2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧
2011年のSF短編集。え、もう15年近く前なの…… 表題作は読んでいたのだけど、その後、読むの止まってそのまま忘れてしまっていたんだよな。いや、完全に忘れたわけではなくて、ああそういえばと意識はしていたけれど。 4篇収録。最後の一つは書き下ろし やっ…
フィヨルドを北上する帆船は、「大建造物」を探そうとする探検隊を乗せている。主人公である船医は、探検隊と契約して乗船しているものの、この探検にあまり気乗りしない。果たして「大建造物」が彼らの前に姿を現わすが、しかし……という長編冒険小説 アレス…
シュリック 今度、吉川浩満さんが編集担当で『シュリック教授殺害事件──ウィーン学団盛衰史』という本が出るらしい。 またどでかいのが出ます。ぜひご予約を。 #編集担当書 #晶文社デイヴィッド・エドモンズ『シュリック教授殺害事件──ウィーン学団盛衰史』…
1934年から1945年の上海租界を舞台にしたノワール小説 阿片密売の利益をめぐる上海の裏社会での駆け引きに、ファム・ファタルの暗躍と、日本陸軍特務機関で働く日露ハーフ青年の執念が絡まり合い、血で血を洗う復讐譚と自由を求める男の物語が繰り広げられて…
テラフォーミングそのものにそこまで強い関心があるわけではないものの、まあでも『現代思想』で特集組むなら読んどくか、くらいの感じで手に取った。 っていうか、テラフォーミング特集でどんな記事集まってくるかは、普通に気になるよね。 テラフォーミン…
タイトルにある通り、センスとは何か、という本 ここでいうセンスとは、美的直観とか美的判断とかいってもいいものだと思う(本書では、直観的な(非推論的な)判断力のこと、と言っている)。 また、本書は、芸術作品と日常生活を連続的なものとして捉えて…
「進化論」をお題とした書き下ろしホラーアンソロジー。『異形コレクション』シリーズとしては36巻にあたる。刊行年は2006年だが、「魚舟・獣舟」や「貂の女伯爵、万年城を攻略す」の初出媒体で以前から気になっていた。 『異形コレクション』は、90年代後半…
3年ほど前のSFマガジン。刊行当時、気になりつつもスルーしていた。 最近TLで、本誌収録の春暮康一「モータル・ゲーム」への言及を複数見かけたので、読んでみることにした。 SFマガジン 2022年 8月号早川書房Amazon 「魔法の水」小川哲 これ小川哲『地図と…
5月末から7月頭にかけてエクス・リブリス月間という感じで、6冊ほど読んだので、まとめておく。 経緯 2023年に「海外文学読むぞ」と銘打ち、集中的に読んでいた。 海外文学と言えば、で思いつく出版社やレーベルは複数あると思うが、自分の場合、白水社Uブッ…
旅、移動、解剖学をめぐり116の断章で構成された小説 白水社エクス・リブリス 筆者はポーランド人作家で、2018年にノーベル文学賞を受賞している。その際の受賞理由は「博学的な情熱によって、生き方としての越境を象徴する物語の想像力に対して」とある。博…
2025年も半年が過ぎた。 普段、半年単位で振り返りとかはしていないんだけど、ちょっとしたくなったので。 半年前、2024年振り返りの際に以下のようなことを書いた。 2023年の振り返り記事では、自分にしては珍しく、というか初めての試みとして「来年に向け…
1928年のパリ不戦条約(ケロッグ・ブリアン条約)を画期として、国際的な法秩序が転換したとして、戦争にかんする国際法の歴史を描いた本 本書では、戦争を合法であるとするグロティウス的な法思想を「旧世界秩序」、戦争は違法であるとする法思想を「新世界…