政治・社会

『世界2019年10月号』「特集AI兵器と人類」

世界 2019年 10 月号 [雑誌]出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2019/09/06メディア: 雑誌この商品を含むブログを見る この兵器と人類は共存できない いま、なぜ自律型致死兵器システムを問題にするのか 中満泉 筆者は国連軍縮担当事務次長 この記事は、この…

弥永真生・宍戸常寿編『ロボット・AIと法』

ロボット・AIに関連する法学諸分野の論点を解説している本 編者によれば、ロボット・AIを糸口にした法学入門としても読むことができることが企図されており、実際、法律門外漢の自分にとっては、そのように読むことができた。 法律の専門家たちによって…

堀田義太郎「差別の規範理論―差別の悪の根拠に関する検討―」『社会と倫理 第29号 2014年』

『差別はいつ悪質になるのか』(http://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-60354-9.html)という書名を見かけて検索していたら、翻訳者の1人による2014年の論文がヒットしたので、読んでみた。 http://rci.nanzan-u.ac.jp/ISE/ja/publication/se29/29-08hot…

「ロボット法研究会」設立記念シンポジウム

5月21日に、情報ネットワーク法学会の特別講演会として開かれたシンポジウム 場所は慶應の三田キャンパス 時間は10時〜18時だったけど、自分は13時過ぎ〜17時くらいまでいたので、そのあたりのレポ 主に、パネル1の「ドローンは日本で飛躍できるか?」につい…

『世界を平和にするためのささやかな提案』

伊勢崎賢治の本をいくつか読んでみよう企画番外編 これまでは、自衛隊を活かす会『新・自衛隊論』 - logical cypher scape2と伊勢崎賢治『日本人は人を殺しに行くのか 戦場からの集団的自衛権入門』 - logical cypher scape2 伊勢崎賢治の名前で検索をかけて…

伊勢崎賢治『日本人は人を殺しに行くのか 戦場からの集団的自衛権入門』

伊勢崎賢治の本をいくつか読んでみよう企画第2弾 第1弾は→自衛隊を活かす会『新・自衛隊論』 - logical cypher scape ほぼ1年前の本(2014年10月) 伊勢崎賢治の話は、やっぱり面白いなあというのが一つ。 もう一つ、面白いが故に、実際は読み方注意の本では…

自衛隊を活かす会『新・自衛隊論』

普段読むのとはだいぶ毛色の違う本だけれど、普段あまり表だって言わないものの安保法制反対派なので、一応勉強しておこうかと。それで、伊勢崎賢治の本をいくつか読んでおきたいと思って手に取った1冊。伊勢崎賢治は、『RATIO』01〜04 - logical cypher sca…

松尾匡『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』

左派のための経済政策入門、とでも言うべきか 全くそうだよなあという感じであり、政策としてはそう考えればいいのか、という感じ 第1章 三十年続いた、経済政策の大誤解 第2章 ソ連がシステム崩壊が教えてくれること 第3章 一般的ルールか、さじ加減の判断…

P・W・シンガー『子ども兵の戦争』

P・W・シンガーの本を読む企画第3弾にして最終回。 『ロボット兵士の戦争』→『戦争請負会社』→『子ども兵の戦争』と読んできた。実際の刊行順は、『戦争請負会社』→『子ども兵の戦争』→『ロボット兵士の戦争』である。 *1 本書は、先に読んだ2冊とは多少雰…

P・W・シンガー『戦争請負会社』

P・W・シンガー『ロボット兵士の戦争』 - logical cypher scapeに引き続きシンガー。 こちらの方が刊行は先。 これまた現代における必読書 PMF(民間軍事会社)というのは名前は知っていたし、アメリカで戦争の外注化が進んでいるのは何となく知っていたけ…

P・W・シンガー『ロボット兵士の戦争』

現代においてシンガーは必読書に数えられると思うが、今まで読んでいなかったのをようやく読めた。残り2冊もなるべく早いうちに読む*1。 とりあえず、タイトルを見て通り、ロボットで戦争である。このどちらかに興味ある人は、あるいは興味がなくても読むべ…

あんまりちゃんと感想メモ書けてなかったけど、読んだ本の記録2

清塚邦彦『フィクションの哲学』 色々な意味で勉強になった。 何というか、文章の書き方レベルから。 想像って結局何なの、とか、西村清和から来るであろう反論をどうかわすの、とかが気になった。 あと、やはりウォルトンは面白そうだなあとか。 虚構記号と…

『RATIO』01〜04

図書館行ったら、RATIOあったし! 3巻と4巻を借りる。 図書館には4巻までしかないが、今のところ6巻まで出ている。鬼界先生の論考は5巻、安藤馨は6巻のようだ。 今まで本屋では、戸田山・伊勢田連載以外わりとスルーしていたのだけど、よくよく眺めて…

デーヴ・グロスマン『戦争における「人殺し」の心理学』

なかなかなんとも言えない本であるが、良書だと思う。 戦争において兵士が一体何を体験しているのかという話で、主に第二次大戦とベトナム戦争だが、第一次大戦や南北戦争の資料も結構出てくる。 人は人をそうそう殺すことはできない、というのがまず確認さ…

