興美術運動を研究している著者*1の評論集。 大正振興美術運動については、ゲルハルト・リヒター展 - logical cypher scape2で近代美術館の常設展を見ていて知ったのだが、その後、大正期新興美術運動の概容と研究史 | 日本近代美術史サイトをざっと眺…

『文学+』03号

「凡庸の会」*1が発行している文芸批評と文学研究の雑誌『文学+』の第3号 以前、創刊号を少し読んだことがある。 『文学+01』 - logical cypher scape2 第3号の宣伝が回ってきたとき、大正文学史というのが見えて、最近立て続けに大正史を読んでいた(筒井…

山口輝臣・福家崇洋編『思想史講義【大正篇】』

ちくま新書の歴史講義シリーズから、新たに『思想史講義』シリーズが始まり、その第1回配本にあたる。シリーズ全体としては、明治1、明治2、大正、戦前昭和の4篇を予定しているとのこと。 最近、筒井清忠編『大正史講義』 - logical cypher scape2筒井清…

「パレオアート小史」(Mark Witton”The Palaeoartist's Handbook”1章) 

最近、パレオアート(古生物復元画)について少しずつ本を読んだりしており、今回は、パレオアートの歴史について読んだ。 ”All Yesterdays: Unique and Speculative Views of Dinosaurs and Other Prehistoric Animals” - logical cypher scape2 Mark P Wit…

巽孝之『恐竜のアメリカ』

恐竜アメリカ文学史。 以前、恐竜文学研究として南谷奉良「洞窟のなかの幻想の怪物―初期恐竜・古生物文学の形式と諸特徴」東雅夫・下楠昌哉編『幻想と怪奇の英文学4』 - logical cypher scape2を紹介したが、他にも恐竜文学研究をしているっぽい本を見つけ…

筒井清忠編『大正史講義』【文化篇】

タイトル通り、大正文化史についての本。全27章で様々なジャンルについてオムニバス的に書かれている。 目次をぱらぱらと眺めたときに、小林一三に2章さかれていることに目が行き、そのほかにもメディア論的な話題が多くて面白そうだなと思い手に取った。 大…

筒井清忠編『大正史講義』

最近、『乾と巽』というマンガを読んでいて大正時代も気になり始めていた。『ゴールデンカムイ』や『鬼滅の刃』の影響もある(ゴールデンカムイの舞台は明治末期で大正ではないが) 同じ編者の『昭和史講義』を以前読んで面白かったのと、昭和史自体、当然な…

圀府寺司『ユダヤ人と近代美術』

タイトルにある通り、ユダヤ人と近代美術の関係について論じた本。19、20世紀のユダヤ人画家やパトロンについて書かれている。 本書は、繰り返し注釈されているが、「ユダヤ美術」についての本ではない。 このテーマにはいくつかの困難がある。 まず、ユダヤ…

生井英孝『空の帝国 アメリカの20世紀』

20世紀アメリカの航空史について書かれた本だが、空軍に関する政治史を中心に大衆文化論を混ぜたような一冊。 筆者は、もともと写真を中心とした視覚文化論が専門らしい。本書も、歴史書というよりは文化論の視点から書かれた読み物という雰囲気だが、その…

加藤聖文『満鉄全史』

満鉄こと南満州鉄道株式会社の設立から終焉まで、まさに全史の本 政治史の中で捉え、いかに満州を巡る日本の政策(国策)が一貫しないものであり、満州支配が混乱したものであったかを論じていく。 その時々の総裁など、人物に注目した記述ですすんでいくの…

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史8』

今年1月から刊行の始まった「世界哲学史」シリーズ。いよいよ完結の第8巻(と思いきや、12月 に別巻が出るらしいが) 8巻は「現代 グローバル時代の知」伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史1』 - logical cypher scape2 伊藤邦武・山内志…

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史5』

5巻は「中世3 バロックの哲学」伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史1』 - logical cypher scape2 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史2』 - logical cypher scape2 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『…

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史4』

4巻は、「中世2 個人の覚醒」伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史1』 - logical cypher scape2 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史2』 - logical cypher scape2 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世…

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史3』

3巻は「中世1 超越と普遍に向けて」 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史1』 - logical cypher scape2 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史2』 - logical cypher scape2 本書で展開されるこの時代のキーワードは…

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史2』

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史1』 - logical cypher scape2に引き続き第2巻 全8巻シリーズで、第2巻は「(古代2)世界哲学の成立と展開」 目次を見ればわかる通り、宗教の比率が高いが、そんな中執筆陣も(人により差はあるが)…

