2026-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ノエル・キャロル『批評について』(森功次・訳)

批評の哲学の入門書 実はずっと積んでいたのだが、銭清弘『芸術をカテゴライズすることについて』を読むための予習として読むことにした。 ざくっとまとめると 批評とは、理由に基づいた価値付けである 芸術作品には、成功価値と受容価値があるが、批評は前…

藤野可織『青木きららのちょっとした冒険』

フェミニズムに出会ったミルハウザーみたいな短編集 藤野作品は以前からミルハウザーっぽいなあと思っていたけれど、本作もアイデアは結構ミルハウザーっぽいところがある それからもう一つ藤野作品の特徴としては、フェミニズム、女性の生きにくさを扱って…

渡辺正峰『意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く』

自分の脳と機械の脳を接続することで、意識の謎を解明し、さらに意識のアップロードを可能にしようと考えている神経科学者による、意識の科学入門 以前、同じ作者による渡辺正峰『脳の意識機械の意識』 - logical cypher scape2を読んだことがあり、非常に面…

カール・ダイセロス『「こころ」はどうやって壊れるのか』

サブタイトルは「最新「光遺伝学」と人間の脳の物語」 光遺伝学技術を開発したダイセロスによる精神医学ノンフィクション これ読むまで知らなかったのだが、ダイセロスは基礎研究に従事していると同時に精神科の臨床医であるらしい(宿直もやっていると書い…

クラスナホルカイ・ラースロー『北は山、南は湖、西は道、東は川』(早稲田みか・訳)

2025年ノーベル文学賞受賞作家による、京都を舞台にした小説 日本に滞在したことがあり、そのときの経験を元にした作品とのこと。 2003年発表、2006年邦訳。 クラスナホルカイ*1の小説でおそらく唯一の邦訳作品なのだが、品切れで入手困難となっているらしい…

佐野貴司『超巨大噴火と生命進化』

大量絶滅のビッグファイブ+αを、巨大噴火という観点から紹介している本。 +αというのは、新生代のPETMやトバ火山噴火なども扱っているから。 著者は国立科学博物館の研究者(地学研究部グループ長。専門は火山)で、現在、科博で開催されている「大絶滅展…

『日経サイエンス 2025年8月号』

プラナリアから脳の進化が見えてくる 出村政彬 協力:阿形清和/梅園良彦 知能の在り処 R. ジェイコブセン 生成AIはロボットの頭脳になるか D. ベレビー ヘルス・トピックス 座りっぱなしにご用心 日経サイエンス2025年8月号 [雑誌]日経サイエンスAmazon2025…

『日経サイエンス 2026年1月号』『Newton 2026年1月号』

日経サイエンス 2026年1月号 アボカドはミカン農家を救えるか 産地と企業の生き残り戦略 久保田啓介 協力:杉浦俊彦 温暖化対策の見えざる壁 「適応格差」とは何か? 内田真輔 げっぷするブラックホール Y. センデス 短期集中連載 定説が覆るとき 科学研究 …

柴田崇「サイボーグの「原型」 : “ extension”の系譜学に基づくJ・D・バナールの読解」

サイボーグ論・サイボーグ言説の「原型」を、J・D・バナールに見いだすという論文 http://hokuga.hgu.jp/dspace/bitstream/123456789/2984/1/06%e6%9f%b4%e7%94%b0%e5%85%88%e7%94%9f.pdf 以前、鈴木貴之『人工知能の哲学入門』 - logical cypher scape2を読…

アンドレイ・サプコフスキ『ウィッチャー短編集1 最後の願い』『ウィッチャー短編集2 運命の剣』(川野靖子・訳)

年末年始は、ウィッチャー短編集をずっと読んでいた。 ウィッチャーは、ビデオゲームやドラマとして人気のファンタジー作品のシリーズで、遅ればせながら自分も去年の終わり頃からドラマを見始めた。 『ウィッチャー』シーズン1 - プリズムの煌めきの向こう…