文化論
もうひとつのフィクション性――「妖精物語について」における〈現実〉の位相 / 勝田悠紀 ファンタジーの魅惑――J・R・R・トールキン『妖精物語について』におけるフィクション理論 / 岡田進之介 物語を受け継ぐ方法――「再創造」という創作・読解行為からみ…
「ロシア宇宙主義」「アフロフューチャリズム」「サイバースペース論」という三部構成で、近代や資本主義を脱しようとしたユートピア思想を概観していく。 SFマガジンでの連載をまとめたもの。 木澤佐登志の著作は以前から多少気になってはいたものの、自分…
攻殻機動隊のグローバルサイトなるものが立ち上がり、その中で士郎正宗へのインタビューがあるのが話題となっているが、他にも論考記事が掲載されている。 普段、こういう記事へのリアクションはブクマでしているし、これらの記事についてもブクマでもよかっ…
普段こういう本、つまり文化人類学の本や食文化の本を読んでいないし、本を読むほどの興味関心を抱いている分野ではないのだが、しかし、日常生活において、料理や食文化についてちょっとした疑問を抱くことは度々あって、その都度、wikipediaを読んだりして…
恐竜アメリカ文学史。 以前、恐竜文学研究として南谷奉良「洞窟のなかの幻想の怪物―初期恐竜・古生物文学の形式と諸特徴」東雅夫・下楠昌哉編『幻想と怪奇の英文学4』 - logical cypher scape2を紹介したが、他にも恐竜文学研究をしているっぽい本を見つけ…
現代思想 2019年5月臨時増刊号 総特集◎現代思想43のキーワード (現代思想5月臨時増刊号)作者:千葉雅也,松本卓也,渡辺ペコ,トミヤマユキコ,清田隆之青土社Amazon 本屋で見かけたので少し眺めました。 目次は青土社 ||現代思想:現代思想2019年5月臨時増刊号 …
日本におけるメディアミックスについての歴史研究の本。 全6章のうち、前半の3章は『鉄腕アトム』におけるキャラクター玩具の展開に、メディアミックスの起源を、後半の3章では、角川の社史を追う形で、角川が成立させたメディアミックスという手法の展開…
とりあえず、一部読んだので、何を読んだかだけメモ。 せっかく同人誌買ったのだから、同人メンバーの書いたものこそ読むべきだと思うのだが、有名人のパートを主に読みました。 あと、以下にメモってないけど、短評は一応全部目は通した。 横山タスク「自己…
タイトル通り、まんがでわかるまんがの歴史 いわゆる学習マンガ形式で書かれた日本マンガ史のテキスト あくまで日本史で、海外のまんがについての歴史は触れられていない(海外への言及がないわけではないが) 冒頭において、「日本のまんが史というと、最初…
宣伝:シノハラユウキ「メディアを跨ぐヴィヴィッドな想像」 松本大輝「その歌は緑の髪をしている―ボーカロイドとメイクビリーブ―」 新野安「『忠臣蔵』と『神無月の巫女』―理解され得ない欲求、のジレンマ―」 川瀬和也「大森靖子と推論主義」 「デヴィッド…
「自由論入門 第3回」(高崎 将平) ●特集シリーズ:アイドル 論文「アイドルとハロプロ」(青田 麻未) 論考「2.5次元アイドル論」(小倉 健太郎) 論文「フィクションの中の哲学」(高田 敦史) 論考「たった一人の私に、あなたは気づいてくれますか?」(…
要真理子「モダニズムの地平−ブルームズベリーのエクリチュール−」 松永伸司「キャラクタは重なり合う」 稲岡大志「堀江由衣をめぐる試論−音声・キャラクター・同一性−」 滝沢正之・佐藤暁「佐藤暁「声優と表現の存在論」をめぐる往復書簡」 長門祐介「連載…
総特集=アイドルアニメ 既に告知した通り、自分も寄稿させていただいた本誌だが、普通に一読者として、二次元アイドルファンとして楽しめた1冊だった。 冒頭が菱田・西・依田座談会で、背表紙もオバレで、事実上のキンプリ特集的な面もあるけれど、取り上げ…
「自由論入門」(高崎 将平) 論考・論文 論考「分析哲学とモダニズム」(長田 怜) 論考「美術におけるモダニズム」(河合 大介) 論考「モダニズムの絵画はいかにして絵画を批判しうるか」(松本 大輝) 論文「文化に入り行く哲学」(古田 徹也) 論考「何が可…
伊丹空互『系譜のつながりかた: テン年代アイドルのありかたとしての佐々木優佳里』 invert vol.2 甘粕試金『CHECK! CHECK! CHECK! アイカツ!音楽試論集』 すぱんくtheはにー『あのすぱらしい愛はもう二度と』 アーカイブ騎士団『ユートピア小説集』 渡辺書…
