『日経サイエンス2022年11月号』

民間月探査は宇宙ビジネスを開くか  R. ボイル

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2022年末から2023年にかけて、民間の月着陸機が相次いで行く予定になっている。
これは、NASAの商業月面輸送サービス(CLPS)に選定された企業によるものである。
元は、グーグルルナXプライズに参加したチームで、NASAがCLPSを始めるにあたって、そういえばXプライズは今どうしているんだ、ということで声がかかったらしい
そもそも、月輸送に需要があるのかという話で、これは地球低軌道なんかと比べると全然あやふやではあるようだが、とりあえずのところ、科学探査関係の需要が結構あるみたい。
従来のNASAの枠組みだと、ディスカバリーミッションに採択されないといけなくて、お金も時間もかかったし、専用の宇宙機開発する必要あったけれど、小規模なミッションなら、CLPSで月に行く着陸機に観測機器を積んでもらえれば、安いし、時間もかけずにできる、と。
上述リンク先の記事の冒頭に「25歳のジョン・ウォーカー・ムースブラッガーは,自社のクリーンルームの前に座り,自分が生まれるよりも前に作られた機器が月着陸機に取り付けられるのを見守っていた。」という一節があるが、この「自分が生まれるよりも前に作られた機器」というのは1995年に作られた観測機器で、結局、月に行く目途が立たずに棚の上で埃をかぶっていたものらしい。
そういう過去に日の目を見なかった月探査ミッションが、今後次々と行けるようになるかもという期待があるらしい。
宇宙開発、特に月探査は政治的影響を受けやすい(国威発揚に使われたり、政権交代があると計画が丸ごと変わってしまったり)ので、そのあたりの影響がうけにくくなるという利点もある。
一方、いくら小規模ミッションをたくさん飛ばせるようになっても、大型ミッションに代えることはできないものもあり、逆にディスカバリーミッションがやりにくくなったら困るという懸念もあるにはあるらしい。

日本の「HAKUTO-R」月へ  中島林彦

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HAKUTO-RとSLIMはサイズが同じくらい。
HAKUTO-Rは、月に直接着陸するのではなく周回してから月に着陸する。重力使って減速することで燃料の削減を図っているが、これにより、普通は3日でいけるところ3ヶ月かかる

ADVANCES 水面から高跳び

翼竜が、どのように空を飛べるようになったのか。
地面や水面からジャンプしてという説があって、今回、水かきと思われる組織が発見されて、(泳げたわけではないので)この説の証拠の一つとなりそうだ、と。