東浩紀

思想地図シンポジウムVol.3「アーキテクチャと思考の場所」@東工大

まず、感想の一つ目としては、何でこんなに沢山の人が来てるのか、と。 磯崎新、浅田彰、宮台真司、東浩紀、宇野常寛、濱野智史というメンツゆえ、というところなんだろうが。 僕はかろうじて本会場の方で座ることができたが、第二会場すらも座りきれないほ…

「公共性とエリート主義」@新宿紀伊国屋サザンシアター

なんか、筑波批評メンバー総出(6人)で行ってきたw 会場に着くなり、「会場限定、東先生と北田先生のダブルサイン入り思想地図!」が売られていた。 客席には、思想地図関係の有名な人たちが結構いた感じ。 司会者が時間通りに始まらないことを詫びる。ま…

「国家・暴力・ナショナリズム」@東工大

1月22日17:30〜20:40くらい 東浩紀、北田暁大、萱野稔人、中島岳志、白井聡 レポートはすでにいくつか上がっているみたいだし、『思想地図』にも掲載されるっぽいので、ここでは書きません。 むしろここでは、シンポで語られた内容よりはむしろ…

今月の『群像』と『新潮』

芥川賞が川上未映子、直木賞が桜庭一樹になりましたね。 今回、どれも読んでいないので*1、特に感想はないけれど、メッタ斬りの予想が完璧に当たるという異常事態(?)が起きていたりする。 大勢の本命予想を、あえて外してくるようなところがある芥川賞な…

『物語の(無)根拠』第2章

『物語の(無)根拠』目次 第二章 メタ物語から物語へ 選択の根拠 物質か精神か 量子力学と自由意志 選択と喪失――ゲーム的リアリズム 自由で責任を持つ主体 非日常と日常を巡るサブカルチャー史 責任の不可能性と時間の暴力 第一章で論じられた「物語の自律…

日本について(東浩紀の一貫性)

『思想地図』の募集要項で A : 日本語で思考することの意味を問う(東浩紀氏設定) 1970年代以降の日本の思想あるいは作品(ジャンル、メディアは問わない)をひとつ取り上げ、日本語で考え発表することの意味を軸として、作家論あるいは作品論を展開…

「サイバースペースは何故そう呼ばれるか」『情報環境論集』

LSDを買うかどうかは迷っていたのだけど、http://d.hatena.ne.jp/massunnk/20070825/p3をきっかけに購入。 滅茶苦茶面白い。 これは、結論が出なかったという点では「失敗作」なのかもしれないが、こんなに面白いとなると「失敗作」と呼ぶのはもったいない。…

ポリフォニーとか

このタイミングで、東浩紀とか読書とかのタグつけた日記書いたら、当然「キャラクターズ」についてだと思われそうだけど、残念ながら違う。まだ読んでいない。 『カラマーゾフの兄弟』を読んだので、『小説家が読むドストエフスキー』という本のカラマーゾフ…

複数性を束ねるもの

前回のエントリでは、「波状言論号外4号」を、「何だ、この「キャラクターズ」とかいう小説は?」で一蹴したのだけれど、まあちょっと真面目に受け止めてみる。 偉そうなことを言うならば、東浩紀と自分の対立点がもしかしたら見えてきたかもしれないのだ。…

最近のこと色々(SIGHTとか夏の100冊とか)

東浩紀と筒井康隆の対談(『群像7月号』) これ、あまり期待しないで読んだら、よかった。 ぎゅうっと濃縮されている感じがする。 他の文学史とも繋がってるんだよ、っていうのはよかったと思う。 しかし、結局文学について素養がないと全然分からない、困…

君たちは何故小説を書くのか/僕は何故評論を書くのか

今日は、図書館で『新潮』と『群像』(と『文學界』)を読んできた。 目当てはもちろんアレとアレなんだけど、まあそれの感想と最近思っているよしなしごとを絡めて書く。 『新潮』東・仲俣対談と佐々木敦の『1000の小説とバックベアード』論 『東京から考え…

『不過視なものの世界』

『コンテンツの思想』でも『文学環境評論集』でもなく『不過視なものの世界』 今までずっと読み損ねていた東浩紀の対談集で、斎藤環、山形浩生、村上隆、法月綸太郎、山根信二、阿部和重との対談がそれぞれ収められている。 『存在論的、郵便的』『郵便的不…

未来のつくばエクスプレス(ギートステイト)

今、講談社のMouraで東浩紀と桜坂洋がギートステイトというものを連載している。 2045年の東京を舞台にした作品で、東が設定を、桜坂が小説を担当している。 基本的に読者は、ブログ形式で連載される桜坂の小説を読んでいくことになるのだけど、時々サブ…

『ゲーム的リアリズムの誕生――動物化するポストモダン2』

この記事の目次 外観 装丁や文体(?)に関して 全体要約 本書の全体について 「メタリアルフィクションの誕生」との比較 本書のもとになった連載記事との比較。特に、削除されてしまった柄谷行人に関する議論について 大塚英志 本書と大塚英志の関係 コミュ…

