『物語の外の虚構へ』リリース!

(追記2022年5月6日)カラーになった「フィルカル・リーディングズ」にて、村山さんが『物語の外の虚構へ』を紹介してくれています!https://t.co/l8UOssR01U pic.twitter.com/0LfFPW6Yxn— シノハラユウキ『物語の外の虚構へ』 (@sakstyle) 2022年5月2日 哲…

藤野可織『いやしい鳥』

デビュー作「いやしい鳥」を含む3篇を収録した作品集 鳥、恐竜、胡蝶蘭がそれぞれ登場し、少し奇妙な世界を展開する。 藤野作品は以前から雑誌やアンソロジーで少しずつ読んでいたが、最近ふと、もう少しちゃんと読もうかと思い立ち、藤野可織『おはなしして…

石毛直道『麺の文化史』

普段こういう本、つまり文化人類学の本や食文化の本を読んでいないし、本を読むほどの興味関心を抱いている分野ではないのだが、しかし、日常生活において、料理や食文化についてちょっとした疑問を抱くことは度々あって、その都度、wikipediaを読んだりして…

文学読もうかという気持ち

最近なんだか文学読もうという気持ちが強くなって、実際色々読み始めているところだけど、これまで何を読んできたかなというのと、これから何を読みたいかなというのを整理してみようかなという記事 それで、このブログを始めてから今までの読んだ小説を数え…

大正史メモ?

何故か大正史に関わる本を連続で読んだ。何故か、というか主にちくま新書が近いタイミングで何冊か出してきたから、というのが主な理由だけど。 数年前から、戦前昭和史に興味を持ち始めていたのでそれに連結する形で大正にまで興味関心が伸びた。まだ、明治…

五十殿利治『日本のアヴァンギャルド芸術――〈マヴォ〉とその時代』

大正新興美術運動を研究している著者*1の評論集。 大正振興美術運動については、ゲルハルト・リヒター展 - logical cypher scape2で近代美術館の常設展を見ていて知ったのだが、その後、大正期新興美術運動の概容と研究史 | 日本近代美術史サイトをざっと眺…

『戦後短篇小説再発見4 漂流する家族』

今年に入ってから急に日本文学を読むブームが自分の中にきているが、それで色々調べていたら見つけたのが、この『戦後短篇小説再発見』シリーズ。 講談社文芸文庫・編(井口時男、川村湊、清水良典、富岡幸一郎が編集委員)で、2001年から2004年にかけて全18…

安岡章太郎『質屋の女房』

安岡章太郎については、以前『群像2016年10月号(創刊70周年記念号)』その1 - logical cypher scape2を読んだ時に面白く感じたので、気になっていた(安岡だけでなく、この『群像』を読んで第三の新人に属する作家が全体的に気になりはじめた)。 去年の12…

リリー・ブルックス=ダルトン『世界の終わりの天文台』(佐田千織訳)

突如人類が滅亡し、最後の生き残りとなってしまった老天文学者と、木星から地球へと帰還するクルーたちが、それぞれに孤独を受け入れ愛に気付くまでの物語。 日本語訳は2018年に刊行されており、その際、冬木さんや牧さんの書評を読んで存在は知っていたのだ…

清塚邦彦「K・L・ウォルトンの描写の理論:R・ウォルハイムとの論争を手がかりに」

K・L・ウォルトンの描写の理論:R・ウォルハイムとの論争を手がかりに とりあえず、読んだよというメモ すごく勉強になる。 ウォルトンは,論文「ごっこ遊びと諸芸術」(1997年)1の中で,自らの描写理論の展開を,分析美学の進展と関連付けて解説している…

古井由吉『木犀の日 古井由吉自薦短編集』

1960年代の作品から始まり、主には1980年代(おおよそ古井の40代頃)に書かれた作品を収録した短編集 古井由吉については、最近古井由吉『杳子・妻隠』 - logical cypher scape2を読んだ。つまらなかったわけではないが、格別面白かったわけでもなく、古井作…

『文学+』03号

「凡庸の会」*1が発行している文芸批評と文学研究の雑誌『文学+』の第3号 以前、創刊号を少し読んだことがある。 『文学+01』 - logical cypher scape2 第3号の宣伝が回ってきたとき、大正文学史というのが見えて、最近立て続けに大正史を読んでいた(筒井…

山口輝臣・福家崇洋編『思想史講義【大正篇】』

ちくま新書の歴史講義シリーズから、新たに『思想史講義』シリーズが始まり、その第1回配本にあたる。シリーズ全体としては、明治1、明治2、大正、戦前昭和の4篇を予定しているとのこと。 最近、筒井清忠編『大正史講義』 - logical cypher scape2筒井清…

クレメント・グリーンバーグ「モダニズムの絵画」「ポスト・絵画的抽象」

『グリーンバーグ批評選集』の中から「モダニズムの絵画」「ポスト・絵画的抽象」を読んだ。 グリーンバーグについてはいつか読まないととはずっと思っていたのだが、なかなか手つかずのまま、「カラーフィールド色の海を泳ぐ」展 - logical cypher scape2を…

「カラーフィールド色の海を泳ぐ」展

ジュールズ・オリツキー天才かよ! この展示会のキュレーターも天才! 川村記念美術館で「カラーフィールド色の海を泳ぐ」展を見てきた。 川村記念美術館自体は、2009年のロスコ展を見て以来の再訪となった。また行きたいなとは常々思っていたのだが、何ぶん…

