2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2020年ふりかえり

今年は、私的にも世間的にも激動の年だったが、その影響を受けて、本のタイトル数自体は少なめ。 ただ、下記の通り、シリーズ一気読みが2つと、英語論文をわりと読んでいることもあって、読書量そのものは意外と減ってないのかもしれない。 ブログを書く時間…

橋本輝幸編『2000年代海外SF傑作選』

2000年代というとわりと最近のような気もするが、もう10〜20年前のことであり、自分もまだほとんどSFを読んでいなかった頃だったりする 「暗黒整数」は言うに及ばず「ジーマ・ブルー」「地火」が面白かった2000年代海外SF傑作選 (ハヤカワ文庫SF)作者:エレン…

Stacie Friend "Fiction as a Genre"

メイクビリーブを批判する1人として有名なフレンドの、(おそらく)有名な論文 フィクションの定義を巡る話で、タイトルにある通り、フィクションをジャンルの1つと捉え、メイクビリーブや想像のために作られたもの、という標準的な定義を退ける。 ここでフ…

フランソワ・ダゴニェ『具象空間の認識論』(金森修訳)(中断中)

地質学や岩石学などを題材としてエピステモロジーの本びおれん@薔薇の講堂 on Twitter: "この辺(イメージ美学による科学認識)はフランソワ・ダゴニェが『具象空間の認識論』や『イメージの哲学』でやってるのでオススメ。" 以前、描写の哲学で科学哲学と美…

Glenn Persons "The Aesthetic Value of Animals"

動物の美学について論じた論文 動物を美的に鑑賞するのは不道徳なのかという問題に対して、機能美を鑑賞するのであれば不道徳ではないと論じる。 以前、青田麻未「動物の美的価値 : 擬人化と人間中心主義の関係から」を読んだ時に、主に紹介されていたもの …

土屋健『化石の探偵術』

サブタイトルは、「読んで体験する古生物研究室の世界」とあり、古生物学研究の方法論についての入門書 化石を掘るための道具や地図の読み方・書き方から始まり、どのようなところを掘ればいいか、地層からどのようなことが分かるか、掘り出したあとの化石を…

トッド・E・ファインバーグ,ジョン・M・マラット『意識の神秘を暴く 脳と心の生命史』(鈴木大地 訳)

サールの「生物学的自然主義」を引き継ぎ「神経生物学的自然主義」を掲げる筆者らによる神経生物学的な意識研究の本 前著『意識の進化的起源』のダイジェスト的な本らしく、前著の方を未だ読めていなかったので、とりあえずこっちを手に取ってみた。 基本的…

Marco Tamborini "Technoscientific approach to deep time"

古生物学(歴史科学)の科学哲学論文 古生物学において、いかに被説明項たる現象がテクノロジーによって生産され、処理され、提示されているか。 テクノロジーと不可分であることを示す。 Derek D. Turner "Paleoaesthetics and the Practice of Paleontology(…