乾敏郎・門脇加江子『脳の本質』

主に予測符号化理論・自由エネルギー原理を用いて、感覚、知覚、学習、発達、記憶、想像、言語獲得、好奇心、意識などの仕組みを説明していく本 同じ筆者による類書としては乾敏郎『感情とはそもそも何なのか』 - logical cypher scape2、乾敏郎・阪口豊『脳…

ミラノ・コルティナ五輪スキークロス男子

決勝トーナメントを見た 面白かった! というか、スキークロスって面白かった以上に何書けばいいんだw スキークロスみてると、自分もやりたくなるな ああいう滑り方したい、と思った イエローカードとか以前見ていた時はなかった気がするなあ あと、選手視…

クリストファー・プリースト『逆転世界』(安田均・訳)

プリーストの第三長編(1974/邦訳1983)。プリースト初期の長編SFとして有名な作品で以前から気になっていたが、最近、創元SF文庫で復刊したのを機に読むことにした。 ネットでレビューを眺めていると、おおむね絶賛されているが、時々ものすごくdisられてい…

『科学2026年1月号』『日経サイエンス2026年3月号』

科学2026年1月号 科学2026年1月号[雑誌]岩波書店Amazon【特集】AIは科学をどう変えるのか [巻頭言]生成科学──AIと科学の融合形態へ……橋本幸士 AIに、修士学生に対してするような指導をして論文書かせたら、修士学生レベルの論文でてきたわっていう 言葉…

ミラノ・コルティナ五輪フリースタイルスキー(ビッグエア・ハーフパイプ)

ビッグエア 男子 スキーのビッグエア、五輪に採用されたのは北京から。 3回滑って点数の高い2本の点数の合計を争う。なおその2本は回転方向が違わないといけない、というルールだと初めて知った。 DNFでもDNSでもなくDNIというのも初めて見た。Do Not Includ…

『Newton2026年2月号』『日経サイエンス  2026年2月号』

Newton2026年2月号 From朝日新聞 謎多き琵琶湖の水中遺跡 発見間近!? 地球外生命 監修 関根康人 執筆 福田伊佐央 大澤正彦─ドラえもんに挑む 人間のとなりで暮らすクマ 街に出没する「アーバンベア」は なぜふえているのか? 監修 小池伸介 執筆 小野寺佑紀 …

銭清弘『芸術をカテゴライズすることについて』

サブタイトルは「批評とジャンルの哲学」 批評というか、批評のことをも含む芸術鑑賞のことと、ジャンルについて 銭さんの博論の書籍化だが、博論からだいぶリライトしているとのこと もともと、例えば応用哲学会2024年大会 - logical cypher scape2などで、…

ミラノ・コルティナ五輪モーグル

久しぶりにモーグル観戦した。 自分のブログ見ると2018年がラストだな。ショート動画とかは見てたりするので、トップ選手の名前とかは一応なんとなくわかるが、ちゃんと見るのは本当にめちゃくちゃ久しぶりだ。 五輪でいうと平昌は見たけど北京は全く見てな…

『フィルカル』Vol. 7 No. 3

久しぶりに『フィルカル』 これは2022年12月に出た号なので、もう3年ちょっと前か。 「作者の意図、再訪」という特集が組まれており、村山さんと銭さんが書いていて、これが主な目当て。 特集 映画で倫理学 フィクションもまたドキュメンタリーである 和島香…

阿部和重『Ultimate Edition』

2022年に刊行された短編集(2025年文庫化)。短編集としては約10年ぶりだとか。 その、約10年前、2013年に刊行された阿部和重『Deluxe Edition』 - logical cypher scape2を2023年に読んだりしたので、そのあたりの時間感がむちゃくちゃだが。っていうか、Del…

ウィムザット&ビアズリー「意図の誤謬」(河合大介・訳)ウォルトン「芸術のカテゴリーについて」(森功次・訳)

銭清弘『芸術をカテゴライズすることについて』を読む前に、基本論文を読んでおく企画。 「意図の誤謬」はノエル・キャロル『批評について』(森功次・訳) - logical cypher scape2の中で言及されていて、あれ、そういえば読んでいなかったぞ、と気づいたの…

ノエル・キャロル『批評について』(森功次・訳)

批評の哲学の入門書 実はずっと積んでいたのだが、銭清弘『芸術をカテゴライズすることについて』を読むための予習として読むことにした。 ざくっとまとめると 批評とは、理由に基づいた価値付けである 芸術作品には、成功価値と受容価値があるが、批評は前…

藤野可織『青木きららのちょっとした冒険』

フェミニズムに出会ったミルハウザーみたいな短編集 藤野作品は以前からミルハウザーっぽいなあと思っていたけれど、本作もアイデアは結構ミルハウザーっぽいところがある それからもう一つ藤野作品の特徴としては、フェミニズム、女性の生きにくさを扱って…

渡辺正峰『意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く』

自分の脳と機械の脳を接続することで、意識の謎を解明し、さらに意識のアップロードを可能にしようと考えている神経科学者による、意識の科学入門 以前、同じ作者による渡辺正峰『脳の意識機械の意識』 - logical cypher scape2を読んだことがあり、非常に面…

カール・ダイセロス『「こころ」はどうやって壊れるのか』

サブタイトルは「最新「光遺伝学」と人間の脳の物語」 光遺伝学技術を開発したダイセロスによる精神医学ノンフィクション これ読むまで知らなかったのだが、ダイセロスは基礎研究に従事していると同時に精神科の臨床医であるらしい(宿直もやっていると書い…

