美学

分析美学アンソロジー新旧比較つづき

sakstyle.hatenadiary.jp著者の比較であげたリストを少し作り直し。 それぞれの論文の発表年を入れた表にしてみる 新旧両方 旧のみ 新のみ Peter Lamarque 1995, 1981, 1990 2006, 2009 Malcom Budd 1995, 1993, 1996 2004 Kendall L. Walton 1970, 1978 197…

分析美学アンソロジー新旧比較

"Aesthetics and the Philosophy of Art: The Analytic Tradition: An Anthology"という分析美学の論文集があるのだが、これの2nd Editionが出ており、結構、論文が入れ替わっているということを先ほど知ったので、新旧比較してみた。 15年ぶりの改訂っぽ…

松永伸司『ビデオゲームの美学』

ビデオゲームは一体いかなるナラデハ特徴を持っているのかを、記号の意味作用という観点に着目して明らかにしようとする本 これは名著 様々な論点が丁寧に整理され、読者が気に掛かるであろう点にはきちんと補助線が引かれ、踏み込む必要のない議論では中立…

科学基礎論学会ワークショップ「芸術における感情表現」

ワークショップ「芸術における感情表現」 オーガナイザ:源河 亨 http://phsc.jp/dat/rsm/20181024_05.pdf 源河 亨 - 「作者の感情表出と鑑賞者への感情喚起」 http://phsc.jp/dat/rsm/20181024_06.pdf 松永 伸司 - 「例示としての表出:ネルソン・グッドマ…

西村清和『感情の哲学』

美学研究者として著名な筆者による、「感情の哲学」論。サブタイトルに「分析哲学と現象学」とあるが、分析哲学的な感情についての議論の陥りがちな陥穽を指摘している。その陥穽に現象学をパッチしている、ようなところもあるが、現象学よりも分析哲学側の…

ドミニク・ロペス『画像を理解する』

Dominic Lopes "Understanding Pictures" ドミニク・ロペスによる描写の哲学の入門書 同じテーマのものとして過去に読んだものは ジョン・カルヴィッキ『イメージ』(John V. KULVICKI "Images")前半(1〜5章) - logical cypher scape ジョン・カルヴィ…

ケンダル・ウォルトン「表象は記号か」

Kendall L.Walton Are Representations Symbols? 美学論文アンソロ(ラマルク+オルセン編『美学と芸術の哲学:分析的伝統:アンソロジー』 - logical cypher scape)から 1974年に書かれた論文 表象のコアは指示ではない、ということを主張している。 なお…

『新潮2018年7月号』

新潮 2018年 07 月号出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2018/06/07メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る佐々木敦の「これは小説ではない」において、キャロル『批評について』が言及されていると聞いたので、読んでみた。 『批評について』未読だ…

ベンス・ナナイ「トロンプ・ルイユと画像知覚の腹側/背側説明」

Bence Nanay ”Trompe l’oeil and the Dorsal/Ventral Account of Picture Perception” https://philpapers.org/rec/NANTLA-2 2008年の論文であるベンス・ナナイ「画像知覚と二つの視覚サブシステム」 - logical cypher scape]の内容をもとに膨らませて書いて…

ベンス・ナナイ「画像知覚と二つの視覚サブシステム」

Bence Nanay “Picture Perception and the Two Visual Subsystems” https://www.semanticscholar.org/paper/Picture-Perception-and-the-Two-Visual-Subsystems-Nanay/ddfd7a7276afa17a0e8b486659ac137392c21ecc?tab=abstract 描写の理論に関する論文 二面性…

リチャード・ウォルハイム「画像的表象について」

美学論文アンソロ(ラマルク+オルセン編『美学と芸術の哲学:分析的伝統:アンソロジー』 - logical cypher scape)から Mulcom Budd “How pictures look” (マルコム・バッド「画像はどのように見えるか」) - logical cypher scapeに続いて、描写について…

Mulcom Budd “How pictures look” (マルコム・バッド「画像はどのように見えるか」)

美学論文アンソロ(ラマルク+オルセン編『美学と芸術の哲学:分析的伝統:アンソロジー』 - logical cypher scape)から 描写の理論(Theory of Depiction)にはいくつかの立場があって、類似説、経験説、認識(認知)説、メイクビリーブ説、構造(記号)説…

戸田山和久『恐怖の哲学』

ホラー映画を題材にして、情動の哲学、フィクションの哲学、死の害の形而上学、意識の哲学など、哲学の各分野の議論を紹介しつつ、筆者のホラー映画愛も盛り込まれている本 (入門書だけ読んでおわりがちな)自分にしては珍しく、この本の元ネタのいくつかを…

THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪ GROOVE☆

横浜にあるDMM VRシアターで行われた、アイマスのVRライブイベント、我那覇響回に行ってきた 久しぶりのアイマス関係記事 アイマスとかアニメとかの記事は、数年前からはてなブログの方に書くようになったので、こちらでアイマスのライブイベントについての…

『フィルカルVol.3 No.1』

分析哲学と文化をつなぐ雑誌通巻5号 急にこれまでの倍くらいの分厚さに 今回は、分析美学の論考が2本に、前号の「大森靖子と推論主義」に対するリプライ、イベントのレポート記事などもあって盛りだくさんとなっている。 また、本号に「創造と複製-芸術作品…

