2024-01-01から1年間の記事一覧
久しぶりに稲葉振一郎を読んだ気がする。宇宙倫理学関係は2010年代後半にちょいちょい読んでいたし、ブログとかSNSとかは見ているので、全くの久しぶりというわけでもないのだけど 対談集なので、気楽な感じで読んだが内容は濃いし、タイトルが象徴的だが、…
韓国の戒厳令をうけて『ソウルの春』とか見てみようかなと思ってたら、「ソウルの春」がもっと面白くなる!韓国現代史の名作映画まとめ - ハナ韓まとめという記事を見かけて、見ることにした。 この後、『ソウルの春』『タクシー運転手』も見たい。 朴正熙大…
ミュージカルの歴史について、音楽社会学の観点から、つまり、興行的側面や音楽産業、当時のテクノロジーとの関わりから見ていく本だが、サブタイトルに「なぜ突然歌いだすのか」とあり、これはミュージカルという形式が、歌と台詞・音楽と物語をどのように…
はるか未来、地球は植物が支配する世界となっており、人類は文明を失い、森の片隅でひっそりと暮らす存在になっていた。自グループから追放されてしまったグレンは、他の地域の見知らぬ動植物や人々を見て回ることになる。 今まで読んだオールディス作品は、…
『SFマガジン2024年12月号』 - logical cypher scape2で言及されていたので。 このシリーズは、以前、『日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女』(伴名練編) - logical cypher scape2を読んだことがある。 あと、新城カズマを積んでる。積んでるっていうか…
田中泉吏・鈴木大地・太田紘史『意識と目的の科学哲学』 - logical cypher scape2のあとがきで紹介されていた論文 意識をめぐる新たな生物学的自然主義の可能性 ギンズバーグ&ヤブロンカ、ファインバーグ&マラットについてのサーベイ論文 それぞれの問題点と…
文庫版『オーラリメイカー(完全版)』の書き下ろし 「オーラリメイカー」と「虹色の蛇」も加筆されているようなので、それらを読んだうえでまとめて記事にした方がいいかなとも思うのだけど、とりあえず先にこれだけ読んでしまったので。 春暮康一『オーラ…
意識について、進化論的なアプローチにより解明するには、目的論を導入する必要があるという本 自然主義だけれども、機能主義ではないこと、あるいは、進化論的なアプローチだけれども、意識を適応の産物と捉えないことが、面白いと思う。 他の意識理論との…
長大なVLBI(超長基線電波干渉計)計画が、異星文明との接触につながり、さらにこの宇宙における知的種族の運命についての物語となっていく。 春暮康一『オーラリメイカー』 - logical cypher scape2や春暮康一『法治の獣』 - logical cypher scape2の作者に…
動物の美学入門:自然、動物園、水族館 - Lichtungで紹介されていた動物の美学の論文 タイトルは「美学化、芸術化、水族館」か 二部構成になっていて、第一部で美学化・芸術化とは何かについて論じ、第二部でその具体例として水族館をあげている。 筆者は、…
ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』(鼓直・訳) - logical cypher scape2に続いて、今度はラテンアメリカSFSFマガジン 2024年 12 月号 [雑誌]早川書房Amazon ラテンアメリカSF特集 監修=鯨井久志 「ぺラルゴニア――〈空想人類学ジャーナル〉への…
音楽の脳科学 不死のサイエンス 無数の宇宙が生まれつづける驚異の 「マルチバース宇宙論」宇宙はいくつあるのか? 変貌する地球 Newton 2024年12月号作者:科学雑誌Newton株式会社ニュートンプレスAmazon 音楽の脳科学 監修 伊藤浩介 執筆 西村尚子 音楽の脳…
ガッサーン・カナファーニー『ハイファに戻って/太陽の男たち』(黒田寿郎・奴田原睦明・訳) - logical cypher scape2に続いて、今度はパレスチナSF kaguya-books.square.site Kaguya Planet パレスチナ特集「語りと報道の偏りに抗して」全文公開、『Kaguy…
Michel-Antoine Xhignesse "Imagining Dinosaurs" - logical cypher scape2と同じ人の別の論文 この人は、芸術の哲学の人で、直近に2本連続でこれら恐竜関係の論文を書いているが、恐竜・古生物に関する論文はこの2本のみ。やはり直近で、ヘヴィメタの論文…