『ユリイカ11月号』特別掲載「フィクションは何処へゆくのか 固有名とキャラクターをめぐって」

東浩紀、桜坂洋、新城カズマの鼎談。 ギートステイトハンドブックに収録された「SFとライトノベルの未来」の続編。 2つのリアリズム 大塚英志によって提示された「自然主義的リアリズム」と「まんが・アニメ的リアリズム」を取り上げることによって、東はラ…

環境知能シンポジウム2006

環境知能シンポジウム2006 記録映像 http://www.brl.ntt.co.jp/cs/ai/ja/archive.html 9月22日に行われたシンポの映像が公開されたので、見ました 司会:外村佳伸(NTTコミュニケーション科学基礎研究所) パネリスト:東浩紀(哲学者・批評家) 石黒浩(…

ギートステイトハンドブック他メモ

ギートステイトハンドブックの通販が始まったので、買った。 色々と面白そうなアイデアはちらちらあるけど、まだ断片的なのでなんとも。 ちょっと気になったことをいくつか。 「技術と欲望の相互作用」(東、桜坂、新城鼎談より) 欲望がないと技術は進まな…

東浩紀と意外な繋がり

http://www.hirokiazuma.com/archives/000252.html 下條信輔と東浩紀って知り合いなのかー それに、瀬名の『第九の日』に言及されてるとなると、『第九の日』を早く買わないと……。 自由意志というのを中心において、東、下條、瀬名、イーガンをぐるぐる回す…

ギートステイト面白いよー

ギートステイト制作日誌:あるギートの1日 東浩紀、桜坂洋、鈴木健によるプロジェクト、GEET STATE。 3人で2045年の未来日本を予測して、論文形式と小説形式の二つで発表する、というもの。 未来予測ものって結構好きで、未来学ってやってみたい分野の…

設計研最終回

議事録公開がずいぶんと遅かったので、今までのisedをかなり忘れてしまってますが(^^; 読んでいて感じたのは、鈴木健というのは一体どういう奴なのだろう、ということです。 それに対して、白田秀彰が「宗教」というのを言い出したのには納得した。 鈴木…

視点・視線

上のエントリでは「芸術とは驚き(新奇性)を生産すること」と言われていた。 ところで、去年、感性についての授業をとっていたことがあるのだが、その授業の大雑把な自分の理解は、感性とは「気付く能力」である、ということ。何に気付くのか、新しいもの、…

InterCommunicationVol.56(購入後)

貨幣・法人・バザール(岩井克人・安冨歩・鈴木健・東浩紀) 貨幣論とか経済学とかよく分からないので、「へぇそうなんだ」と楽しみました。 でも、難しい、よくわからないことが多い……。 岩井「貨幣論」 本人による「貨幣論」要約! まず、「価値形態論」と…

ised倫理研7回

とりあえず雑感だけ 倫理研は、これにてすべてが終了 小倉秀夫による、共通ID提案についての議論ののち、全体のまとめも行う 一応出てきた結論は、なんとも寂しいもので、 日本では「空気読め」リテラシーを高める教育ばかりしてきたので、近代的な討議空間…

「解離的近代の二層構造」へのコメント

東浩紀、 blogでは「解離的近代の二層構造」という記事が isedでは第6回設計研議事録が公開されました isedの方は、ノーコメント 「解離的近代の二層構造」というのは、東が前々から言っていることをもう一度整理しなおした感じですが 「人間の動物的な側面…

講演会「ゼロ年代の批評の地平」

第28回新宿セミナー@kinokuniya 『波状言論S改』(青土社)刊行記念トークセッション 「ゼロ年代の批評の地平 ―リベラリズムとポピュリズム/ネオリベラリズム」 ◎講師:東浩紀/北田暁大/斎藤環/山本一郎(切込隊長) に行ってきました。 まず、現状分…

ised設計研第5回「なめらかな会社」

レポートどうしようとか、上のエントリで書いておきながら、isedの議事録を読んでました テスト明けまで我慢しようとか思っていたのに(^^; 今回は、はてなの社長近藤淳也のプレゼンからスタート これを読んで、やっぱりはてなという会社は、面白い会社だ…

東浩紀×滝本達彦トークライブ(早大祭)

東と滝本が30分ずつ喋り、後半1時間は2人のトークセッション 全体的に、おおむねぐだぐだな感じで、飲み屋でくっちゃべっているような なのでこう「おおっ」と思うようなクリティカルな発言は特になく むしろ、素に近い彼らの姿を見ることが出来たのかな、…

ised倫理研第5回

今回の倫理研は、isedとしては珍しく結論めいたものが出てきました この一応の「結論」に対しては、今後賛否両論が巻き起こるだろうし、巻き起こってもらわないと困る。今後深く吟味されることと思われるので、ここではあまり触れない 今回の議論で意義深い…

エンジニアと思想家のギャップ?(ised設計研第4回議事録の感想)

設計研第4回 江庭という慶応の先生の講演として、「コミュニケーション」によって「つくる」ことの提案がなされる。またそのための実践として教育の話やシミュレーションの話がなされる ゲストコメンテーター江島の回答もそれを受け継ぐものであり 司会者鈴…