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史1』

ちくま新書でスタートした世界哲学史シリーズ 全8巻刊行予定のうちの第1巻で「(古代1)知恵から愛知へ」 自分も「哲学」といえば、プラトンに起源をもつ知的伝統という理解をしているので、哲学=西洋哲学という感覚が強く、どうしても西洋以外の哲学のこ…

たつざわ「芦田漫画映画製作所の通史的な解明」

(おそらく)2018年5月の文フリで購入し、その直後に読み終わっていたもの 感想メモも、読んだ当時に書いているのだが、何故かブログに載せずに放置されていたので載せる 何故か、というか、おそらく同時期に買った他の同人誌と一緒に感想をあげるつもりだっ…

筒井康忠編『昭和史講義【戦前文化人篇】』

筒井清忠編『昭和史講義――最新研究で見る戦争への道』 - logical cypher scape2に引き続き、昭和史の本。同じ編者による同名シリーズの一番新しいものにあたる。 このシリーズでは政治家篇とか軍人篇とかが先だって出ているのだけれど、今回、昭和史読むかー…

筒井清忠編『昭和史講義――最新研究で見る戦争への道』

ワシントン条約から占領政策まで、昭和期の日本政治史を15講に分けて解説している 執筆者15人中8人が7~80年代生まれの比較的若い世代の研究者であり、サブタイトルにある通り、最新研究を踏まえた論述となっている。 直接的には、柴田勝家『ヒト夜の永い夢』…

暮沢剛巳・江藤光紀・鯖江秀樹・寺本敬子『幻の万博 紀元二千六百年をめぐる博覧会のポリティクス』

1940年に、東京五輪と同時開催の計画を立てられていた幻の東京万博について、同時代の他の万博や博覧会との比較を通して浮き彫りにすることを試みる。 芸術や文化と政治・戦争の関係を万博を通じて紐解いていく。 むろん、開催されることのなかった万博につ…

デイヴィッド・ミーアマン・スコット,リチャード・ジュレック『月をマーケティングする アポロ計画と史上最大の広報作戦』

アポロ計画の歴史を、広報面、アメリカ社会との関わりからレポートしている本。 アポロ計画について、科学技術や科学政策の点では、まあ通り一遍のことなら知っているが、当時の社会においてどのように受け取られていたか等は全然知らなかったなあということ…

冨田信之『ロシア宇宙開発史』(一部)

サブタイトルに「気球からヴォストークへ」とある通り、宇宙開発前史ともいえる気球の発明から始まって、人類初の有人宇宙飛行を達成する「ヴォストーク」(さらにヴォスホート)までの、ロシア・ソ連の宇宙開発の歴史をまとめた本。 特に、ヴォストーク・ヴ…

田口晃『ウィーン 都市の近代』

19世紀から大戦間期にかけてのウィーン市政についての歴史 自由主義市政→キリスト教社会党市政→社会民主党市政という変遷を三部構成で追っている。 ウィーンという都市から見るヨーロッパないし中欧の近代政治史、とも言えるかもしれない。国政ではなく市政…

ひらりん・大塚英志『まんがでわかるまんがの歴史』

タイトル通り、まんがでわかるまんがの歴史 いわゆる学習マンガ形式で書かれた日本マンガ史のテキスト あくまで日本史で、海外のまんがについての歴史は触れられていない(海外への言及がないわけではないが) 冒頭において、「日本のまんが史というと、最初…

的川泰宣『月をめざした二人の科学者』

フォン・ブラウンとコロリョフの伝記 稲葉振一郎『宇宙倫理学入門』 - logical cypher scape2を読んだ勢いついでに、宇宙開発史についての本もちょっと読んでおこうかと。 フォン・ブラウンはまあ知ってるとして、コロリョフの方は最近になって初めて名前を…

橋本毅彦『図説科学史入門』

図とトピックごとにまとめられた科学史。 天文、気象、地質、動植物、人体、生命科学、分子・原子・素粒子の7つのテーマごとに章立てされており、それぞれの章ごとにおおむね時代順にトピックが並べられている。 1つのトピックにつき、おおよそ1つの図・写真…

ウィリアム・H・マクニール『戦争の世界史』(下)

下巻は、「戦争の産業化」「産業の戦争化」が中心的なになっていく。 指令原理と市場的行動様式という、2つの行動原理から、世界史の動きを見ていくマクニール史観 上巻では、1000年ころ、中国・宋において市場的行動様式がより強くなっていき、それが世界に…

ウィリアム・H・マクニール『戦争の世界史』(上)

戦争にまつわる技術や産業の観点からマクロ的に世界史の流れ(特に西欧史)を見ていく本。具体的な国名、人名、出来事名を追い掛けていくタイプの叙述ではなく、技術の発展などがどのようにその時代・地域の趨勢を変えていったかという叙述がなされる。 「戦…