2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

林健太郎『ワイマル共和国』

タイトル通り、ワイマル共和国14年の歴史についての本 1963年刊行の本だが、分かりやすくて読みやすい本であった。とりあえず、ワイマル共和国史について最初に読むにはよさそうな本であった。 というか、なんでパウル・フレーリヒ『ローザ・ルクセンブル…

ルーシャス・シェパード『美しき血(竜のグリオールシリーズ)』

超巨大な竜グリオールを描く連作シリーズの最終作。 グリオールシリーズは、以前、第1作目の短編集であるルーシャス・シェパード『竜のグリオールに絵を描いた男』 - logical cypher scape2を読んだ。 第2中短編集として『タボリンの鱗』があり、本作は3…

上田早夕里『ヘーゼルの密書』

1939年から1940年にかけて、上海を舞台にして行われた日中和平工作を描いた作品。 具体的には「桐工作」という実際にあった和平工作に基づきつつ、その「桐工作」の一部をなす「榛ルート」というミッション(これは本作の創作)に携わった民間人の物語となる…

パウル・フレーリヒ『ローザ・ルクセンブルク その思想と生涯』

ローザ・ルクセンブルクの評伝 上田早夕里『リラと戦禍の風』 - logical cypher scape2で参考文献としてあがっていて、検索してみたら図書館に置いてあったので。 ほんとはもっと軽めの本を読みたかったので、思いのほか分厚いかつ二段組でひるんでしまった…

青柳いずみこ『パリの音楽サロン――ベルエポックから狂乱の時代まで』

タイトルにあるとおり、19世紀後半のベルエポック期から、狂乱の時代とも呼ばれる1920年代までの、パリのサロンにおける芸術家たちの人間模様について書かれた本。 クラシック音楽にはあまり知識や関心がなかったので、「パリの音楽サロン」についても事前に…

スティーヴン・ミルハウザー『夜の声』(柴田元幸・訳)

久しぶりにミルハウザー読んだ。 原著は2015年に刊行された”Voices in the Night”で、邦訳は2020年の『ホーム・ラン』と2021年の本書『夜の声』に二分冊されて発行された。 スティーヴン・ミルハウザー『バーナム博物館』 - logical cypher scape2 スティー…

千足伸行『もっと知りたい世紀末ウィーンの美術』

ベル・エポック期から大戦間期の歴史を勉強するぞシリーズとして、この前、福井憲彦『世紀末とベル・エポックの文化』 - logical cypher scape2を読んだので、今度はもう少し具体的な都市に着目した本を読もうと思って、世紀末ウィーンへ。 世紀末ウィーンと…

筒井清忠編『大正史講義』(一部)

本書については、以前も読んだことがある(筒井清忠編『大正史講義』 - logical cypher scape2)。その際、興味のある章を拾い読みしただけだった。木村靖二『第一次世界大戦』 - logical cypher scape2を読んだので、そういえば、『大正史講義』の第一次世…

『SFマガジン2023年12月号』

SFマガジン読むの久しぶりな感じ(しかし見返してみると、以前からさほど頻繁には読んでいないな)。 グレッグ・イーガンの新作中編が掲載されているということで、読まねば、と。SFマガジン 2023年 12 月号 [雑誌]早川書房Amazon グレッグ・イーガン「堅実…

加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』

カラーフィールド絵画と同時代に美術批評や文化との関係について論じた博士論文をもとにした本。 カラーフィールド絵画については、自分は「カラーフィールド色の海を泳ぐ」展 - logical cypher scape2によって初めて知ったが、見たら一発で気に入ってしまっ…