美学

Craig Derksen & Darren Hudson Hick "On Canon"

https://contempaesthetics.org/newvolume/pages/article.php?articleID=832 James Harold "The Value of Fictional Worlds (or Why 'The Lord of the Rings' is Worth Reading)" - logical cypher scape2でカノンという言葉が出てきたが、ここでいうカノン…

James Harold "The Value of Fictional Worlds (or Why 'The Lord of the Rings' is Worth Reading)"

ジェームズ・ハロルド「虚構世界の価値(なぜ『指輪物語』を読むのか)」 https://contempaesthetics.org/newvolume/pages/article.php?articleID=584 この論文は、以前高田さんの記事で読んで存在を知った。 at-akada.hatenablog.com で、存在を知ってから…

Rune Klevjer, "Virtuality and Depiction in Video Game Representation"

これはウォルトン使ってる分析美学ぽいやつ。絵画と彫刻のちがい、ただのインタラクティブ映像とモデルによる表象(バーチャル/シミュレーション)のちがい、VRとARのちがいなどに関心ある人向け / Rune Klevjer, "Virtuality and Depiction in Video Game …

Elisa Caldarola "Pictorial Representation and Abstract Pictures"

分析美学から考える抽象絵画、というような感じの博論 分析美学が抽象絵画をどのように扱っているのか、というのは前から気になっていて、以前Michael Newall ”Abstraction” - logical cypher scape2を読んだ これは博論で全部読むには長すぎるので、3章だけ…

Rafe McGregor "The Problem of Cinematic Imagination"

カリーとスクルートンの、映画鑑賞における想像の考え方を比較している ロペスとウォルトンも出てくるが 特別面白い話をしているわけではないのだが、まあ整理としては読みやすい というか、英語が読みやすい英語だった気がする https://contempaesthetics.o…

R.Hopkins ”Depiction"

映画の哲学の教科書の中にある、描写についての章(第6章) The Routledge Companion to Philosophy and Film (Routledge Philosophy Companions) Moving and still depictions What is depiction? Seeing film as pictures What do we see in film? The uni…

エティエンヌ・スーリオ「映画的世界とその特徴」

美学者スーリオによる、映画が作り出す「映画的世界」について 『映画理論集成』に収録されているものを読んだ。スーリオの著作『映画的世界』(1953)の第一章にあたるもの、ということらしい。 エクリヲvol.11 - logical cypher scape2を読んだ際に、「映画…

石田尚子「フィクションの鑑賞行為における認知の問題」

teapot.lib.ocha.ac.jp いま気づいたんですが、石田尚子さんの博論全文がお茶の水女子大学のリポジトリに上がってますね。「フィクションの鑑賞行為における認知の問題」 https://t.co/iEXKkxporm— MORI Norihide / 森 功次 (@conchucame) 2020年1月27日 森…

エクリヲvol.11

ミュージックビデオ論とかは、気になっているジャンルだったのだが、全然分からない部分でもあったので、勉強になった 扱われているMVをほとんど知らないので、それをいつかちゃんと見なきゃいけないなあと思いつつ*1 ecrito.fever.jp 【特集 I 聴覚と視覚の…

『ユリイカ2019年12月号 特集=Vaporwave』

松下哲也「ビアズリーの挿絵はマンガの形式に影響をおよぼしたのか?」(『ユリイカ2019年3月臨時増刊号』) - logical cypher scape2の勢いで、こっちの号のユリイカもちらっと眺めた やはりこちらも主に松下さんの記事についてユリイカ 2019年12月号 特集=…

飯田隆『新哲学対話』

プラトンが書かなかったソクラテスの対話編、とでもいうか、まあ二次創作というか。 4本が収録されているが、例えばそのうちの「アガトン」は、『饗宴』のあとも残って話を続けていた4人の対話の記録、ということになっている。 ところで、フィルカルVol.4 N…

Derek Hodgson ”Seeing the 'Unseen': Fragmented Cues and the Implicit in Palaeolithic Art"

Derek Hodgson "The Visual Brain, Perception, and Depiction of Animals in Rock Art" - logical cypher scape2に引き続き、Hodgsonの認知考古学論文 暗黙的な知覚処理・記憶が旧石器時代の絵画には関わっているんだよ というか、プライミング効果を引き出…

Derek Hodgson "The Visual Brain, Perception, and Depiction of Animals in Rock Art"

認知考古学による洞窟壁画の研究について 描写の起源に関わるような話で、人類史的な起源でもあるし、どんな認知能力が基盤になったのかという意味での起源でもある。 筆者のHodgsonは考古学者であるが、神経科学・知覚心理学・進化心理学などの知見を取り込…

ある画像が何を描いているのか

また視覚認識の話をしているのに、後天的な要因と文化的な要因をあまり区別しない説明をしているのも気にかかる。視覚に関しては奥行きの認識のように、幼少期に物をみたり触ったりする体験により獲得するため、後天的ではあるが文化的ではない要素がかなり…

Michael Newall ”Abstraction”

Michael Newallの”What is a Picture? Depiction, Realism, Abstraction”の中の8章「Abstraction」のみを読んだ。 分析美学で抽象絵画について論じているもの、何かないかなーと色々ググっているうちに辿り着いた奴 本全体でどういう話しているのかはよく知…

発表内行為?

