2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『群像2016年10月号(創刊70周年記念号)』その5

(1997年の笙野頼子「使い魔の日記」から2006年の古井由吉「白暗淵」まで) 笙野頼子「使い魔の日記」(1997年1月号) 小川国夫「星月夜」(1998年1月号) 稲葉真弓「七千日」(1998年2月号) 保坂和志「生きる歓び」(1999年1…

岡田美智男『〈弱いロボット〉の思考 わたし・身体・コミュニケーション』

ロボットを通じたコミュニケーションの研究についての本。ジャンルとしては、認知ロボティクスか。タイトルにある「弱いロボット」は、筆者の研究におけるコンセプトの一つ*1。ここでいう「弱い」というのは、不完結性・不完全さを指す。単体として完結しな…

『日経サイエンス2018年9月号』

NEWS SCAN 窒素源としての堆積岩 微生物の起源に新たな光 賢い壁 From nature ダイジェスト 火星の内部構造に迫る探査機 特集:恐竜大進化 覇者への意外な道 S. ブルサット ファルコンズ・アイ小林快次に聞く恐竜の大進化 内村直之 協力:小林快次 むかわ竜…

キム・ステレルニー『進化の弟子 ヒトは学んでヒトになった』

サブタイトルにあるとおり、ヒトのヒトたる特徴がどのように生まれてきたか、についての本 キーワードの一つは「徒弟学習apprentice learningモデル」である。 徒弟が親方から技術を盗んで覚える、という学習スタイルによって、ヒト族は知識や技術を伝達し、…

『Newton2018年9月号』

SCIENCE SENSOR 台風の動きは遅くなっている ヘビやトカゲの共通祖先 FOCUS Biology 眠気の正体をつきとめた! Planetary Science 火星の地下から約30種類の有機物を発見 Paleontology 恐竜絶滅の隕石衝突から生物は数年で復活した!? イーロン・マスクの火星…

橋本陽介『ノーベル文学賞を読む』

ノーベル文学賞というと、日本では「村上春樹が受賞するかどうか」ばかり注目され、あまりにも受賞作が読まれていない、という現状を嘆く筆者による、ノーベル文学賞受賞作家・作品ガイド 下記の目次にある通り、13名のノーベル文学賞受賞作家が取り上げられ…

田口晃『ウィーン 都市の近代』

19世紀から大戦間期にかけてのウィーン市政についての歴史 自由主義市政→キリスト教社会党市政→社会民主党市政という変遷を三部構成で追っている。 ウィーンという都市から見るヨーロッパないし中欧の近代政治史、とも言えるかもしれない。国政ではなく市政…