2017-01-01から1年間の記事一覧

土居伸彰『個人的なハーモニー ノルシュテインと現代アニメ論』

最近、土居伸彰『21世紀のアニメーションがわかる本』 - logical cypher scape2を読んだが、同じ筆者による、博士論文をもとにした著作にして第一作。『個人的なハーモニー』が理論編、『21世紀のアニメーションがわかる本』が応用編とのことである。 ロシア…

2017年の本・映画

今年読んだ本や見た映画の中から、年末の振り返りということで、これが面白かったなーというのをいくつか選んでみた 今年最後の更新です 今年もこのブログに付き合ってくださりありがとうございます。来年もよろしくお願いします。 『フィルカルvol.2no.2』 …

倉田剛『現代存在論講義2 物質的対象・種・虚構』

倉田剛『現代存在論講義1 ファンダメンタルズ』 - logical cypher scape2の続刊 1巻が総論だとしたら、2巻は各論と述べられており、サブタイトルにある通り、「中間サイズの物質的対象」(構成や通時的同一性の話)、「種」、「可能世界」、「虚構的対象」…

スキークロスW杯

こちらも開幕してすでにけっこう経っている様子 というか、すでに半分を過ぎているようだ。 12月7日 フランス・Val Thorens大会 12月9日 フランス・Val Thorens大会→キャンセル 12月12日 スイス・Arosa大会 12月15日 オーストリア・Montafon大会 12月20日〜2…

ハーフパイプ・ビッグエアW杯

ビッグエアW杯Moenchengladbach大会 とっくの昔に開幕していたらしく、12/1にドイツのMoenchengladbachで開幕戦があった模様 女子 1 TANNO Giulia 2 HOEFFLIN Sarah 3 OHACO Dominique ビッグエアは全然わからん 金銀はスイス、銅はチリの選手らしい 男子 1…

モーグルW杯太舞大会2日目

太舞は、2日間あるのにどちらもシングルなんだな 同じコースでシングル2回やっても、と思うのだが、昨日と今日とで同じコースでもやはりコンディションは違うのか、昨日と違って(上から見て)右側レーンを滑る選手が多い気がする。 女子 1 GALYSHEVA Yulia …

モーグルW杯太舞大会

第2戦は中国・太舞(タイウー) 明日、同じく太舞で第3戦が行われる予定。 今、地名を確認するためにググったら、どうもスカパーで放送されてるみたいなのだけど、解説を原大虎がやっているようだった。 The second event of the season took place on the …

モーグルW杯開幕戦ルカ大会

女子 モーグルW杯開幕戦はフィンランドのルカ。ナイターかつ雪ふってて視界悪い。ゴール下にサンタが待ってるw 女子、金:ブリトニー・コックス、銀:オードリー・ロビショー、銅:PERTAKHIYA Marika(ロシアの人だが、初めてみる名前のような気がする) 男…

『日経サイエンス2018年1月号』

心のなかの独り言 内言の科学 C. ファニーハフ 男女関係の神話 C. ファイン M. A. エルガー 日経サイエンス 2018年1月号日本経済新聞出版Amazon 心のなかの独り言 内言の科学 C. ファニーハフ 心理学では、声に出さずにいう独り言を「内言inner speech」、声…

渡辺正峰『脳の意識機械の意識』

まず、脳神経科学、特に意識の科学の入門書として良書だと思う。 脳神経科学について、研究史という形でまとめられているのがよい。自分が既に知っていたものも知らなかったものも、流れの中でどの位置にあるのかが勉強になった。 また、最近甘利俊一『脳・…

デビッド・マー『ビジョン――視覚の計算理論と脳内表現――』(一部)

計算論的神経科学の古典ということで一応手に取ったが、第1部とエピローグをざっと眺めたのみ。 原著が出たのは1982年とクレジットされているが、訳者あとがきによると、著者のマーは1980年に35歳で白血病により亡くなっているらしい。「はじめに」には、「…

『シリーズ新・心の哲学3意識篇』(佐藤論文・太田論文)

心の哲学、特に意識にかかわる話題の論文集。その中から、予測コーディング理論を取り上げている佐藤論文と、現象的意識の統一性について論じている太田論文のみをとりあえず読んだ。シリーズ 新・心の哲学II 意識篇作者: 信原幸弘,太田紘史出版社/メーカー:…

甘利俊一『脳・心・人工知能』

数理的神経科学の入門書的な本(講談社ブルーバックス) (数理的ないし理論的)脳科学研究と人工知能研究の歴史を、個人的な研究史と絡めながら概説してくれている。 この本が出たばかりの頃、ちらっと見て、まあこのジャンルの概論なら心の哲学関連でも眺…

リチャード・グレゴリー『脳と視覚――グレゴリーの視覚心理学』(一部)

神経科学関係の勉強 - logical cypher scapeで書いた、飯島さんの発表の中で、グレゴリーの「仮説としての知覚」という考え方が言及されていたので、とりあえず眺めてみた。 章立てを見れば分かるが、基礎的なところから視覚についての概論を行っている教科…

理化学研究所脳科学総合研究センター編『つながる脳科学』(一部)

神経科学関係の勉強 - logical cypher scapeで、神経科学関係をざっと漁ろうと思ったので、これの一部だけ読んだ。 オプトジェネティクス(光遺伝学)の登場率が高い。画期的な方法だったようだ。 第1章 記憶をつなげる脳 理化学研究所脳科学総合研究センタ…

