文化論

小池隆太のマンガ・アニメに関わる物語論関係の論考を読んでのよしなしごと

『マンガ研究13講』『マンガ探求13講』や『アニメ研究入門』『アニメ研究入門(応用編)』という本があり、未読ではあるのだが、いつか読みたいと思っていて目次だけは確認している。 その際、気になった論考がいくつかあるのだが、いずれの本の中にも小池隆…

戦間期アメリカ文化(過去のブログ記事からなど)

常松洋『大衆消費社会の登場』 - logical cypher scape2は、戦間期アメリカの文化を考えるうえで、そのベースとなる社会構造などについて知れるよい本だったが、文化そのものについては手薄だったので、なんかいい本ないかなーと探しているのだが、それはそ…

常松洋『大衆消費社会の登場』

19世紀後半から1920年代頃までのアメリカにおける、大衆消費社会の成立について 1920年代頃に、現代まで続く形の社会や文化が成立したといわれるが、それがよく分かる(およそ100年たっていて、また転換期にあるのかな、という気もするが)。 企業活動の再編…

海野弘『万国博覧会の二十世紀』

海野弘『アール・デコの時代』 - logical cypher scape2に引き続き、海野弘本。 20世紀に開催された万博のうち10の万博を紹介している。 それらは、第二次大戦後のブリュッセルと大阪を除くと、パリかアメリカで開催されたものとなる。 元々筆者は、アール・…

海野弘『アール・デコの時代』

1920年代のアール・デコと総称される芸術・文化・生活スタイルについて 最近、20世紀前半の文化史等についていくつか本を読んでいるが、このテーマの本を探していると、海野弘の本にあたることが多い。 ただし、アカデミックな研究者というわけではないので…

福井憲彦『世紀末とベル・エポックの文化』

19世紀末から20世紀初頭にかけてのヨーロッパの文化について 山川からでている「世界史リブレット」シリーズの中の1冊で、全部で100ページほどの小冊子である。そのため、内容的にはそこまで深く論じられているわけではないが、学術・文化にかんして概観でき…

木澤佐登志『闇の精神史』

「ロシア宇宙主義」「アフロフューチャリズム」「サイバースペース論」という三部構成で、近代や資本主義を脱しようとしたユートピア思想を概観していく。 SFマガジンでの連載をまとめたもの。 木澤佐登志の著作は以前から多少気になってはいたものの、自分…

攻殻機動隊 M.M.A. - Messed Mesh Ambitions_ISSUE #01 特集_東洋的|The East

攻殻機動隊のグローバルサイトなるものが立ち上がり、その中で士郎正宗へのインタビューがあるのが話題となっているが、他にも論考記事が掲載されている。 普段、こういう記事へのリアクションはブクマでしているし、これらの記事についてもブクマでもよかっ…

桑野隆『20世紀ロシア思想史 宗教・革命・言語』

20世紀のロシアにおける哲学や思想に一体どんなものがあるのか、概略をつかむのにちょうどよい入門書ないしハンドブック かなり広範に扱っているが、ページ数は手頃な長さにおさまっている。その点、個々の思想について説明が少なくなってしまっているところ…

石毛直道『麺の文化史』

普段こういう本、つまり文化人類学の本や食文化の本を読んでいないし、本を読むほどの興味関心を抱いている分野ではないのだが、しかし、日常生活において、料理や食文化についてちょっとした疑問を抱くことは度々あって、その都度、wikipediaを読んだりして…

巽孝之『恐竜のアメリカ』

恐竜アメリカ文学史。 以前、恐竜文学研究として南谷奉良「洞窟のなかの幻想の怪物―初期恐竜・古生物文学の形式と諸特徴」東雅夫・下楠昌哉編『幻想と怪奇の英文学4』 - logical cypher scape2を紹介したが、他にも恐竜文学研究をしているっぽい本を見つけ…

筒井清忠編『大正史講義』【文化篇】

タイトル通り、大正文化史についての本。全27章で様々なジャンルについてオムニバス的に書かれている。 目次をぱらぱらと眺めたときに、小林一三に2章さかれていることに目が行き、そのほかにもメディア論的な話題が多くて面白そうだなと思い手に取った。 大…

南谷奉良「洞窟のなかの幻想の怪物―初期恐竜・古生物文学の形式と諸特徴」東雅夫・下楠昌哉編『幻想と怪奇の英文学4』

恐竜・古生物学文学研究の論文 同じ著者による恐竜・古生物文学研究の記事としては、以下もある。 最近、福井県立大学に恐竜学部ができるというニュースがあった時に、とある古生物学者の方が、ぼくの考えるさいきょうの恐竜学部的な感じでこんなツイートを…

imdkm『リズムから考えるJ-POP史』

新年一発目は、リズムから考えていた 元々、realsoundで連載されていたものに大幅に加筆された本*1 連載当時読んでいて面白かったので、本も読んだ 本来なら出てくる音源も聴きながら読むべきなんだが、ほとんど聞かずに読んでしまった。知らない曲の方が多…

岩下朋世『キャラがリアルになるとき』

筆者が『ユリイカ』などに書いてきたキャラクター論を集めた論集。2011年〜2016年の間に書かれたもの(と書き下ろし一編)が収録されている。 第1部がマンガ、第2部が仮面ライダー、テニミュ、ラッパーなどを題材にしたもの、となっている。 Ⅰ マンガのなか…