学生時代からタイトルは知っていたけれど未読だった。 いよいよこれは読まねばならぬか、と思ってから、さらに1年ほど経過してしまったのだが、とにもかくにも、ようやく読んだ。 いずれの作品もずしっと重い作品ではあるが、しかし、リーダビリティは高く…
文庫化奴 新潮には、次はマリオ・バルガス=リョサ『世界終末戦争』(旦敬介訳) - logical cypher scape2の文庫化もお願いしたい ガルシア=マルケスは昔、ガルシア=マルケス『予告された殺人の記憶』 - logical cypher scape2、ガルシア=マルケス『エレン…
恐竜の復元骨格は芸術作品だ、ということを主張しようとしている論文 類似の研究がおそらくあまりないので、その点ではよかったが、主張としてうまくいっているかどうかは疑問。 おそらく著者もそのことは分かっていて、芸術作品だ、と言いきるのではなく、…
『シビル・ウォー』見てきた これは確かに映画館のデカい音で見るのがいい映画だ しげるさんが、アメリカ版パト2的なボンクラ性のある映画って言ってたのがきっかけで見に行って、実際そういう映画だなあとは思った あと、『地獄の黙示録』ってあんまりよく…
結局、映画館に行きそびれてしまい、ようやく見た 『DUNE/デューン 砂の惑星』 - logical cypher scape2見てから1年以上たっててちょっとびっくりした。 レビューを見るとわりと賛否両論あるが、実際なんともいえないところがある。 普通に見てて面白くは…
量子力学の創始者の一人ともいえるシュレディンガーが、生物学についても著作をものしており、その中で生命のことを「負のエントロピーを食べる」と特徴付けたことは非常に有名だが、実際にその本を読んだことはなかった。 最近読んだ中屋敷均『遺伝子とは何…
『科学』2024年10月号 「光合成進化の謎に迫る驚異の細菌の培養――革新的な共同研究を通じた予期せぬ発見」ジャックソン マコト ツジ・福井学 「言語研究者,ユーラシアを彷徨う3 ライバルは幕府隠密――ウルチャ語の調査」風間伸次郎 「ゲームAI研究の歴史と展…
【10/15〆切】2025オールタイム・ベストSFアンケート実施中!|Hayakawa Books & Magazines(β) ハヤカワがこんなことをやっていると偶々知って、やってみることにした。 ◆項目 以下の6項目を対象とする。 1、国内長篇ベスト5 2、国内短篇ベスト5 3、…
【シリーズ 近代現代文学研究座談会】第3回・昭和(戦前)篇 「理論・文学・運動」 尾形大×加藤夢三×木村政樹×鳥居万由実 レジュメ+司会・大石將朝 【特集 演劇史】川口典成インタビュー 「日本近代演劇史と対峙して」 川口典成 聞き手・清末浩平×平林慶尚×…
恐竜・古生物の表象についての本から筆者は、古生物の表象(例えば博物館の展示やSF映画とか)についての在野研究者らしい。本業としては、環境化学者だったらしいけど、古生物学の学位も持っているっぽい。歴史学や文化論などについてはたぶん専門教育は受…
音楽を聴いて踊りたくなるのはどういう時か。 シンコペーションの程度を変えて実験したという研究 シンコペーションの程度が大きいと、次のリズムが予測しにくくなる。 中程度の時、一番踊りたくなることがわかった つまり、リズムが単調で予想がたやすい場…
NHKラジオでなんかやっていたので聞いていた。 特にメモ等はとっていないので、単に聞いたという記録だけなのだが。 全13回シリーズ どこかで公開収録したものっぽい。小学生たちが聞きにきていたようで、彼らの声が時々聞こえるし、小林先生も明らかに(ラ…
タイトルは「絵画の哲学」だが、いわゆる描写の哲学philosphy of depictionについての入門書である。 ここでいう描写の哲学は、主に英語圏で展開されている動向で、この分野の古典であるグッドマン『芸術の言語』、ウォルハイム『芸術とその対象』の初版がと…
中編小説2編を収録したもの 内容的に何か関連しているのかなと思ったら、それぞれ完全に独立した内容だった。 「鏖戦」は1982年の作品で、酒井昭伸訳 「凍月」は1990年の作品で、小野田和子訳。こちらは中編といっても長めの作品(あるいは短めの長編)で、…
サブタイトルに「古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」」とある通り、古代DNA研究をまとめた本となる(その意味では「人類の起源」の話ではなく「人類の拡散」の話といった方が正確か)。 類書としてデイヴィッド・ライク『交雑する人類』(日向や…
ゾーンから人類以外のテクノロジーの産物をかすめ取ってくるストーカーたちと、ゾーンの周囲で暮らす人々の物語 かなり前から気になっていってずっと積んでいたのだが、フレッド・シャーメン『宇宙開発の思想史』(ないとうふみこ訳) - logical cypher scap…