授業

「動機」をめぐって

「文芸評論」と「哲学」のタグをつけてるが、「理論社会学」というタイトルの講義について。 ミステリ小説の言説空間についての授業だった。 取り上げられた作家は、エドガー・アラン・ポー、黒岩涙香、レーモン・ルーセル、松本清張らである。 が、ここでは…

トマス・ピンチョン

今日は集中授業で、別にピンチョン以外のことも色々やったのだけど、ピンチョンの話が面白かったので、書いておくことにする。 ピンチョンの経歴自体が、あまりにもお話じみている。 1937年、ニューヨーク州ロングビーチ*1に生まれる。 アメリカ最古の家…

サール「心・脳・プログラム」

9月から11月まで、週に1本論文を読んできて、ディスカッションするという授業を取っています。 他の週の授業はこちら 今回が最終回。 本当は、パトナムもやる予定だったのだが、先生の都合で中止に。 近々借りて読む予定だが、誰かが元の場所に戻さなか…

グッドマン「帰納法の新たな謎」

9月から11月まで、週に1本論文を読んできて、ディスカッションするという授業を取っています。 他の週の授業はこちら 帰納法というと、ヒュームの問題がある。 帰納法というのは、果たして妥当な推論であるのか、という問題だ。 まあ、帰納法というのは…

デイヴィドソン「概念枠という考えそのものについて」

9月から11月まで、週に1本論文を読んできて、ディスカッションするという授業を取っています。 他の週の授業はこちら 前回のクワインによって、分析と総合の区別と言う二元論は放棄された。 だが、それは別種の二元論を呼ぶこととなった。 分析(必然的…

クワイン「経験主義の二つのドグマ」(現代哲学)

9月から11月まで、週に1本論文を読んできて、ディスカッションするという授業を取っています。 他の週の授業はこちら クワインは、以下の二つのことを、何の根拠もないドグマにすぎないとして否定する 「分析的言明と総合的言明に本質的な違いがあること…

現代アートの表現するもの/表象について

現代美術についての授業をとっていて、その中で現代アートの入門書を読んでいる*1。 それで考えたことなど。 現代アートはよくわからない、というのはよく言われることである。 僕はむしろ、そのよくわからなさを面白がっていたりしているのだが、多くの人に…

ヘンペル「意味の経験論的基準における問題と変遷」(現代哲学)

9月から11月まで、週に1本論文を読んできて、ディスカッションするという授業を取っています。 他の週の授業はこちら 前回までが言語哲学だったとすると、今回からは科学哲学。 経験論的基準というのは、いわゆる線引き問題のこと。 線引き問題とはつま…

ウィトゲンシュタイン『哲学探究』

1年かけても、哲学探究の一部分しか読むことはできないのだけど、とても面白い。 いつかちゃんとまとめておきたいなと思っているのだけど、それはまた今度。 とりあえず、今日読んだところで、ついに独我論が崩壊した。 「私」の心的内容は、人との関係の中…

ラムジー「事実と命題」(現代哲学)

9月から11月まで、週に1本論文を読んできて、ディスカッションするという授業を取っています。 他の週の授業はこちら 論文のタイトルにある通り、事実と命題(文)がどのようにして結びついているか、を論じたもの。 命題というか文というのは、それ単体…

ラッセル「指示について」(現代哲学)

9月から11月まで、週に1本論文を読んできて、ディスカッションするという授業を取っています。 他の週の授業はこちら 日常言語では隠されてしまっている言語の深層構造を見つけ出そうと試みた人、ラッセル。 フレーゲの提示した、意義と意味(内包と外延…

フレーゲ「意味と意義について」(現代哲学)

9月から11月まで、週に1本論文を読んできて、ディスカッションするという授業を取っています。 1回目の今週は「意味と意義について」 他の週の授業はこちら 意味=Bedeutung=reference 意義=Sinn=sense=「表示されたものの与えられる様態」 語の意…

現代哲学目次

9月から11月まで、週に1本論文を読んできて、ディスカッションするという授業を取っています。 フレーゲ「意義と意味について」 ラッセル「指示について」 ラムジー「事実と命題」 ヘンペル「意味の経験論的基準における問題と変遷」 クワイン「経験論の…

サブカルチャーとかカルチュラルスタディーズとか

今日は、集中授業で学校行ってた。 内容は、戦後アメリカ文化論とでもいえばいいか。 それで50年代後半くらいからの若者のカウンターカルチャーの話になった。 簡単にまとめれば、 大人たちの作ったものを如何にアプロプリエーション(換骨奪胎)するか、…

ベルクソンと現象学は、環世界とサーチライト仮説か

このブログでは既に何度か書いているけれど、今ドゥルーズの『シネマ』を読む、という授業を とっている*1。 で、ここ最近は、ベルクソンと現象学の比較が続いていて、個人的には非常に盛り上がっている。 20世紀初頭、意識(やイメージ)と物質(や運動)…

とりとめもなく日記(帰宅/W杯/スピヴァク/松本大洋)

帰宅 月曜日。 新千歳空港で10時間待ち。 学生なのでスカイメイトを使っています。学割料金の代わりに、事前予約することができないという制度。 基本、空席待ちで、その時も優先順位が一番低いのです。 21:30の便に乗って、家にたどり着いたのは1:…

ポモとかカルスタとか文学とかでぐだぐだ

本当は、上と一続きの記事にしてしまおうと思ったんだけど、やっぱ分かりにくくなるので一応分ける。 今とっている授業で、ドゥルーズの『シネマ』を読む、というものがある。 ドゥルーズの映画分析みたいなことをやっている。 ベルクソンの持続概念を使って…

ベルクソン

今、レポートを書いていた。 というわけで、今日は一日中PCの前にいて、もう頭が痛い。 ドゥルーズのCinema1を読む、という授業。 その中で、ドゥルーズはベルクソンに依拠して「運動-イメージ」というものについて語っている。 そんなわけでレポートは、ベ…

『検証・若者の変貌』第2章音楽生活について

ゼミ、とか言われてもなんかまだピンと来ませんが、社会学のゼミを一つとっています。 今そのゼミでは、『検証・若者の変貌』という本を読んでいるのですが、 今日は、その第2章音楽生活について。 ジャンルの細分化が進んでいるようだが、では平準化もまた…

sound scope headphone

今とっている授業で、デザインの先生が来ているのですが(何でそんな授業を取っているか説明しだすと長いので略) ちょっと面白い、新製品(まだ商品化されてはいませんが)の話を聞いたので少し。 ヘッドホンなのですが、その中に頭の動きを感知するセンサ…

映画、2日で30本!

28日、29日の2日間、表象文化論の集中講義でした 末岡一郎という映像作家の方を講師に迎え、実験映画の歴史というような内容です 実験映画なので、1本1本の長さが短いわけですが(最短で30秒、長くてもまあ15分程度なのだけど)、1日目は16本…