小説その他
ウクライナ戦争起きた頃くらいから、ウクライナといえばそういえば『ミノタウロス』だなあ、再読しようかなあ、とか思っていたのだが、いつものことで、そう思ってから数年たってしまった。いや、ウクライナ戦争始まってもうそんな経つのかよ 現在起きている…
竜のグリオールシリーズから「タボリンの鱗」「スカル」の2編が収録されている。短編集とはいうが、「スカル」は中編サイズだと思う。 ルーシャス・シェパード『美しき血(竜のグリオールシリーズ)』 - logical cypher scape2の訳者あとがきを読んだら、「…
超巨大な竜グリオールを描く連作シリーズの最終作。 グリオールシリーズは、以前、第1作目の短編集であるルーシャス・シェパード『竜のグリオールに絵を描いた男』 - logical cypher scape2を読んだ。 第2中短編集として『タボリンの鱗』があり、本作は3…
1939年から1940年にかけて、上海を舞台にして行われた日中和平工作を描いた作品。 具体的には「桐工作」という実際にあった和平工作に基づきつつ、その「桐工作」の一部をなす「榛ルート」というミッション(これは本作の創作)に携わった民間人の物語となる…
第一次世界大戦下のヨーロッパ、西部戦線で瀕死となったドイツ人兵士イェルク・ヒューバーが、不死者である伯爵に助けられ、リラという少女を護衛するよう依頼される。リラと行動をする中で、銃後の困窮を知った彼は、情報や食糧の闇取引に携わるようになる…
伊坂幸太郎が、自分の好きな小説でドリームチームを組んだという短編アンソロジー 自分は先に伊坂幸太郎編『小説の惑星 オーシャンラズベリー篇』 - logical cypher scape2を読んだが、どちらから先に読めばよいとかいうことはないので、このちょっと不思議…
伊坂幸太郎が、自分の好きな小説でドリームチームを組んだという短編アンソロジー 自分は伊坂幸太郎をほとんど読んだことがない(『死神の精度』と阿部和重との共著である『キャプテンサンダーボルト』くらい)が、収録されている作家を見て気になったので読…
作者が2022年10月2日に亡くなったのを受けて、再読した。 受けて、というにはちょっと時間が経ちすぎた感じもするが。 追悼というのもなんか変な感じである。 再読したのは亡くなったことがきっかけだが、読んでいる最終は、この作者が最近亡くなったのだ…
満洲の架空の町のおよそ半世紀の期間を群像劇として描いた長編小説 中国東北部の田舎町に過ぎなかった李家鎮が、仙桃城という都市へと成長し、満洲国の終焉とあわせて消え去っていく。 一つの街が生まれ消え去っていくまでの物語で、建築や都市計画を巡る物…
高山、酉島、倉田の3人が旅先からそれぞれ2人に手紙を出しているという形式で進む、リレー書簡小説。 架空旅行記と書簡小説とリレー小説の面白さがかけあわされている。 奇妙奇天烈な土地を旅しながら、それがユーモラスさを生んでいて、読んでいて時々笑っ…
機龍警察シリーズ長編第6弾 ミャンマーに赴くことになった部付警部3人、そして京都を舞台に城木は親戚たちと対峙する。 特捜部解体に動き出した〈敵〉『機龍警察 白骨街道』読了(昨日の夜遅くに読み終わった。おかげで寝不足気味)よくこんな話が書けるな………
二・二六事件の迫る昭和の東京を舞台に、伯爵の娘笹宮惟佐子が親友の死の謎に迫るミステリ 今回はSF要素はないものの、やはりジャンル横断的な作品となっている。 読後にググって出てきた鴻巣友季子のレビューが簡にして要を得ている allreviews.jp ストーリ…
渡辺零『Ordinay346』 - logical cypher scape2の続き 志希が表紙なのに、ほぼ砂塚あきらと松永涼の話じゃないかーw 作者自身が、書いても書いても志希の話が始まらん的なことをツイートしていたので、志希編はまだ本格的には始まらんのだなというのは分か…
この写真、右上だけ明らかにおかしいwあとでゆっくり読みます— シノハラユウキ (@sakstyle) 2019年8月11日 (この写真に写っている中で他と比べて)「明らかにおかしい」奴読みました 高橋慶太郎作品をオマージュしたアイマス・シンデレラガールズ二次創作 …
色々と話題になった本作。 ひきこもりたちが集まってCGキャラクターとかUMAの映像とかを作ることになる話で、エンタメ的にぐいぐいと読ませてくれる作品 ただ、これまで自分が読んだ津原作品と比較すると、好みの度合いとしては少し下がるかなあという感じだ…