追記(20190806) twitterで色々書いたので追記 長い上に、色々紆余曲折するので、結論としては最後に引用しているakadaさんの見てくださいこの記事だけだとうまく伝わっていないだろうけど、自分が何にそんなに引っかかっているのか改めて気付いたこととし…

エリック・R・カンデル『なぜ脳はアートがわかるのか―現代美術史から学ぶ脳科学入門』

神経科学の大家であるカンデルが、主に抽象絵画を対象に、芸術と神経科学を結びつけて論じている本。 なお、カンデルは、美術と神経科学について他にも著作がある。もともと、記憶や学習について研究しており、それでノーベル賞も受賞しているが、芸術との関…

Bence Nanay『知覚の哲学としての美学 Aesthetics as Philosophy of Perception』3章

知覚の哲学と美学の両方を専門とするナナイによる美学の本 知覚の哲学に出てくる概念(主に「注意」概念)を用いていくつか美学の問題に取り組むもの 全部で8章構成になっており、今回は3章「画像Pictures」について 画像の三面性について論じられている。 …

Bence Nanay『知覚の哲学としての美学 Aesthetics as Philosophy of Perception』1・2章

知覚の哲学と美学の両方を専門とするナナイによる美学の本 知覚の哲学に出てくる概念(主に「注意」概念)を用いていくつか美学の問題に取り組むもの ナナイについては、これまで描写に関する論文をいくつか読んで、わりと面白いなと思ったので、著作も読も…

Stephen Chadwick「星々の中の想像――芸術的天文写真における想像の役割」

Stephen Chadwick Imagination in the Stars: The Role of the Imagination in Artistic Astronomical Photography https://www.contempaesthetics.org/newvolume/pages/article.php?articleID=770Representation and Transparency in Artistic Astronomical…

Milena Ivanova「科学の美的価値」

原題は、Aesthetic Values in Science 科学において、「この理論は美しい」とかいった形で、美や美的価値に言及されることがあるけれど、これは科学においてどういう役割を果たしているのか、という論文 筆者は、科学哲学が専門で、ケンブリッジ大学所属 以…

セオドア・グレイシック(源河亨・木下頌子訳)『音楽の哲学入門』

タイトルにある通り、音楽の哲学についての入門。ラウトレッジ社のThe Thinking in Actionシリーズの一冊で、原著タイトルはOn Musicであり、同シリーズには、ジジェク『信じるということ』、ドレイファス『インターネットについて』、キャロル『批評につい…

分析美学アンソロジー新旧比較つづき

sakstyle.hatenadiary.jp著者の比較であげたリストを少し作り直し。 それぞれの論文の発表年を入れた表にしてみる 新旧両方 旧のみ 新のみ Peter Lamarque 1995, 1981, 1990 2006, 2009 Malcom Budd 1995, 1993, 1996 2004 Kendall L. Walton 1970, 1978 197…

分析美学アンソロジー新旧比較

"Aesthetics and the Philosophy of Art: The Analytic Tradition: An Anthology"という分析美学の論文集があるのだが、これの2nd Editionが出ており、結構、論文が入れ替わっているということを先ほど知ったので、新旧比較してみた。 15年ぶりの改訂っぽ…

松永伸司『ビデオゲームの美学』

ビデオゲームは一体いかなるナラデハ特徴を持っているのかを、記号の意味作用という観点に着目して明らかにしようとする本 これは名著 様々な論点が丁寧に整理され、読者が気に掛かるであろう点にはきちんと補助線が引かれ、踏み込む必要のない議論では中立…

科学基礎論学会ワークショップ「芸術における感情表現」

ワークショップ「芸術における感情表現」 オーガナイザ:源河 亨 http://phsc.jp/dat/rsm/20181024_05.pdf 源河 亨 - 「作者の感情表出と鑑賞者への感情喚起」 http://phsc.jp/dat/rsm/20181024_06.pdf 松永 伸司 - 「例示としての表出:ネルソン・グッドマ…

西村清和『感情の哲学』

美学研究者として著名な筆者による、「感情の哲学」論。サブタイトルに「分析哲学と現象学」とあるが、分析哲学的な感情についての議論の陥りがちな陥穽を指摘している。その陥穽に現象学をパッチしている、ようなところもあるが、現象学よりも分析哲学側の…

ドミニク・ロペス『画像を理解する』

Dominic Lopes "Understanding Pictures" ドミニク・ロペスによる描写の哲学の入門書 同じテーマのものとして過去に読んだものは ジョン・カルヴィッキ『イメージ』(John V. KULVICKI "Images")前半(1〜5章) - logical cypher scape ジョン・カルヴィ…

ケンダル・ウォルトン「表象は記号か」

Kendall L.Walton Are Representations Symbols? 美学論文アンソロ(ラマルク+オルセン編『美学と芸術の哲学:分析的伝統:アンソロジー』 - logical cypher scape)から 1974年に書かれた論文 表象のコアは指示ではない、ということを主張している。 なお…

『新潮2018年7月号』

新潮 2018年 07 月号出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2018/06/07メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る佐々木敦の「これは小説ではない」において、キャロル『批評について』が言及されていると聞いたので、読んでみた。 『批評について』未読だ…