2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『パプリカ』

精神分析、夢、映画、サンプリング、自己言及 そういう作品。 「夢の論理」の授業を取っている人は、見るべき。 この授業では、フロイトの夢分析とシュールレアリスム絵画の関係についてやっていて、どのようにして夢というイメージが作られているかを学んで…

伊勢田哲治『疑似科学と科学の哲学』

「何読んでるの?」と聞かれて表紙を見せたら、ひかれた。 またそんな小難しそうな本読んで、と思われたようだ。 だとすれば、この本はタイトルで損をしている。 この本は科学哲学に関する入門書で、非常に読みやすく、また分かりやすい。 帰納法って何?反…

『戦場のメリークリスマス』

戦争映画でもクリスマス映画(?)でもなかった。 狂気と聖性との出会い。 最後の2、30分が圧倒的。 半ば狂った日本軍のエリート士官が、キリスト教的聖なるものと接触する。 エリート士官であるヨノイは、イギリス兵セリアズを最初からかなり特別視して…

仲俣暁生『文学:ポストムラカミの日本文学』

全然内容と関係ない話から。 何故か仲俣暁生と山形浩生の区別が付いていなかった時期が結構長く続いていた。 今まで仲俣の文はblogでしか読んだことがなくて、山形の文は山形が翻訳した本のあとがきを立ち読みしたり、彼のサイトを読んだことがあった。山形…

『ラグナロクEX MISFORTUNE』安井健太郎

中学時代に非常にはまっていたラノベ。 自分の個人史的には結構重要な位置を占めていた作品。 「占めていた」って過去形なのは、もうずいぶんと離れていたから。 これが店頭で並んでいたのを見ても「懐かしいなあ」と思うだけで、読んだりはしなかった。 た…

語学の話/カテゴリ整理

語学の話 仏検に受かりましたー3級 それはいいんだけど、点数が67点っていうのはやはり考え物だな もともと語学は苦手、な割に、大学入ってからは仏検受けたりして自分にしてはモチベーション高かったんだけど、ここ最近はかなり下がってきている。 今学…

ゲーム・データベース・キャラ/キャラクター

ゲームで使われるパラメータというものを使って、東のデータベースと伊藤のキャラ/キャラクターを繋ぐ試み。 「パラメータ化への欲望―ゲーム・データベース・キャラ/キャラクター」 長い文章なので、blogではなくてこういう形でうp。 ここでは、この文章の…

生活世界(思考の整理も兼ねて)

この前、研究計画案*1に必要なサインをもらいに、某先生の研究室へお邪魔した。 ほとんどうまく喋れなかったのだけど、今こんなことを考えてるということをちらっと言ったら、フッサールの生活世界論について調べてみるとよい、と言われた。 僕自身は、そこ…

がんばれ!はやぶさ2計画

色々クリップしたのでこちらを見てください。 こうやって広報する手前、自分でもやっておいた方がいいか、と思ったので要望書を送ってみる。 内容は非常に薄いけれど、まあそれでも一票投じないよりは投じた方がましか、とか。 JAXA、財務省の意見要望フォー…

RATIO02

ノウアム・チョムスキー(冨田恭彦訳)*1「単純な真理・難しい問題―テロと正義と自衛に関するいくつかの考え」 いつも通りのチョムスキーである(ってそれほどチョムスキーの意見に触れたことがあるわけではないけれど)。 欧米諸国(特に合衆国)が如何にダ…

備忘録(石田衣良『4teen』/BravoskiVol.3)

石田衣良『4teen』 ものすごい小説のレベルの高い宗田理、いや違うか。 とりあえず分かったことは、自分には中学生を主人公にした小説がうまく読めない、ということか。 フィクションだと割り切って読めば、わりと良くできている作品だったと思うんだけど、…

『新潮2006年12月号』

保坂和志・柴崎友香対談「世界がそうであるように」 小野正嗣「クッツェーのまなざし」 南アフリカ出身の作家クッツェーによるベケットに関する講演について 小山太一「とことん文学、つくづくリベラル」 『テヘランでロリータを読む』の書評 浅田彰「ダニエ…

『RATIO02』

大学の先生にいただいた。感謝。でも、まだほとんど読めていないんだけど。 既読記事 岡田温司「「帝国」と「ヨーロッパ」をめぐって―カッチャーリとその思想」 カッチャーリというイタリアの思想家の話。全く知らない人なので、単に読み流した感じ。 「多島…

石田衣良『うつくしい子ども』

酒鬼薔薇事件をモチーフにした小説。 8歳の女の子を惨殺した13歳の少年の兄が主人公。 弟が何故凶行に到ったかを、兄が探っていく。 兄の心情やメディア・スクラムの悲惨さがよく描けている。 また、「夜の王子」の真相に近づいていくにつれて、なかなか…

テッサ・モーリス=鈴木『辺境から眺める』

近代化、とは如何なる出来事なのか。 そこでは「近代国家化」と「国民国家化」という、似て非なる2つが同時並行的に進行する。 片方は「シティズンシップ」を形成し、片方は「ナショナル」や「エスニック」を形成する。 アイヌやウイルタ、ニヴフという北方…

お久しぶり

日本での消息を絶っていた間、何をしていたかというと。 詳しくはこちら。 写真はこちらから。