11編の短編を収録した作品集 筆者の、1999年から2010年までに発表された短編を集めている。 ちょっとホラーっぽいというか、幽霊や怪奇現象がでてくるわけではないが、ちょっと恐ろしい、ちょっと不気味、ちょっと不思議なところを描いている作品が多いとい…
一連の津原泰水騒動の中、新潮社が宣伝していたのをきっかけで知り、手に取った 自分が今まで読んだ津原作品は、主にSF・幻想系の短編と『バレエ・メカニック』のみで、完全にそういうジャンルの人だと思っていて、実は今回の騒動まで、他のジャンルでも書い…
超巨大な竜グリオールを巡る短編4編を収録 巨大さという点では、おそらく他作品に登場する竜と比べて群を抜いており、全長が1キロメートル以上ある。 しかし、この竜は空を飛んだり、言葉を話したりはしない。実は、数千年前に魔法使いに殺され、大地に横た…
ドラゴンのいる19世紀イギリスを舞台にした、戦記もの 以前、以下のまとめを読んだら、面白そうなジャンルだったので、その嚆矢とされる(?)本作を手に取ってみたtogetter.comテメレア戦記 (1)作者:ナオミ ノヴィクフリューAmazon本作は、ドラゴンのいるナ…
アーカイブ騎士団の第10弾 これまでの感想 004『ロボット小説集』 第15回文フリ感想 - logical cypher scape2 005『ゾンビ小説集』 第17回感想 - logical cypher scape2 006『恋愛SF小説集』 第19回文学フリマ感想 - logical cypher scape2 007『ユートピ…
1940年代の上海を舞台に日本人科学者がとある細菌兵器を巡って奮闘する物語 サスペンス的な意味でとても面白い 上田作品は一部しか読んできていないが、『華竜の宮』や『深紅の碑文』などと通底するところからな、と思うのは、苦境に陥った世界の中でなお必…
テレビアニメ化もされた*1、ファンタジー戦記ライトノベルシリーズが完結 めちゃくちゃ面白く、ヤバい作品だったと思う。 舞台となるカトヴァーナ帝国は、いまだ繁栄を維持しつつも、貴族による腐敗政治と隣国キオカ共和国の伸長により、衰退を辿っている。 …
次巻が最終巻とのことで、最終巻を直前に控えて、箸休めというか準備というかしばしの休息というか、そういう巻 と思ったら、死んだと思ったあの人がまさかの再登場 まさか、こいつ、アンドリュー・フォーク的なポジションになるのではあるまいなと思ったら…
自分にとって後輩にあたる文芸同人サークルaBreの9周年号 9年で一度活動休止するとのことで、久々に読んだ 自分の場合、筑波批評が事実上の活動休止状態に陥っているので、ちゃんと、一旦区切りをつける旨宣言している点は、偉いなあと思ったり、羨ましい…
ラ・サイア・アルデラミン、キオカ、カトヴァーナの三者会談を描く12巻 物語としては、三者会談というよりは、そこに入り込んだ科学者アナライ・カーンが精霊の謎を解こうとするという形で進み、精霊の秘密が明かされる。 一方で、構図としては、イクタの戦…
機龍警察シリーズ長編第5弾 ミステリマガジンでの連載をまとめ加筆修正したもの。 疑獄事件と連続殺人事件を異例の合同捜査態勢を追うも、正体不明の殺し屋「狼眼殺手」に捜査本部は翻弄される。物語の核心と日本の闇に迫る巨大な事件が次第に姿を現していく…
中央アジアの架空の国アラルスタンを舞台に、若き女性たちが一夜にして臨時政府を樹立せざるを得なくなった顛末を描く物語 アラルスタンの設定がよくできていて、それで勝ったも同然という感じ 物語も一気に読み進めることができて、終始面白かった 前半と後…
2016年夏アニメとして放映された作品の原作小説。 アニメが面白く、お正月などの期間に既刊分を読んだ。 おそらく作者は田中芳樹が好きなのでは、と思わせるような、ファンタジー戦記もの。 主人公のイクタ・ソロークは青年士官候補生だが、本当は軍人にはな…
『小説現代』で掲載されていた、様々なオカルト、エセ科学を扱った連作短編をまとめたもの。 ジャーナリストである「わたし」が語り手で、話が進むにつれて、彼の私的な部分も多くなっていく。 オカルトや似非科学から、倫理的な問題点がほとんどなかったと…
ナナシス初の公式ノベライズ作品。 上杉・ウエバス・キョーコ、荒木レナ、西園ホノカ3人によるアイドルユニット、Le☆S☆Ca結成までの物語。 雑誌連載でも読んでいたけれど、単行本にまとまって改めてまとめ読みするのもよいもので。 物語はシンプルで、3人が…