2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

柏端達也『自己欺瞞と自己犠牲』

5年前くらいから読みたいと思っていて、ようやく読めた本w サブタイトルは「非合理性の哲学入門」 行為の哲学に属する話で、非合理な行為に思われる「自己欺瞞」と「自己犠牲」について分析を試みる。 非合理というのは、「何故それをやったのか」という問…

マイケル・トマセロ『ヒトはなぜ協力するのか』

2008年に行われたタナー講義をもとにした、人間の協力傾向をめぐる進化心理学についての本。前半はトマセロの講義、後半はその講義のディスカッションに参加していた他の研究者からのコメント。トマセロの研究がどのようなものかは、一番さいごのスペルキか…

松井孝典『生命はどこから来たのか? アストロバイオロジー入門』とアストロバイオロジー系の本の紹介

タイトルにあるとおり、アストロバイオロジーについての入門書。 これまでも、アストロバイオロジー関連の本はいくつか読んで来ているのだけど、アストロバイオロジーの名前を冠して全体を概観する本を読むのは初めてだった*1。 というわけで、この本のまと…

スティーヴン・ミルハウザー『バーナム博物館』

プリースト、リンクを読んで、あとなんかもう一冊くらい現代英米小説読みたいなと思って、ふと手に取ってみた。短編集。 ミルハウザーって、何年も前に、大学の後輩から薦められていたことがあったんだけど、その時は何故かスルーしていた。実際読んでみたら…

ブノワ・ペータース、フランソワ・スクイテン『闇の国々4』

シリーズ最終巻 正確に言うと、フランスで現在までに出版されている作品についての翻訳が一区切りついた巻。正編全てと、主な番外編についての翻訳が終了したという意味での最終巻。 3巻も面白かったけど、4巻も面白かった。 特に3巻の「見えない国境」と…

モーグルW杯ルカ大会(上村、遠藤3位)

オリンピックシーズンのW杯がついに開幕! 色んなニュースがありますけど、順番にいきましょう FISサイトリニューアル! 今季から、FIS(国際スキー連盟)の公式サイトが全面リニューアル 今まで基本的に文字情報ばかりだったのが、写真や動画が押し出され…

ブノワ・ペータース、フランソワ・スクイテン『闇の国々3』

ブノワ・ペータース、フランソワ・スクイテン『闇の国々』 - logical cypher scape ブノワ・ペータース、フランソワ・スクイテン『闇の国々2』 - logical cypher scape 1,2巻より面白かった、気がする。 1,2巻と比べて凝った仕掛けや形式がなく、オー…

ケリー・リンク『マジック・フォー・ビギナーズ』

スリップストリームとか呼ばれるジャンルの短編集 SF系の賞(ネビュラ賞とか)の受賞が多いけど、SFというよりは、エブリデイ・マジック系のファンタジーかなあという気もするけど、まああまりどこか特定のジャンルに属するような作家ではない。 各作品…

『日経サイエンス2014年1月号』

特集:量子世界の弱値 「光子の裁判」再び 波乃光子は本当に無罪か 細谷曉夫 量子テレポーテーションと時間の矢 井元信之 光子は未来を知っている 語り:Y. アハラノフ/聞き手:古田 彩 「光子の裁判」というのは朝永振一郎が、ダブルスリット実験について…

クリストファー・プリースト『夢幻諸島から』

「夢幻諸島(ドリーム・アーキペラゴ)」の観光案内書というていで書かれた小説。 プリーストをちゃんと読むの初めて*1。 訳者あとがきではこのように言われている 訳者は、本書が長編として評価されていることにどうも違和感があります。(中略)架空世界の…

ブノワ・ペータース、フランソワ・スクイテン『闇の国々2』

ブノワ・ペータース、フランソワ・スクイテン『闇の国々』 - logical cypher scapeの続刊 2は本当はローマ数字だけど 2巻は8割くらいカラーだった サマリスの壁 サマリスへ派遣されることになった主人公。今までサマリスに向かった者たちは戻ってきておら…