文庫版『オーラリメイカー(完全版)』の書き下ろし
「オーラリメイカー」と「虹色の蛇」も加筆されているようなので、それらを読んだうえでまとめて記事にした方がいいかなとも思うのだけど、とりあえず先にこれだけ読んでしまったので。
春暮康一『オーラリメイカー』 - logical cypher scape2
春暮康一『一億年のテレスコープ』 - logical cypher scape2を読んだ後、この「滅亡に至る病」というタイトルを読んで、もしかして何か関係しているのか? と思って読み始めたのだが、特に何か関係しているというわけでもなさそう。
連合への勧誘に訪れた惑星で、名もなき種族の代表は、自分たちはもうすぐ滅びる、連合への加盟資格は我々にはない、と悲観的に語る。しかし、その理由を語ってはくれない。
その代表をはじめ、衛星に暮らす人々は高度な文明を持っているが、地上に暮らす人々にはそのような様子が見られない。環境は人為的に改良されているが、それを享受している人々には文明がないように見える。
この謎に、主人公は頭を悩まされる。
様々な仮説を立てるが、ピースが足りない。
ついには、こっそりと情報収集を行って謎を解こうとする。
で、結局どういうことだったのか、ということを書いてしまうと重大なネタバレになってしまってあれだが、色んな「変な生き物」を考え出してきた春暮作品らしく、これも、「あーなるほど、そういう形態の生き物だったかー」というところである。
最終的な解決も、わりとポジティブだったかと思う。
追記
これはネタバレになるが、つまりブライアン・オールディス『地球の長い午後』(伊藤典夫・訳) - logical cypher scape2のあれが誠実な存在になるとこうなる、ということだったのかな、と。