文化論

石毛直道『麺の文化史』

普段こういう本、つまり文化人類学の本や食文化の本を読んでいないし、本を読むほどの興味関心を抱いている分野ではないのだが、しかし、日常生活において、料理や食文化についてちょっとした疑問を抱くことは度々あって、その都度、wikipediaを読んだりして…

巽孝之『恐竜のアメリカ』

恐竜アメリカ文学史。 以前、恐竜文学研究として南谷奉良「洞窟のなかの幻想の怪物―初期恐竜・古生物文学の形式と諸特徴」東雅夫・下楠昌哉編『幻想と怪奇の英文学4』 - logical cypher scape2を紹介したが、他にも恐竜文学研究をしているっぽい本を見つけ…

筒井清忠編『大正史講義』【文化篇】

タイトル通り、大正文化史についての本。全27章で様々なジャンルについてオムニバス的に書かれている。 目次をぱらぱらと眺めたときに、小林一三に2章さかれていることに目が行き、そのほかにもメディア論的な話題が多くて面白そうだなと思い手に取った。 大…

南谷奉良「洞窟のなかの幻想の怪物―初期恐竜・古生物文学の形式と諸特徴」東雅夫・下楠昌哉編『幻想と怪奇の英文学4』

恐竜・古生物学文学研究の論文 同じ著者による恐竜・古生物文学研究の記事としては、以下もある。 最近、福井県立大学に恐竜学部ができるというニュースがあった時に、とある古生物学者の方が、ぼくの考えるさいきょうの恐竜学部的な感じでこんなツイートを…

imdkm『リズムから考えるJ-POP史』

新年一発目は、リズムから考えていた 元々、realsoundで連載されていたものに大幅に加筆された本*1 連載当時読んでいて面白かったので、本も読んだ 本来なら出てくる音源も聴きながら読むべきなんだが、ほとんど聞かずに読んでしまった。知らない曲の方が多…

岩下朋世『キャラがリアルになるとき』

筆者が『ユリイカ』などに書いてきたキャラクター論を集めた論集。2011年〜2016年の間に書かれたもの(と書き下ろし一編)が収録されている。 第1部がマンガ、第2部が仮面ライダー、テニミュ、ラッパーなどを題材にしたもの、となっている。 Ⅰ マンガのなか…

エクリヲvol.11

ミュージックビデオ論とかは、気になっているジャンルだったのだが、全然分からない部分でもあったので、勉強になった 扱われているMVをほとんど知らないので、それをいつかちゃんと見なきゃいけないなあと思いつつ*1 ecrito.fever.jp 【特集 I 聴覚と視覚の…

『ユリイカ2019年12月号 特集=Vaporwave』

松下哲也「ビアズリーの挿絵はマンガの形式に影響をおよぼしたのか?」(『ユリイカ2019年3月臨時増刊号』) - logical cypher scape2の勢いで、こっちの号のユリイカもちらっと眺めた やはりこちらも主に松下さんの記事についてユリイカ 2019年12月号 特集=…

森山直人編『近現代の芸術史 文学上演編2 メディア社会における「芸術」の行方』

林洋子編『近現代の芸術史 造形編1 欧米のモダニズムとその後の運動』 - logical cypher scape2と同じシリーズの、京都造形芸術大学の教科書 上の本を手に取った際、同じシリーズの本が他に色々出てるのに気づいて、とりあえずこれも読んでみようかなと手に…

大塚英志『ミュシャから少女まんがへ 幻の画家・一条成美と明治のアール・ヌーヴォー』

明治期における日本のミュシャとアール・ヌーヴォーの受容を、与謝野鉄幹が主宰した『明星』とその表紙・挿画などをミュシャ風の絵で飾った一条成美を中心として見ていく本 文学において「内面」が発見されていった過程に、ミュシャ様式の絵がいかに併走して…

『多元化するゲーム文化と社会』(一部)

全部読んだら、ブログに書こうかなと思っているといつまでも書けなくなってしまうので、読んだものだけでも 全14章、コラムも10本以上ある中の、論文3本、コラム1本なので、一部も一部にすぎるのだけど…… 第1部と第4部はもうちょっとちゃんと読みたい 序章 …

暮沢剛巳・江藤光紀・鯖江秀樹・寺本敬子『幻の万博 紀元二千六百年をめぐる博覧会のポリティクス』

1940年に、東京五輪と同時開催の計画を立てられていた幻の東京万博について、同時代の他の万博や博覧会との比較を通して浮き彫りにすることを試みる。 芸術や文化と政治・戦争の関係を万博を通じて紐解いていく。 むろん、開催されることのなかった万博につ…

現代思想2019年5月臨時増刊号 総特集=現代思想43のキーワード

現代思想 2019年5月臨時増刊号 総特集◎現代思想43のキーワード (現代思想5月臨時増刊号)作者: 千葉雅也,松本卓也,渡辺ペコ,トミヤマユキコ,清田隆之出版社/メーカー: 青土社発売日: 2019/04/12メディア: ムックこの商品を含むブログを見る 本屋で見かけたの…

松永伸司『ビデオゲームの美学』

ビデオゲームは一体いかなるナラデハ特徴を持っているのかを、記号の意味作用という観点に着目して明らかにしようとする本 これは名著 様々な論点が丁寧に整理され、読者が気に掛かるであろう点にはきちんと補助線が引かれ、踏み込む必要のない議論では中立…

マーク・スタインバーグ『なぜ日本は〈メディアミックスをする国〉なのか』(中川譲訳、大塚英志監修)

