imdkm『リズムから考えるJ-POP史』

新年一発目は、リズムから考えていた
元々、realsoundで連載されていたものに大幅に加筆された本*1
連載当時読んでいて面白かったので、本も読んだ
本来なら出てくる音源も聴きながら読むべきなんだが、ほとんど聞かずに読んでしまった。知らない曲の方が多いくらいなのに……
曲を聴いてないのに、曲について書かれた文章が分かるということはないと思うが、しかし、何となくわかったような気分にはなる。
それは、分析のアプローチが多様であることも関わっている気がする。
分析のアプローチが多様であることは、著者本人があとがきでも触れている。


本書は、J-POPがPOPになるまで、という歴史を描こうとする。
そしてそれを、日本語の歌と様々な音楽(ここでは特に広義のダンスミュージック)のリズムの関係から紐解いていく本である

はじめに アジアンカルチャーの隆盛と日本
第一章 小室哲哉がリスナーに施した、BPM感覚と16ビートの“教育”
第二章 90年代末の“ディーヴァ”ブームと和製R&Bの挑戦
第三章 m-floから考える、和製R&Bと日本語ヒップホップの合流地点
第四章 中田ヤスタカによる、“生活”に寄り添う現代版「家具の音楽
第五章 Base Ball Bearから検証する、ロックにおける4つ打ちの原点
第六章 KOHHが雛形を生み出した、“トラップ以降”の譜割り
第七章 動画の時代に音楽と“ミーム”をつなぐダンス
第八章 “人間活動”以後の宇多田ヒカル
エピローグ 三浦大知と“J-POP”以後(書き下ろし)
おわりに(書き下ろし)
tofubeatsによる解説

imdkm.com

*1:なお、あとがきによれば、元々本を書く予定があり、それのダイジェストがこの連載だったよう