2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧

千葉聡『ダーウィンの呪い』

進化学と優生学の歴史について書かれた本 著者は『歌うかたつむり』などでも有名であり、一般向け著作がいずれも評判がいいので気になっていた。 生物学者として、進化学と優生学の研究史をまとめているが、前半で出てきた進化生物学者たちが、後半で優生学…

次田瞬『意味がわかるAI入門 ――自然言語処理をめぐる哲学の挑戦』

言語哲学者によって書かれたAI入門 LLMに至るAI研究の歴史をまとめた前半パートと、意味をめぐる2つの理論(真理条件意味説と意味の使用説)からLLMについて検討する後半パートからなる。 筆者は、LLMが意味を理解しているか、という点に懐疑的なスタンスを…

尾上哲治『大量絶滅はなぜ起きるのか』

三畳紀末の大量絶滅についての本 いわゆるビッグファイブの1つに数えられる大量絶滅だが、その原因は必ずしもはっきりしていないらしい(というか、はっきり分かっているのは白亜紀末の奴くらいなのだろう)。 ただ、近年まさに研究が進められているらしく、…

麻田雅文『日ソ戦争―帝国日本最後の戦い』

第二次大戦末期、ソ連の対日参戦によって開戦した日ソ戦争についての本 日ソ戦争の戦場となったのは、満洲と樺太・千島である。 本書については、ソ連が北海道を占領しなかったのは何故か、ということが書かれている本ということから興味をもった。 元々は、…

『現代思想2025年1月号 特集=ロスト・セオリー 絶滅した思想』

かつて信じられていたが、今では過去の考えと見なされているような学説・思想を取り上げている特集。 「ロスト・セオリー」という言葉は今回の特集にあたっての造語だろう*1。絶滅した思想と日本語訳がつけられていて、編集後記では、絶滅した生きものについ…

ヤコヴ・ラブキン『イスラエルとパレスチナ』(鵜飼哲・訳)

サブタイトルは、「ユダヤ教は植民地支配を拒絶する」であり、ユダヤ人の立場からイスラエルを批判する本となっている。 筆者は、旧ソ連出身で現在はカナダ在住の歴史学者であり、科学史、ユダヤ教、シオニズムについて研究している。ユダヤ教徒としてシオニ…

国際・苗場

2月に札幌国際、3月に苗場にスキーしに行ってきた。 多分、6年ぶりくらいのスキー という、ただそれだけの記録なんだけど 苗場が実は16年ぶり2回目の来訪で、しかしそのことを忘れていて、というか、今回苗場に行く前にスキー場のサイト見てなんか見覚えある…