2025-01-01から1年間の記事一覧

『物語の外の虚構へ』リリース!

(追記2023年6月) sakstyle.hatenadiary.jp Kindle版について(Amazon) 一番手に取りやすい形式ではあるかと思います。 ただ、エゴサをしていて、レイアウトの崩れなどがあるというツイートを見かけています。 これ、発行者がちゃんとメンテナンスしろやって…

2025年振り返り

今年はもう記事の更新はしなさそうな気がするので振り返り記事を この記事自体は12月入った頃くらいからじわじわ書き始めてた。 読書全体 10選 #2025年上半期の本ベスト約10冊(再掲) 2025年下半期のベスト約10冊 小説 日本文学(大正・戦前昭和) 海外文…

難波優輝『なぜ人は締め切りを守れないのか』

よりよい生を生きるための時間論、とでもいえばいいか。 タイトルがなかなかキャッチーで、ビジネス書風であるが、まあこれはいわゆる「タイトル詐欺」ではあって(個人的に書名のタイトル詐欺は即座に悪いことだとは思っていない。いや、ある程度は悪いかも…

鈴木貴之『人工知能の哲学入門』

タイトル通り、人工知能の哲学についての入門として書かれた本である。 まず、第一次・第二次人工知能ブームまでの、人工知能の概要とそれに対する哲学的批判をまとめたのち、第三次人工知能ブームつまり現在に至るディープラーニングを主軸とした人工知能の…

『パンズ・ラビリンス』

今年、『ギレルモ・デル・トロのピノキオ』 - logical cypher scape2と『フランケンシュタイン』 - logical cypher scape2とを見たので、『パンズ・ラビリンス』を見返してみることにした。 以前の感想は 『パンズ・ラビリンス』 - logical cypher scape2 あ…

マリオ・バルガス=リョサ『緑の家』(木村榮一・訳)

ペルーを舞台にした群像劇的小説、では何の説明にもなってないが、一言でまとめるのが難しい。 ペルーの中でも、海岸近くの町の貧しい地区と密林の中の集落の2カ所が主な舞台となっており、まあ、インディオを搾取してる白人がいたり、盗賊まがいのことをし…

『フランケンシュタイン』

ギレルモ・デル・トロ監督作品 『フランケンシュタイン』は原作も未読だし、ほかの映像作品も見たことがなかった。廣野由美子『批評理論入門』を通じて、どんな作りなのかはなんとなく知っている。 150分程の作品を家で3回に分けて見たのだけど、映画館で一…

『milsil 2025年12月号』

細胞の不思議な力、オートファジー 水島 昇 特別展「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」に寄せて 進化の歴史を絶滅に学ぶ 矢部 淳 milsil [ミルシル]2025年12月(通巻107号)特集 細胞内の分解システム オートファジー作者:国立科学博物館国立科学博物館Am…

酉島伝法『奏で手のヌフレツン』

凹面世界に暮らす人々を2世代に渡って描く物語 そもそもタイトルの意味が、一見しただけではわからないと思うが、ヌフレツンは人名である。奏で手は、この世界における職業の一つ。 酉島作品というと、漢字を用いた独特の造語による世界観が特徴的だが、本…

中川裕『ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化』(一部)

マンガ『ゴールデンカムイ』でアイヌ語監修を担当した筆者による、アイヌ文化解説の本。 同様の本としては既に『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』があり、それの続編、という位置づけでもある。 何故、続編の方を読んだかというと、こちらの方に…

橋本直子『なぜ難民を受け入れるのか』

サブタイトルは「人道と国益の交差点」。 難民を受け入れ、保護(庇護)することは、人道上の理由によるが、各国の様々な難民受け入れ政策を見ていくと、いかに国益に叶うように受け入れていくかという視点も見えてくる、というような意味が込められている。…

長谷敏司『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』

「コンテンポラリー・ダンス」と「ロボット・AI」と「介護」を題材にして、身体性から立ち上がる人間性とは何かというテーマを描く長編小説 以前から気にはなっていたが、文庫化を機にようやく読めた。 ダンサーである主人公がバイク事故で左足を切断すると…

Newton 2025年12月号

2025年 ノーベル賞 FOCUS ノイズに強い量子センサー 火星内部に残る天体衝突の痕跡 世界最古のミイラをアジアで発見 恐竜の絶滅が変えたアメリカの景観 from 朝日新聞 AIで設計のウイルスが細菌を殺すことに成功 飯島さつき×磯部紀之─深海に挑む しんかい650…

今井慧「描写の哲学における二面性概念の再検討——三重性と屈折」ほか

今井 慧 (Kei IMAI) - 描写の哲学における二面性概念の再検討 ——三重性と屈折 - 論文 - researchmap ロペスにおける「屈折」とナナイにおける「屈折」を検討した上で、ロペスは、屈折現象の内実を説明していない、ナナイは内実を説明しているが、あらゆる画…

浦出美緒『死ぬのが怖くてたまらない。だから、その正体が知りたかった。』

タナトフォビア(死恐怖症)である著者が、まさにタイトルにある通りの理由から、様々な人に話を聞きいにった対談集 具体的には医者(中山祐次郎)、宗教社会学者(橋爪大三郎)、神経科学者(渡辺正峰)、哲学者(森岡正博)、作家(貴志祐介)の5名である…