神経科学関係の勉強

科学基礎論学会の「源河亨著『知覚と判断の境界線 :「知覚の哲学」基本と応用』合評会」において、飯島さんの発表から興味を惹かれて(美学会・科学基礎論学会・科学哲学会 - logical cypher scape)、ちょっと神経科学関係についてざっとあさってみたくなっ…

細馬宏通『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか』

サブタイトルは「アニメーションの表現史」で、アメリカの初期アニメーションを取り上げ、当時の技術やアニメ以外の文化との関連から、なぜこのような表現になったのかについて書かれた本。 各章の独立性が高く、比較的どの章からも読めるし、とっつきやすい…

美術手帖2017年12月号

これからの美術がわかるキーワード100美術手帖2017年12月号作者: 美術手帖編集部出版社/メーカー: 美術出版社発売日: 2017/11/17メディア: 雑誌この商品を含むブログ (3件) を見る一部分を眺めた 眺めた項目を並べてみる。 文化人類学/ポストモダン再考/ ポ…

『ブレードランナー2049』

『メッセージ』 - logical cypher scapeのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による、『ブレードランナー』続編 『メッセージ』の映像・音響に魅力を感じていたので、本作でも、引き続き同様の方向での映像・音響を鑑賞することができて満足。 ちなみに、自分は『アン…

『GODZILLA怪獣惑星』

面白いじゃん いや、ちょっと不安交じりで見に行ったのだけど、面白かった 自分の場合、怪獣映画の原点は、平成ゴジラのVSシリーズと平成ガメラで まあ子供の頃見たっきりで、大人になってから見返してないから、まあほとんどちゃんと覚えていないようなもの…

スティーブン・ミルハウザー『魔法の夜』

南コネチカットのとある町のとある夜について描いた中編小説 ミルハウザーは以前スティーヴン・ミルハウザー『バーナム博物館』 - logical cypher scape2を読んで面白かったので、他にも何か読んでみようと思っていた。役者あとがきで「ミルハウザー入門に最…

『ワードマップ心の哲学』(一部)

前半は、心の哲学入門としてオーソドックスな項目が並ぶが、加えて、倫理学や美学などの隣接領域とオーバーラップするような項目や、これまでの入門書ではなかなか取り上げられていなかったような近年の知見、さらにこの手の本として珍しいのは、精神医学と…

美学会・科学基礎論学会・科学哲学会

10月から11月にかけて参加した学会 とりあえず、どの題目を聞いたくらいはメモっておくことにした 第68回美学会全国大会(@國學院大学) 大会プログラム 10/7 研究発表 松粼俊之(石巻専修大学) 表象的特性としての知覚的クオリアと美的クオリア―フレーゲ…

土居伸彰『21世紀のアニメーションがわかる本』

21世紀のアニメーション、すなわち2000年代及び2010年代の(主に)海外アニメーションの動向を論じている本 この本、宣伝において目を引くのは『君の名は。』『この世界の片隅に』『聲の形』なので、この3作品を主要に取り扱った本のようにも見えるのだが、…

宇野朴人『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』12

ラ・サイア・アルデラミン、キオカ、カトヴァーナの三者会談を描く12巻 物語としては、三者会談というよりは、そこに入り込んだ科学者アナライ・カーンが精霊の謎を解こうとするという形で進み、精霊の秘密が明かされる。 一方で、構図としては、イクタの戦…

津堅信之『新版アニメーション学入門』

タイトル通り、アニメーション学・アニメーション研究の概説 新書サイズでコンパクトにまとまっており、もちろんその分、深くまで踏み込んだところはないが、広範にわたるアニメーション研究を見渡すことができる アニメファンではあるが、アニメーション学…

ひらりん・大塚英志『まんがでわかるまんがの歴史』

タイトル通り、まんがでわかるまんがの歴史 いわゆる学習マンガ形式で書かれた日本マンガ史のテキスト あくまで日本史で、海外のまんがについての歴史は触れられていない(海外への言及がないわけではないが) 冒頭において、「日本のまんが史というと、最初…

キム・スタンリー・ロビンスン『ブルー・マーズ』上下

キム・スタンリー・ロビンスン『レッド・マーズ』上下 - logical cypher scape キム・スタンリー・ロビンスン『グリーン・マーズ』上下 - logical cypher scape に続く、マーズ三部作完結編 1巻につき600ページとすれば、全部で文庫本およそ3600ページの大長…

『ナショナルジオグラフィック2017年11月号』『日経サイエンス2017年12月号』『Newton2017年12月号』『数学セミナー2017年11月号』文芸誌

『ナショナルジオグラフィック2017年11月号』 翼竜 空を飛ぶ世にも奇妙なモンスター 『日経サイエンス2017年12月号』 海外ウォッチ ソーラー推進宇宙船に期待/宇宙資源と国際法/ランゲオモルフの謎 『Newton2017年12月号』 角のある動物たち 『数学セミナ…

『現代思想2017年8月臨時増刊号 総特集=恐竜』

『現代思想』で恐竜特集というのもかなり不思議な感じがするのだが、 大人向けで、恐竜初学者も対象にしつつ最新研究まである程度はフォローして、複数の専門家ないし周辺分野の書き手による論文集、というのは、おそらくあまり類例をみないのではないか、と…