ギートステイト面白いよー

ギートステイト制作日誌:あるギートの1日
東浩紀桜坂洋鈴木健によるプロジェクト、GEET STATE
3人で2045年の未来日本を予測して、論文形式と小説形式の二つで発表する、というもの。
未来予測ものって結構好きで、未来学ってやってみたい分野の一つだったりする。
だから『第六大陸』とか『ハル』(『あしたのロボット』文庫版)も好きなわけで。
で、そういう未来へのヴィジョンを提供するのが、小説家などのクリエイターや文系知識人(?)の役割なのではなかろうか、とかも思っていたり。
文系は、そういう未来提示の力を著しく失ってしまった(もともと持っていなかったのかもしれないけど)ように思う。
つまり、未来に明るいヴィジョンを提示するのは理系(科学技術)だし、実際に未来を作っているのも理系(科学技術)じゃないか、とか。
そういう点で、鈴木健ってすげぇなあとも思う。文系的(法や経済)に未来のヴィジョンを提示しようとしている(正確に言えば、やっぱり科学技術は噛んでるんだけど)。
さて、この世の中には二種類の人がいると思う。
何らかの問題への対処方法として、今手元にあるものだけで処理しようとするタイプと、新しく何かを作ってしまうタイプ。
この2タイプをすんなりと、文系、理系に割り当てることは出来ないけれども(後者は理系というよりも工学系と呼んだ方がよいだろう)、もし文系がうまく未来を提示できないのであるとするなら、文系が前者のタイプだからだろうと思う。
このギートステイトは、文系による未来ヴィジョン提示企画なのだろうと捉えて、非常に興味深く見守っている次第。
(というか、本当は文系とか理系とかどうでもいいんだけど、一度文を書き出してしまった手前、後に引けなくなってしまった感あり)
とにかく!
今必要とされるのは、何らかの未来へのヴィジョンなのではあるまいか!!
と強くここで主張してみたい。
個人的には2年後のヴィジョンが一切なくて、誰か僕に提示して欲しい、とかいうのがオチ




読み返してみたら、肝心の記事に対する言及が全然無かったので書き足し。
ギートステイト制作日誌:あるギートの1日
東が、サンプルとして書いた2045年のとある女性の生活が読める。
道州制が導入されていて、南関東州とかいうところに住んでいる。
都道府県がなくなってしまうのは寂しいなあと思う(こっちに出てきて(つまり色々な地域の人と会って)思うのは、都道府県アイデンティティの強さだったりするので)。しかし、道州制導入はリアルな話らしい、あまりピンと来ないけど。
で、どんなところに暮らしているか、とか、どんな仕事をしているか、とか。
どういうものかよく分からないけど「ゲームプレイワーキング」とかいう在宅の仕事をしているらしい。
面白いな、と思ったのは「沖縄語」の存在。

沖縄語は、2030年代に沖縄ナショナリズムの勃興のなかで、独立の言語と見なされるようになった。現在では沖縄州の公用語であり、正書法も確立している。2020年生まれの彼女は、義務教育で必修化された沖縄語を学んだ初期の世代にあたる。

あと、全てのコンテンツのデジタル化。

実際、2045年においては、ほとんどすべてのコンテンツがダウンロードで利用できるようになり、そしてそのダウンロードごと、あるいは再生ごとにアクティベーションが小額の決済と連動して行われるようになると予測される

面倒くささも感じるが、ミニマムな形で情報を取得できるのはよいかもしれない、と思ったり。
あるいはこれは、『サマー/タイム/トラベラー』で描かれていた「情報税」のある未来社会の姿と似ているのかも。それだとちょっと嫌かも。