磯崎憲一郎『鳥獣戯画/我が人生最悪の時』

長編「鳥獣戯画」、短編「我が人生最悪の時」、乗代雄介による解説、年譜を収録した文庫 (なお、磯崎のサキの字は、本当は立サキ) 磯崎作品は何故かよく分からないが好きでよく読んでいるが、長編を読むのは7年ぶりだった。まあそんなことは気にせずに読ん…

「パレオアート小史」(Mark Witton”The Palaeoartist's Handbook”1章) 

最近、パレオアート(古生物復元画)について少しずつ本を読んだりしており、今回は、パレオアートの歴史について読んだ。 ”All Yesterdays: Unique and Speculative Views of Dinosaurs and Other Prehistoric Animals” - logical cypher scape2 Mark P Wit…

小川哲『地図と拳』

満洲の架空の町のおよそ半世紀の期間を群像劇として描いた長編小説 中国東北部の田舎町に過ぎなかった李家鎮が、仙桃城という都市へと成長し、満洲国の終焉とあわせて消え去っていく。 一つの街が生まれ消え去っていくまでの物語で、建築や都市計画を巡る物…

Regula Valérie Burri and Joseph Dumit "Social studies of scientific imaging and visualization"

STSにおける、科学の視覚的表象研究についての総説論文みたいな奴 http://www.kana-science.sakura.ne.jp/scientific-illustration/studies.html で紹介されていたので読んでみた。 科学哲学には一応慣れ親しんでいるつもりだが、STS読むのはこれが初めてだ…

巽孝之『恐竜のアメリカ』

恐竜アメリカ文学史。 以前、恐竜文学研究として南谷奉良「洞窟のなかの幻想の怪物―初期恐竜・古生物文学の形式と諸特徴」東雅夫・下楠昌哉編『幻想と怪奇の英文学4』 - logical cypher scape2を紹介したが、他にも恐竜文学研究をしているっぽい本を見つけ…

源河亨『悲しい曲の何が悲しいのか』

サブタイトルは「音楽美学と心の哲学」で、心の哲学、とりわけ知覚の哲学や情動の哲学を用いて、美学の理論構築を行っている本である。 さらにいえば、認知科学の知見も取り入れながらの、美学の自然化プロジェクトの一環として書かれている。 1~5章は、…

日経サイエンス2022年9月号

日経サイエンス2022年9月号 [雑誌]日経サイエンスAmazon 第2の天然痘になるか 広がるサル痘 出村政彬 最後だけ読んだ。 今後、ヒトヒト感染を繰り返すと変異が起きて危険→感染者の早期治療が必要 →現在、確かに同性愛者間で広がっているが、感染自体は性別や…

サラ・ピンスカー『いずれすべては海の中に』(市田泉・訳)

滅法面白く装丁もかっこいい短編集 各SF雑誌で掲載された短編を収録しており、筆者初の単行本である(ただし、邦訳された本としては2冊目。長編『新しい時代への歌』が先に邦訳された)。 まず、内容ではなく装丁の話からする。ジャケ買いに近い感じだったの…

春暮康一『法治の獣』

地球外生命SFの中編3篇を収録した作品集。 3篇中2篇がなんとバッドエンドなのだが、それも含めていずれも面白い作品 地球人類が太陽系外に有人探査できるようになった未来で、3作品とも同一の世界を舞台としている(作者により「系外進出」シリーズと称され…

筒井清忠編『大正史講義』【文化篇】

タイトル通り、大正文化史についての本。全27章で様々なジャンルについてオムニバス的に書かれている。 目次をぱらぱらと眺めたときに、小林一三に2章さかれていることに目が行き、そのほかにもメディア論的な話題が多くて面白そうだなと思い手に取った。 大…

『日経サイエンス2022年8月号』

日経サイエンス2022年8月号 [雑誌]日経サイエンスAmazon 特集:渡り鳥の量子コンパス 高精度ナビの仕組み 鳥には地磁気が見えている P. J. ホア/ H. モウリットセン 渡り鳥がどうやって正しいルートを見つけているのか 1970年代に量子コンパスを使っている…

Transformation越境から生まれるアート展ほか

ブリヂストン美術館がアーティゾン美術館になってから初めて行ってきた! エントランスからのエスカレータに以前の面影が少しあるような気がしたが、とにかく、全面ガラスに吹き抜けドン! と大きく印象が変わっていた。 今回の目当ては「Transformation越境…

ゲルハルト・リヒター展

近代美術館 難しいな、リヒターは 今まで1,2点見たことがあるくらいで、少し気になっていた画家ではあるのだが、どういう画家なのかは全然知らないままで、この展覧会を見る前に『ユリイカ2022年6月号(特集=ゲルハルト・リヒター)』 - logical cypher …

筒井清忠編『大正史講義』

最近、『乾と巽』というマンガを読んでいて大正時代も気になり始めていた。『ゴールデンカムイ』や『鬼滅の刃』の影響もある(ゴールデンカムイの舞台は明治末期で大正ではないが) 同じ編者の『昭和史講義』を以前読んで面白かったのと、昭和史自体、当然な…

『ユリイカ2022年6月号(特集=ゲルハルト・リヒター)』

ユリイカ2022年6月号 特集=ゲルハルト・リヒター作者:ゲルハルト・リヒター,清水 穣,平倉 圭,大山 顕青土社Amazon清水、沢山、平倉、池田、大山の各論考が面白かった 音楽を聴くと、イメージが浮かぶ / ゲルハルト・リヒター×マルコ・ブラウ 訳=西野路代 …