稲葉振一郎『社会学入門』

あとがきによると、稲葉振一郎の勤める社会学部1年生向けの授業を元にしたとのことで、元々一般教養科目としての性質があったようで、「社会学」入門であると同時に一般教養である。 一般教養であるって、よくわからない言い方になってしまったw 全部で1…

稲葉振一郎『増補 経済学という教養』

貨幣的ケインジアンの立場に立って、日本の左翼のとるべき(?)経済政策について勉強する本。 『「公共性」論』と同じく、ブックガイドともなっており、稲葉流に論点がまとめられていて勉強のためになる。 日本の「構造改革主義」と「新自由主義」ないし「…

ローレンス・レッシグ『CODE』

『CODE』というと、人の振る舞いを規定する4つ――法、市場、規範、アーキテクチャを示したことで有名だけど、この本にとって、そのことはわりと前提みたいなもので、主題はもうちょっと踏み込んだところにある。 それは、この4つの中でも、法とアーキテクチ…

池田信夫『ハイエク知識社会の自由主義』

ハイエクについて何かいい入門書はないかなあ、と思っていた今日この頃、ふと本屋で見つけた一冊。 ハイエクも池田信夫も、名前は知っているけど、どういう人かいまいちよく知らなかったので読んでみた。 僕がハイエクの名前を知ったのは、東浩紀が紀伊国屋…

メールマガジン「αシノドス」

シノドスは月に2回送られてくるし、それをいちいちレポートするのはちょっと大変すぎるな、と思ったので、ブログに書いていなかったのだが、Vol.4の編集後記で、お前らちょっとはブログとかに書けよって書いてあったので、ちょっと書く。 Vol.1 座談会は鈴…

『思想地図』

冒頭の共同討議以外は読み終わった。 この雑誌は、冒頭の共同討議を除くと、 1歴史の中の「ナショナリズム」、2ニッポンのイマーゴポリティクス、鼎談日本論とナショナリズム、3問題としての日本社会、4共和主義の再発明、公募論文 に分けられる。 この…

小熊英二『民主と愛国』

いやあ、とにかく長かった。 しかし、難しいことは全然書いていなくて、読みやすい文章なので、非常にさらさらと読める。本が重たい*1ことを除けば、長さはあまり気にせずに読むことができると思う。 あと、何度も何度も同じことが繰り返し出てくるので*2、…

稲葉振一郎『「公共性」論』

ハーバーマス、アレント、アガンベンあたりを中心にした、人文系啓蒙の書。 まず第一には、とにかく色々なものが紹介されている、入門書として読むことができる。 あまりにも多岐にわたっているため、説明不足となっていたりする部分もないわけではないが、…

「国家・暴力・ナショナリズム」@東工大

1月22日17:30〜20:40くらい 東浩紀、北田暁大、萱野稔人、中島岳志、白井聡 レポートはすでにいくつか上がっているみたいだし、『思想地図』にも掲載されるっぽいので、ここでは書きません。 むしろここでは、シンポで語られた内容よりはむしろ…

森達也『下山事件』

明らかに普段読んでいる本とは違う傾向の本だけど。 最近、戦後史だか昭和史だかが気になり始めていて*1、本屋に行ったら目についたのでふと買ってみた。 こういう事件があったということも、森達也がこういう本を書いたということも、知ってはいたけど、ほ…

文化と政治

今日、ブクマした3つのエントリが、それぞれ別のところで見つけた*1のにも関わらず、同じ問題系を巡っているように感じられたので、紹介してみる。完全に単なる偶然なんだけど。 最初は 橋本努「リチャード・ローティを脱構築する」 私的な領域(つまり文化…

刑事裁判について

最近気になっているので、エントリを立てることにした。 本文に入る前にいくつか前提を立てておく。 1、もとより僕は、刑事裁判に対する「世間」の理解に違和感を憶えていた。 2、『それでもボクはやってない』を見ることによって、その違和感を言語化する…

東浩紀・北田暁大『東京から考える』そして、僕の帰るところを考える

東浩紀、ウン年ぶりの新刊。 サブタイトルには「格差・郊外・ナショナリズム」とあるし、そもそものテーマは「東京」 それほど自分にとっては興味を引く話題でもなかったのだが、東浩紀だから買った。 とはいえ、それでもやはり面白い本ではあった。 例えば…

InterCommunication No.59

特集タイトルが「WebX」という、なんか結構恥ずかしいものなんだけども。 情報化によって、世界はどう変わるか というと、あんまり変わらないんじゃないかという感じが最近していた。 勿論色々なインパクトはあるのだけど、それらはみな、先進国の近代社会を…

RATIO02

ノウアム・チョムスキー(冨田恭彦訳)*1「単純な真理・難しい問題―テロと正義と自衛に関するいくつかの考え」 いつも通りのチョムスキーである(ってそれほどチョムスキーの意見に触れたことがあるわけではないけれど)。 欧米諸国(特に合衆国)が如何にダ…

テッサ・モーリス=鈴木『辺境から眺める』

近代化、とは如何なる出来事なのか。 そこでは「近代国家化」と「国民国家化」という、似て非なる2つが同時並行的に進行する。 片方は「シティズンシップ」を形成し、片方は「ナショナル」や「エスニック」を形成する。 アイヌやウイルタ、ニヴフという北方…