科学史

マーティン・J・S・ラドウィック『太古の光景』(菅谷暁・訳)

サブタイトルは先史世界の初期絵画表現。原著タイトルは”Scenes from Deep Ttime: Early Pictorial Representation of the Prehistoric World” 19世紀のパレオアートについての科学史 「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」展 - logical cypher scape2の副…

大正史メモ?

何故か大正史に関わる本を連続で読んだ。何故か、というか主にちくま新書が近いタイミングで何冊か出してきたから、というのが主な理由だけど。 数年前から、戦前昭和史に興味を持ち始めていたのでそれに連結する形で大正にまで興味関心が伸びた。まだ、明治…

「パレオアート小史」(Mark Witton”The Palaeoartist's Handbook”1章) 

最近、パレオアート(古生物復元画)について少しずつ本を読んだりしており、今回は、パレオアートの歴史について読んだ。 ”All Yesterdays: Unique and Speculative Views of Dinosaurs and Other Prehistoric Animals” - logical cypher scape2 Mark P Wit…

ロバート・P・クリース『世界でもっとも美しい10の科学実験』

古代から現代まで、物理学における「美しい」科学実験について紹介するとともに、科学実験における美についての哲学的エッセイがまとめられている本 筆者の専門は哲学・科学史で、『フィジックス・ワールド』誌でコラムを担当している。 ちなみに、訳は青木…

マーティン・J・S・ラドウィック『化石の意味』

サブタイトルは古生物学史挿話で、16世紀から19世紀にかけての古生物学史 作者は、もともと地質学・古生物学の研究者であったが、のちに科学史家となった。 日本語訳は2013年に刊行されたものだが、原著は1972年と40年以上前に刊行された本である*1。 とはい…

橋本毅彦『図説科学史入門』

図とトピックごとにまとめられた科学史。 天文、気象、地質、動植物、人体、生命科学、分子・原子・素粒子の7つのテーマごとに章立てされており、それぞれの章ごとにおおむね時代順にトピックが並べられている。 1つのトピックにつき、おおよそ1つの図・写真…

吉川浩満『理不尽な進化』

進化論についての言説史的な(?)エッセー(?)。どういう本なのか一言で説明するのはちょっと難しいが、「何故非専門家は進化論について誤解するのか」「何故グールドは混乱した議論を展開したのか」という問いをたて、非専門家やグールドがアホだからと…

佐藤靖『NASA――宇宙開発の60年』

NASAの設立から現在までを、アメリカの政策や国際情勢、あるいはNASA内部の勢力図などから見ていく本。主に、アポロ、スペースシャトル、ISS、科学研究の4項目。 筆者は、28歳の時に科学技術庁を退庁し、その後、ペンシルヴェニア大で科学技術史の博士号をと…

H.バターフィールド『近代科学の誕生』

ちょっと再読 第一章 いきおいの理論 アリストテレスの理論から慣性理論のあいだに位置する、14世紀のいきおいの理論 アリストテレスは馬が引っ張るのをモデルに運動を考えてたけど、後世になると投射体で考えるようになる 第二章 コペルニクスと中世の伝統 …

クリストファー・マガウワン『恐竜を追った人びと』

サブタイトルは、「ダーウィンへの道を開いた化石研究者たち」 19世紀イギリスの古生物学者・地質学者の群像劇的な、恐竜学史 主要人物は、ウィリアム・バックランド、ギデオン・マンテル、チャールズ・ライエル、そしてメアリー・アニングといったところ…

中村桂子『生命科学』

1975年に書かれた、中村桂子による生命科学マニフェスト。 現在の中村は生命誌という言い方をするが、基本的な考え方はおそらく変わっていないのだと思われる。 マニフェストと述べたが、まさにこれは宣言書といった雰囲気が強い。 従来の生物学ではなく…

『人物で語る物理入門』米沢富美子

物理学史の勉強。 アリストテレス、アルキメデスから始まって、サンタフェ研究所を立ち上げたゲルマンまで、全15章で新書2冊に収まっている。この長さにこれだけの分量が詰め込まれているのはすごい。 物理学の理論や内容についてちゃんと知るのは、この…

『近代科学の誕生』バターフィールド

16から17世紀にかけての科学史。 力学、天文学、医学、化学、生物学、そして科学と社会・文学との関係がトピックとして出てくる。 これを読むと、クーンのパラダイムが、何で各々共訳不可能なのかが分かる。 科学革命というのは、新しい事実の発見なので…