日本におけるメディアミックスについての歴史研究の本。 全6章のうち、前半の3章は『鉄腕アトム』におけるキャラクター玩具の展開に、メディアミックスの起源を、後半の3章では、角川の社史を追う形で、角川が成立させたメディアミックスという手法の展開…

『PRANK!vol.5』

特集 AR/VR 現実を仮想・拡張せよ 論考「AR・VR教育導入への課題点」 さいむ インタビュー 川田十夢「ARは未来である」 コラム「ARやVRを用いた/題材にしたエンタメあれこれ」 論考「「深淵」化するメディア」tacker10 論考「ARの現在とその終着点」なーる…

『表象 07』

表象文化論学会の学会誌2013年号 ◆巻頭言◆ 翻訳の人類学、事始め(岡田温司) ◆特集◆アニメーションのマルチ・ユニヴァース イントロダクション(土居伸彰) 対談『アニメ・マシーン』から考える(トマス・ラマール+石岡良治/門林岳史=司会) インタビュ…

『アニメクリティーク』(vol.5、7、4.5)

アニクリがいくつかたまっていたので、まとめ読み まとめ読みなので、雑にしか読んでいないけど、何を読んだか以下にメモ。 tacker10さんが、どの号でもわりと長めの論考を書いており、また、それぞれにつながりがあったりして、結果的にtacker10さんを中心…

『クライテリアvol.2』

とりあえず、一部読んだので、何を読んだかだけメモ。 せっかく同人誌買ったのだから、同人メンバーの書いたものこそ読むべきだと思うのだが、有名人のパートを主に読みました。 あと、以下にメモってないけど、短評は一応全部目は通した。 横山タスク「自己…

土居伸彰『個人的なハーモニー ノルシュテインと現代アニメ論』

最近、土居伸彰『21世紀のアニメーションがわかる本』 - logical cypher scapeを読んだが、同じ筆者による、博士論文をもとにした著作にして第一作。『個人的なハーモニー』が理論編、『21世紀のアニメーションがわかる本』が応用編とのことである。 ロシア…

細馬宏通『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか』

サブタイトルは「アニメーションの表現史」で、アメリカの初期アニメーションを取り上げ、当時の技術やアニメ以外の文化との関連から、なぜこのような表現になったのかについて書かれた本。 各章の独立性が高く、比較的どの章からも読めるし、とっつきやすい…

土居伸彰『21世紀のアニメーションがわかる本』

21世紀のアニメーション、すなわち2000年代及び2010年代の(主に)海外アニメーションの動向を論じている本 この本、宣伝において目を引くのは『君の名は。』『この世界の片隅に』『聲の形』なので、この3作品を主要に取り扱った本のようにも見えるのだが、…

津堅信之『新版アニメーション学入門』

タイトル通り、アニメーション学・アニメーション研究の概説 新書サイズでコンパクトにまとまっており、もちろんその分、深くまで踏み込んだところはないが、広範にわたるアニメーション研究を見渡すことができる アニメファンではあるが、アニメーション学…

ひらりん・大塚英志『まんがでわかるまんがの歴史』

タイトル通り、まんがでわかるまんがの歴史 いわゆる学習マンガ形式で書かれた日本マンガ史のテキスト あくまで日本史で、海外のまんがについての歴史は触れられていない(海外への言及がないわけではないが) 冒頭において、「日本のまんが史というと、最初…

『フィルカルVol.2No.2』

「分析哲学と文化をつなぐ」雑誌、通算4号 これまでただの一読者として読んできて、自分が投稿するとかは全然考えていなかったのだけど、気付いていたら投稿していた。 というわけで、シノハラユウキ「メディアを跨ぐヴィヴィッドな想像」が掲載されていま…

鈴木雅雄+中田健太郎編『マンガ視覚文化論 見る、聞く、語る』

鈴木雅雄編著『マンガを「見る」という体験』 - logical cypher scapeの続編 前著が、シュールリアリスムとマンガとの比較という観点があったのに対して、こちらはよりマンガ中心である。 タイトルが示す通り、視覚文化論とのかかわりから論じられるものが多…

イェスパー・ユール『ハーフリアル』(松永伸司訳)

サブタイトルは、虚実のあいだのビデオゲーム ビデオゲーム研究の博論を元にした本で、ルールとフィクションという両面からビデオゲームについて論ずる。ルールは現実に属するので、「半分現実(ハーフリアル)」というタイトル。ハーフリアル ―虚実のあいだ…

『フィルカルVol.2No.1』

分析哲学と文化をつなぐ雑誌 通算3冊目で、特集はアイドルだけど、それ以外にも、フィクション作品による哲学とは何かとか、ゲーム『超攻合神サーディオン』論、「意図の誤謬」翻訳などが載っていて、濃い内容となっている。 フィルカル Vol. 2, No. 1 | ph…

『ユリイカ2016年9月臨時増刊号』

総特集=アイドルアニメ 既に告知した通り、自分も寄稿させていただいた本誌だが、普通に一読者として、二次元アイドルファンとして楽しめた1冊だった。 冒頭が菱田・西・依田座談会で、背表紙もオバレで、事実上のキンプリ特集的な面もあるけれど、取り上げ…

『ナラティヴ・メディア研究』第5号

2015年11月に行われたマンガ研究フォーラム「マンガのナラトロジー ―マンガ研究における〈物語論(ナラトロジー)〉の意義と可能性」での発表論文が収録されたもの。 森本浩一が発表を行い、野田謙介、中田健太郎、三浦知志、三輪健太朗がコメンテーターとし…