2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『kaze no tanbun 移動図書館の子供たち 』

西崎憲の編集によるムック本シリーズ「kaze no tanbun」 「特別ではない一日」「移動図書館の子供たち」「夕暮れの草の冠」の全3巻なのだが、収録されている作家のメンツを見比べて、3巻中2巻目という中途半端さながら「移動図書館の子供たち」を手に取って…

『SFマガジン2022年2月号』

先日、ハヤカワSFコンテストと創元SF短編賞 - logical cypher scape2という記事で「坂永雄一や酉島伝法など、年刊SF傑作選などを通じてわりと読んでいてもう少し読みたいなあと思っている作家もいる。」と書いたのだが、そういえば、最近のSFマガジンに坂永…

『戦後短篇小説再発見10 表現の冒険』

「家族」や「都市」などテーマ別で編まれた同アンソロジーだが、10巻は実験的な表現方法で書かれた作品を集めたものとなる。 『戦後短篇小説再発見4 漂流する家族』 - logical cypher scape2 『戦後短篇小説再発見 6 変貌する都市』 - logical cypher scape…

『日経サイエンス2022年11月号』

日経サイエンス2022年11月号 [雑誌]日経サイエンスAmazon 民間月探査は宇宙ビジネスを開くか R. ボイル www.nikkei-science.com2022年末から2023年にかけて、民間の月着陸機が相次いで行く予定になっている。 これは、NASAの商業月面輸送サービス(CLPS)に選…

庄野潤三『プールサイド小景・静物』

第三の新人の一人である庄野潤三により、1950年から1960年にかけて書かれた、デビュー作や芥川賞受賞作を含めた初期の作品7篇を集めた作品集。 『戦後短篇小説再発見4 漂流する家族』 - logical cypher scape2で読んだ「蟹」が面白かったのと、『群像2016…

『戦後短篇小説再発見 6  変貌する都市』

織田作之助「神経」(1946)から村上春樹「レキシントンの幽霊」(1996)まで、都市をテーマに12篇を収録したアンソロジー 『戦後短篇小説再発見4 漂流する家族』 - logical cypher scape2に引き続き、読んでみた。 同シリーズは全18巻だが、さすがに全部読む…

藤野可織『来世の記憶』

藤野可織の最新短編集。長さ的には、掌編・ショートショート的なものも結構入っている。 初出媒体は文芸誌を中心としつつ、結構色々な媒体が混ざっている。 初出で最も古いのは2009年の「れいぞうこ」だが、それを除くと、2014年~2019年の作品+書き下ろし1…

ハヤカワSFコンテストと創元SF短編賞

春暮康一『オーラリメイカー』 - logical cypher scape2が第7回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作だったのだが、「あれ、そういえば自分、今までハヤカワSFコンテスト受賞作ってそんなに読んでいないのでは?」「創元SF短編賞の方が読んでいる気がするなー」…

春暮康一『オーラリメイカー』

惑星系を改造するような宇宙生物が登場し、知性の役割を問い直す宇宙SF 第7回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作で、その後出た春暮康一『法治の獣』 - logical cypher scape2と世界観を共有している。 短編「虹色の蛇」も収録 『法治の獣』が面白かったので…

千々和泰明『戦後日本の安全保障』

サブタイトルは、「日米同盟、憲法9条からNSCまで」 防衛政策史研究者による本で、タイトル通り、戦後日本の安全保障政策の歴史を論じた本である。 小林義久『国連安保理とウクライナ侵攻』 - logical cypher scape2を調べていたら、関連する本として出てき…

小林義久『国連安保理とウクライナ侵攻』

珍しく時事ネタ。 タイトルにある通りで、ロシアのウクライナ侵攻を受けて改めて国連安保理とは何かについて書かれた本。 筆者は、共同通信で長年国連取材に当たっていた記者で、その経験を踏まえて、国連安保理の歴史について書かれている。 研究者ではなく…

小島信夫『アメリカン・スクール』

「第三の新人」の1人である作家の初期作品を集めた短編集 最近色々文学作品を読んでやるぞ、と思ってる奴の一環である。 小島信夫を手に取ったのは、磯崎憲一郎が好きな作家の一人として名前を挙げていたからなのと、twitterで小島の「馬」について触れてい…