映像・動画を軸にした、様々なトピックについての各論者によるアンソロジーとなっている。 序論――「映像」をめぐる新たな言葉の獲得のために 渡邉大輔 第一章 デジタル/ネットワーク映像の「思想」 「可塑性」が駆動するデジタル映像――「生命化」するビジュ…
ここ最近、声優にはまりつつあるものの、そんな詳しいわけでもないので、まあ読んでみた 自分もなんか書いてみたくなるよって意味では面白かった。 序論 声の現象学から声優論へ/小森健太朗 声優史概説/夏葉薫 第1章 島本須美&日高のり子──八〇年代を象…
近現代の「魔女」文化を巡る本。具体的には、世紀末美術、新魔女運動(ネオペイガンなど)、ゴスの3つにスポットライトがあてられる。 帯やカラー口絵を見ると、まどマギ、きゃりーぱみゅぱみゅが取り上げられていて、現代のサブカルチャーについて論じてい…
「アート/エンタメ」あるいは「サブカル/オタク」という軸を取っ払って、現代(視覚)文化について取りかかる切り口を講義する本。 このあたりは、n11books.com -でも、以下のように紹介されていて、読んでいてその通りだなと思った。 長々と歴史が語れら…
ゴーレム伝説、そして「ゴーレム的なもの」が描かれた文学作品などを概観し、「ゴーレム的なもの」とは一体何か、そして「人間圏」の境界について考える。 人間以下の人間として「ゴーレム」は捉えられるが、この後、人間圏の境界ないし人間以下の生物につい…
サブタイトルは、「歌って踊るカワイイ女の子がいる限り、世界は楽しい」 全くもって正しいですね。世界の真理だ。 ぱすぽ☆、アップアップガールズ(仮)の振付師である竹中が、ダンスという視点からアイドルを語る本。 そもそもアイドルダンスというジャン…
「サイバースペースは何故そう呼ばれるか」を河出文庫版で再読。 それから、収録されている論考「精神分析の世紀、情報機械の世紀」「想像界と動物的通路」「スーパーフラットで思弁する」を読んだ。「精神分析の〜」は再読、残り2つは初めて読んだ。対話の…
まだ小説は読んでないけど、評論は読んだ。 福嶋亮大「現代中国文化に見るネットワーク効果」 まあ大体タイトルどおりの感じの話 伊藤亜紗「「露出」する登場人物たち」 非常に面白かった。「カギ括弧論」もそうだけど、伊藤さんって派手さはないけど面白い…
「キャラクター文化」を巡る様々な(国際的、国内的な、主にビジネスにまつわる)状況を概観させてくれるハンドブック。 であるが、それを前提にしつつ、第三章のキャラクター論が非常に面白い! ディケンズの挿絵からアメリカの戦前出版文化あたりに、キャ…
サブタイトルに「セカイ系文化論」とある通り、セカイ系評論集となっている。 「何を今更セカイ系なんて」と思う向きにも、ちょっと立ち止まってもらいたい。 これは、セカイ系と称されてきた作品について論じる、というわけではなく、セカイ系という概念が…
ゲーラボ 斎藤環は、栗本薫の話をマクラに腐女子ネタ。アフタヌーン新書の腐女子本でdisられていたらしいので、それへの反論をしつつ、腐女子のことを語るのってほんとに難しいよねって話と、「関係としての化学」では腐女子視点で中上健次とかを評論したか…
ざーっと読んだ。 以下、何を読んだかのメモ。 ゲームプレイ・ワーキング 鈴木健 事例紹介として面白かった。 対抗的創造主義を生きよ! 橋本努 最初の方を読んだだけ。あまりよく分からなかった。 民主主義のための福祉 田村哲樹 熟議的民主主義の条件として…
気付けばもう5号。大体ちゃんと読んでるよ、俺、すげーw 今号は、向井秀徳インタビューに始まり、黒沢清インタビューに終わる、という感じ。 向井秀徳インタビュー ZAZENって、実はちゃんと聞いたことがないんですが、4枚目のアルバムの話をしていて、聞…
サブタイトルは「再ヤンキー化時代の少女たち」で、郊外に住む、ヤンキーの少女文化について論じられている。 これは、東京に住む、オタクで少年の文化との対比でもある。 ところで、ヤンキーとは一体何を指しているのか。 斎藤環は『文学の断層』の中で、日…
メモ。 斎藤環は、ポニョの話。吾妻ひでおと宮崎駿を並べて、究極のロリコンは「少女の変形」を描く、と論ずる。 伊藤剛は、実は僕も女装したことがあるんです、という話から始まって、『ニコイチ』の話。男だと分かる描線で書かれている女装した主人公。し…