日大哲学WS「美的経験、再考!」

金曜日に行われていたワークショップだが、自分は行くことができなかった。 しかし、提題者の方々がみな配布資料をアップしてくださっていたので、それらを読んだ。 いずれも、日常的なことと関わるようなことを検討していて、美学の面白さが出ていると思う…

Bence Nanay ”Threefoldness"

Threefoldness | SpringerLink Nanayによる、「二面性」でなくて「三面性」だという論文 二面性が、絵の表面と描かれているものの二面だが、 絵の表面、絵の表面によってエンコードされる三次元のもの、描かれているものの3つだ、と。 間に1つかますことで…

美学会・科学基礎論学会・科学哲学会

10月から11月にかけて参加した学会 とりあえず、どの題目を聞いたくらいはメモっておくことにした 第68回美学会全国大会(@國學院大学) 大会プログラム 10/7 研究発表 松粼俊之(石巻専修大学) 表象的特性としての知覚的クオリアと美的クオリア―フレーゲ…

S.E.P.「Depiction描写」

Depiction (Stanford Encyclopedia of Philosophy) 1. Resemblance Theories of Depiction 1.1 Resemblance and its Critics 1.2 Recent Resemblance Theories 2. Conventionalist Theories of Depiction 3. Psychological Theories of Depiction 3.1 Experi…

『芸術の言語』から現代の分析美学へ

グッドマン『芸術の言語』発売を記念して、東大駒場で開催されたイベントへ行ってきた。 5つのトピックについて、5人の登壇者がそれぞれ、グッドマンの主張とその後の分析美学における主張とを紹介するというもので、とても勉強になって面白かった。 特に、…

ケンダル・ウォルトン『フィクションとは何か』(田村均訳)

サブタイトルは「ごっこ遊びと芸術」 Kendall L. Walton "Mimesis as Make-Believe :On the Foundations of the Representational Arts" - logical cypher scapeの邦訳であり、1年程前に出ていたのだが、ようやく手に取ることができた。 が、まあなにぶん長…

科学とイラストレーションについて

むかわ竜復元画 以前読んだ土屋健『ザ・パーフェクト』 - logical cypher scapeの中には、むかわ竜の復元画を描いた服部雅人についての章もあった。 小林からの依頼から、プレスリリースで使われるむかわ竜のイラストをどのように描いていったのか、メールの…

ネルソン・グッドマン『芸術の言語』(戸澤義夫・松永伸司訳)

待望の邦訳 原著についてはネルソン・グッドマン『Languages of Art』 - logical cypher scapeというか、超文フリにて新刊『筑波批評2013春』! - logical cypher scapeでレジュメをまとめたので、こちらの記事では内容まとめません。 ただまあ、やはり…

ロバート・P・クリース『世界でもっとも美しい10の科学実験』

古代から現代まで、物理学における「美しい」科学実験について紹介するとともに、科学実験における美についての哲学的エッセイがまとめられている本 筆者の専門は哲学・科学史で、『フィジックス・ワールド』誌でコラムを担当している。 ちなみに、訳は青木…

ウォルトンにおける想像のobjectについて

ケンダル・ウォルトン『フィクションとは何か』田村均訳について、 以前、高田さんが ウォルトンにおける想像の対象 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ という記事を書き、田村氏が、「表象体の対象(an object of a represenation)」と「想像活動のオブジ…

カロル・タロン=ユゴン『美学への手引き』(上村博・訳)

古代から現代に至る美学史をコンパクトにまとめた1冊 文章も読みやすく丁寧で、西洋哲学史の中での美学の変遷を掴むのにはよいのではないのかと思う。あまり類書を読んでいないので比較はできないが。 それぞれ時代ごと、人ごとの美学の紹介なのだが、その際…

『思想2016年4月号』(特集:神経系人文学――イメージ研究の挑戦)

神経美学に対して、ドイツを中心に、神経科学を取り込んだ美術史研究、文学研究等が生まれ、実験美学、経験美学として研究が進められているという動向について 一応、「神経系人文学」と銘打たれているが、他にも色々名前があって、そこらへんはまだあまり整…

『アートオブコミックス:哲学的アプローチ』序文(文フリ東京ボツネタ)

5月1日に東京流通センターで行われる文学フリマ東京にて、 シノハラユウキ『フィクションは重なり合う――分析美学からアニメ評論へ』を発行します。 詳細は→5/1文学フリマ東京にて『フィクションは重なり合う』発行 - logical cypher scape *1 『フィクション…

ステイシー・フレンド「事実とフィクションを想像すること」

ウォルトンやカリー、デイヴィス、ラマルク&オルセンなど、フィクションと想像とを結びつけることに対する批判 ちょっと、内容は省略。 フレンドの提案 ・想像を、定義的特徴として使うのではなく、ウォルトンが「芸術のカテゴリー」で述べた標準的特徴とし…

デイヴィッド・ルイス「フィクションの真理」(樋口えり子訳)

以前読んだグレゴリー・カリー『フィクションの性質』("THE NATURE OF FICTION")第2章 - logical cypher scapeで、ルイス説についてまとめられていたけど、まあ当たり前だけど、大体同じだった。 マイノング主義ではうまくいかないことがあるので、「然々の…