クラスナホルカイ・ラースロー『北は山、南は湖、西は道、東は川』(早稲田みか・訳)

2025年ノーベル文学賞受賞作家による、京都を舞台にした小説 日本に滞在したことがあり、そのときの経験を元にした作品とのこと。 2003年発表、2006年邦訳。 クラスナホルカイ*1の小説でおそらく唯一の邦訳作品なのだが、品切れで入手困難となっているらしい…

佐野貴司『超巨大噴火と生命進化』

大量絶滅のビッグファイブ+αを、巨大噴火という観点から紹介している本。 +αというのは、新生代のPETMやトバ火山噴火なども扱っているから。 著者は国立科学博物館の研究者(地学研究部グループ長。専門は火山)で、現在、科博で開催されている「大絶滅展…

『日経サイエンス 2025年8月号』

プラナリアから脳の進化が見えてくる 出村政彬 協力:阿形清和/梅園良彦 知能の在り処 R. ジェイコブセン 生成AIはロボットの頭脳になるか D. ベレビー ヘルス・トピックス 座りっぱなしにご用心 日経サイエンス2025年8月号 [雑誌]日経サイエンスAmazon2025…

『日経サイエンス 2026年1月号』『Newton 2026年1月号』

日経サイエンス 2026年1月号 アボカドはミカン農家を救えるか 産地と企業の生き残り戦略 久保田啓介 協力:杉浦俊彦 温暖化対策の見えざる壁 「適応格差」とは何か? 内田真輔 げっぷするブラックホール Y. センデス 短期集中連載 定説が覆るとき 科学研究 …

柴田崇「サイボーグの「原型」 : “ extension”の系譜学に基づくJ・D・バナールの読解」

サイボーグ論・サイボーグ言説の「原型」を、J・D・バナールに見いだすという論文 http://hokuga.hgu.jp/dspace/bitstream/123456789/2984/1/06%e6%9f%b4%e7%94%b0%e5%85%88%e7%94%9f.pdf 以前、鈴木貴之『人工知能の哲学入門』 - logical cypher scape2を読…

アンドレイ・サプコフスキ『ウィッチャー短編集1 最後の願い』『ウィッチャー短編集2 運命の剣』(川野靖子・訳)

年末年始は、ウィッチャー短編集をずっと読んでいた。 ウィッチャーは、ビデオゲームやドラマとして人気のファンタジー作品のシリーズで、遅ればせながら自分も去年の終わり頃からドラマを見始めた。 『ウィッチャー』シーズン1 - プリズムの煌めきの向こう…

『物語の外の虚構へ』リリース!

(追記2023年6月) sakstyle.hatenadiary.jp Kindle版について(Amazon) 一番手に取りやすい形式ではあるかと思います。 ただ、エゴサをしていて、レイアウトの崩れなどがあるというツイートを見かけています。 これ、発行者がちゃんとメンテナンスしろやって…

2025年振り返り

今年はもう記事の更新はしなさそうな気がするので振り返り記事を この記事自体は12月入った頃くらいからじわじわ書き始めてた。 読書全体 10選 #2025年上半期の本ベスト約10冊(再掲) 2025年下半期のベスト約10冊 小説 日本文学(大正・戦前昭和) 海外文…

難波優輝『なぜ人は締め切りを守れないのか』

よりよい生を生きるための時間論、とでもいえばいいか。 タイトルがなかなかキャッチーで、ビジネス書風であるが、まあこれはいわゆる「タイトル詐欺」ではあって(個人的に書名のタイトル詐欺は即座に悪いことだとは思っていない。いや、ある程度は悪いかも…

鈴木貴之『人工知能の哲学入門』

タイトル通り、人工知能の哲学についての入門として書かれた本である。 まず、第一次・第二次人工知能ブームまでの、人工知能の概要とそれに対する哲学的批判をまとめたのち、第三次人工知能ブームつまり現在に至るディープラーニングを主軸とした人工知能の…

『パンズ・ラビリンス』

今年、『ギレルモ・デル・トロのピノキオ』 - logical cypher scape2と『フランケンシュタイン』 - logical cypher scape2とを見たので、『パンズ・ラビリンス』を見返してみることにした。 以前の感想は 『パンズ・ラビリンス』 - logical cypher scape2 あ…

マリオ・バルガス=リョサ『緑の家』(木村榮一・訳)

ペルーを舞台にした群像劇的小説、では何の説明にもなってないが、一言でまとめるのが難しい。 ペルーの中でも、海岸近くの町の貧しい地区と密林の中の集落の2カ所が主な舞台となっており、まあ、インディオを搾取してる白人がいたり、盗賊まがいのことをし…

『フランケンシュタイン』

ギレルモ・デル・トロ監督作品 『フランケンシュタイン』は原作も未読だし、ほかの映像作品も見たことがなかった。廣野由美子『批評理論入門』を通じて、どんな作りなのかはなんとなく知っている。 150分程の作品を家で3回に分けて見たのだけど、映画館で一…

『milsil 2025年12月号』

細胞の不思議な力、オートファジー 水島 昇 特別展「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」に寄せて 進化の歴史を絶滅に学ぶ 矢部 淳 milsil [ミルシル]2025年12月(通巻107号)特集 細胞内の分解システム オートファジー作者:国立科学博物館国立科学博物館Am…

酉島伝法『奏で手のヌフレツン』

凹面世界に暮らす人々を2世代に渡って描く物語 そもそもタイトルの意味が、一見しただけではわからないと思うが、ヌフレツンは人名である。奏で手は、この世界における職業の一つ。 酉島作品というと、漢字を用いた独特の造語による世界観が特徴的だが、本…