Michel-Antoine Xhignesse "Imagining Dinosaurs" - logical cypher scape2と同じ人の別の論文
この人は、芸術の哲学の人で、直近に2本連続でこれら恐竜関係の論文を書いているが、恐竜・古生物に関する論文はこの2本のみ。やはり直近で、ヘヴィメタの論文や写真の論文も書いている。
British Journal of Aesthetics がRemote Art特集というのを組んでいて、その中の1本として書かれた論文らしい。
Michel-Antoine Xhignesse, Distant Dinosaurs and the Aesthetics of Remote Art - PhilArchive
remote artというのは、時間・空間的に(西洋文化と)距離のある芸術作品のこと
イヌイットの彫刻とか洞窟壁画とか
筆者は、ダイエジェティックなリモートネスとノンダイエジェティックなリモートネスとに区別する
前者は、主題とか内容とかのリモートネス
例えばガムランは、西洋人からするとどの要素が美的性質となっているかがわかりにくい。ヘヴィメタの轟音とかもある意味ではそう。
後者は、文脈のリモートネス
例えばやはりガムランは、現地では宗教的な意味もあって、そういう文脈も含めないと、どういう実践なのか理解することはできない。
前者のリモートネスは「何が起きてるの?」という問いを、後者のリモートネスは「これって芸術なの?」という問いを引きおこす。
パレオアートは、後者の意味でリモート芸術だ、と論ずる
内容・主題という意味では、大衆文化を通じて親しみぶかいものではある。
が、しかし、ちゃんと鑑賞するには、古生物学の知識が必要だよ、という点のリモートネスと
パレオアートが、いわゆる美術界からは距離があるよね、という点でのリモートネス
があるよ、と。
パレオアートについては、ウィットンによる3条件の話を引用して話してる。
前の論文とあわせて、パレオアートをなんか芸術の一分野として位置付けたいのかなあとも思うが