エクリヲvol.11

ミュージックビデオ論とかは、気になっているジャンルだったのだが、全然分からない部分でもあったので、勉強になった 扱われているMVをほとんど知らないので、それをいつかちゃんと見なきゃいけないなあと思いつつ*1 ecrito.fever.jp 【特集 I 聴覚と視覚の…

『ユリイカ2019年12月号 特集=Vaporwave』

松下哲也「ビアズリーの挿絵はマンガの形式に影響をおよぼしたのか?」(『ユリイカ2019年3月臨時増刊号』) - logical cypher scape2の勢いで、こっちの号のユリイカもちらっと眺めた やはりこちらも主に松下さんの記事についてユリイカ 2019年12月号 特集=…

森山直人編『近現代の芸術史 文学上演編2 メディア社会における「芸術」の行方』

林洋子編『近現代の芸術史 造形編1 欧米のモダニズムとその後の運動』 - logical cypher scape2と同じシリーズの、京都造形芸術大学の教科書 上の本を手に取った際、同じシリーズの本が他に色々出てるのに気づいて、とりあえずこれも読んでみようかなと手に…

大塚英志『ミュシャから少女まんがへ 幻の画家・一条成美と明治のアール・ヌーヴォー』

明治期における日本のミュシャとアール・ヌーヴォーの受容を、与謝野鉄幹が主宰した『明星』とその表紙・挿画などをミュシャ風の絵で飾った一条成美を中心として見ていく本 文学において「内面」が発見されていった過程に、ミュシャ様式の絵がいかに併走して…

『多元化するゲーム文化と社会』(一部)

全部読んだら、ブログに書こうかなと思っているといつまでも書けなくなってしまうので、読んだものだけでも 全14章、コラムも10本以上ある中の、論文3本、コラム1本なので、一部も一部にすぎるのだけど…… 第1部と第4部はもうちょっとちゃんと読みたい 序章 …

暮沢剛巳・江藤光紀・鯖江秀樹・寺本敬子『幻の万博 紀元二千六百年をめぐる博覧会のポリティクス』

1940年に、東京五輪と同時開催の計画を立てられていた幻の東京万博について、同時代の他の万博や博覧会との比較を通して浮き彫りにすることを試みる。 芸術や文化と政治・戦争の関係を万博を通じて紐解いていく。 むろん、開催されることのなかった万博につ…

現代思想2019年5月臨時増刊号 総特集=現代思想43のキーワード

現代思想 2019年5月臨時増刊号 総特集◎現代思想43のキーワード (現代思想5月臨時増刊号)作者: 千葉雅也,松本卓也,渡辺ペコ,トミヤマユキコ,清田隆之出版社/メーカー: 青土社発売日: 2019/04/12メディア: ムックこの商品を含むブログを見る 本屋で見かけたの…

松永伸司『ビデオゲームの美学』

ビデオゲームは一体いかなるナラデハ特徴を持っているのかを、記号の意味作用という観点に着目して明らかにしようとする本 これは名著 様々な論点が丁寧に整理され、読者が気に掛かるであろう点にはきちんと補助線が引かれ、踏み込む必要のない議論では中立…

マーク・スタインバーグ『なぜ日本は〈メディアミックスをする国〉なのか』(中川譲訳、大塚英志監修)

日本におけるメディアミックスについての歴史研究の本。 全6章のうち、前半の3章は『鉄腕アトム』におけるキャラクター玩具の展開に、メディアミックスの起源を、後半の3章では、角川の社史を追う形で、角川が成立させたメディアミックスという手法の展開…

『PRANK!vol.5』

特集 AR/VR 現実を仮想・拡張せよ 論考「AR・VR教育導入への課題点」 さいむ インタビュー 川田十夢「ARは未来である」 コラム「ARやVRを用いた/題材にしたエンタメあれこれ」 論考「「深淵」化するメディア」tacker10 論考「ARの現在とその終着点」なーる…

『表象 07』

表象文化論学会の学会誌2013年号 ◆巻頭言◆ 翻訳の人類学、事始め(岡田温司) ◆特集◆アニメーションのマルチ・ユニヴァース イントロダクション(土居伸彰) 対談『アニメ・マシーン』から考える(トマス・ラマール+石岡良治/門林岳史=司会) インタビュ…

『アニメクリティーク』(vol.5、7、4.5)

アニクリがいくつかたまっていたので、まとめ読み まとめ読みなので、雑にしか読んでいないけど、何を読んだか以下にメモ。 tacker10さんが、どの号でもわりと長めの論考を書いており、また、それぞれにつながりがあったりして、結果的にtacker10さんを中心…

『クライテリアvol.2』

とりあえず、一部読んだので、何を読んだかだけメモ。 せっかく同人誌買ったのだから、同人メンバーの書いたものこそ読むべきだと思うのだが、有名人のパートを主に読みました。 あと、以下にメモってないけど、短評は一応全部目は通した。 横山タスク「自己…

土居伸彰『個人的なハーモニー ノルシュテインと現代アニメ論』

最近、土居伸彰『21世紀のアニメーションがわかる本』 - logical cypher scapeを読んだが、同じ筆者による、博士論文をもとにした著作にして第一作。『個人的なハーモニー』が理論編、『21世紀のアニメーションがわかる本』が応用編とのことである。 ロシア…

細馬宏通『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか』

サブタイトルは「アニメーションの表現史」で、アメリカの初期アニメーションを取り上げ、当時の技術やアニメ以外の文化との関連から、なぜこのような表現になったのかについて書かれた本。 各章の独立性が高く、比較的どの章からも読めるし、とっつきやすい…