日経サイエンス 2025年12月号

詳報:ノーベル賞 日本人ダブル受賞 制御性T 細胞の輪郭を突き止めた 遠藤智之/出村政彬 細孔の機能を自在にデザイン 遠藤智之 マクロな量子現象を観測 量子コンピューターの基礎を築く 古田彩 特集:縄文以前の人びと 縄文人の祖先を探る 3万年より前にい…

日経サイエンス 2025年11月号

情報を量子で語れ 理論家たちの思考をたどる 古田 彩 量子情報の未来は? 細谷曉夫氏に聞く 語り:細谷曉夫 聞き手:古田 彩 自然が好む形ソフトセル E.カッツ 数学者のおすすめ最も魅力的な図形 R.クロウェル 宇宙膨張の謎は解けるか 初期暗黒エネルギー仮…

『Newton2025年8月号』

量子のパラドックス 監修 和田純夫 執筆 小谷太郎 室伏広治×金井宣茂─重力に挑む 人工生命への挑戦 監修 瀧ノ上正浩/川又生吹 執筆 尾崎太一 楽器のサイエンス 監修 吉川 茂 執筆 加藤まどみ 人体と機械は融合できるか 監修 稲見昌彦 執筆 梶原洵子 水中考…

藤井太洋『まるで渡り鳥のように』

11本の作品からなる第二短編集 まず、初出が海外の媒体という作品が多いことに驚く 11本中、日本の媒体が初出となっている作品は5本、他は中国が4本、韓国が1本、アメリカが1本となっている。 日本語で執筆したものを、それぞれ中国語、韓国語、英語に翻訳さ…

ジャパンモビリティショー2025

たまたま、チケットをいただく機会があったので クルマについては、それほど関心も知識も持ち合わせておらず、連休中に子どもを連れ出す場所として行った感じであったが、よいものが撮れたのでブログ記事にしてみることにした。 正直、予習ほとんどせずに行…

越智萌『 だれが戦争の後片付けをするのか』

ウクライナの事例を紹介しながら、「戦争後の法」について概説する本 具体的には、戦争犯罪の裁判や、捕虜や遺体の返還、賠償などについてである。 これらのテーマ自体、あまりよく知られていないことだと思うので、それ自体が面白い。 また、ウクライナの具…

上杉勇司『紛争地の歩き方―現場で考える和解への道』

紛争が終わったあと、和解はどのように行われる/行われた/行われなかったのかが書いてある本。 バーニングさんの書評きっかけで読んだ。 紛争地の歩き方 ――現場で考える和解への道 バーニングさんの感想 - 読書メーター 筆者は、紛争解決学を専門とする研…

東山彰良『流』

1970年代の台北を舞台に、殺された祖父は何故、誰によって殺されたのかという謎を縦軸に、主人公の友情・恋や進路といったエピソードが展開する青春小説 本作の存在は都甲幸治ほか『世界の8大文学賞』 - logical cypher scape2で知った。 2015年上半期の直木…

川上弘美『大きな鳥にさらわれないよう』

衰退した未来の人類を描いた連作短編集のような長編のような小説 川上弘美は、国内文学文脈でもSF文脈でも気になっていった作家だったのだけど、なかなか読んでこなかった(雑誌やアンソロジーに収録されていた短編をちらほら読んだことはあるが) 本作が、…

都甲幸治ほか『世界の8大文学賞』

文学賞をテーマにした座談会形式によるブックガイド的な本 8つの文学賞を取り上げ、それぞれの賞につき、3作品をあげて座談会をしている。 全ての座談会について都甲がホストで、他に文学研究者、翻訳者、小説家、書評家など2名がメンバーになっている。 対…

安田峰俊『恐竜大陸 中国』(田中康平・監修)

中国で発見された恐竜ないし中国での恐竜発見エピソードについて書かれた本 元は、講談社ブルーバックスのwebでの連載だった。これに大幅に加筆修正を加えたものと書かれている。この連載、当時読んでいたが、これかなり書き下ろしも多いのではないか、とい…

ミハル・アイヴァス『もうひとつの街』(阿部賢一・訳)

主人公が古本屋で手にした本をきっかけに、プラハの街の裏に隠されたもうひとつの街の存在を知っていくという長編小説 著者のアイヴィスはチェコの作家で、本作は、1993年に初版がでた著者の長編第一作。2005年の改訂版を底本に2013年に日本語訳され、2024年…

土屋健『地球生命 空の興亡史』

翼竜類、鳥類(絶滅種)、飛ぶ哺乳類(絶滅種)についての本。 シリーズとしては、土屋健『地球生命 水際の興亡史』 - logical cypher scape2、『地球生命 無脊椎の興亡史』に次ぐ3作目。無脊椎のは自分は読んでいない。 ちなみに、あとがきによれば、次は『…

『ギレルモ・デル・トロのピノキオ』

ストップモーションアニメかつミュージカル映画のピノキオ 自分はピノキオというと、ディズニーによるものを見たことがあるくらいだが、あれとはだいぶ違っている。 デル・トロ作品は、これまで『パンズ・ラビリンス』 - logical cypher scape2『シェイプ・…

『ラブ、デス&ロボット』シーズン2・シーズン4一部

他の作品見るためにネトフリ入り直したら、シーズン4が配信されていたので見ることにした。 あと、見ていなかったシーズン2も ただ、このシリーズ、シーズン2以降はわりと評判が芳しくなく、一部の作品だけ見た『ラブ、デス&ロボット』 - logical cypher…