最近読んでた美学関係のことについて

たまたま目についたもので自分が読めそうなものを読んでいる、というところがあって、全然体系だった勉強になっておらず、正直、勉強としてはあんまりうまくいってないところもあるのだけど、自分がどういう方向をやりたいと思っていて、それでどういう論文を読んだのかという話
4月から生活スタイルが変わり、読書量が減ることが予想されるので、その前に駆け込みで慌てて読んでたというところもある。

【テーマ1】「画像的ないし映像的フィクションの非物語世界について」

やはり、主な関心は画像的ないし映像的フィクションにあるのだが、それをやるのに、フィクションの哲学よりは描写の哲学の方もやらないとなと思うようになった。のは『フィクションは重なり合う』で積み残した課題がそこらへんにありそうだから。
分離された虚構的世界と視覚的修辞 - logical cypher scape2で書いた話とか
あと、【告知】『PRANK! Vol.6 特集:日本アニメの新世紀』に寄稿しました! - logical cypher scape2で書いたあたりの話とか


で、まずは(?)ちょっと抽象絵画のことをどう捉えるのか、調べてみたかった
抽象絵画自体が好き、というのも大いにあるが、OPやEDあるいはそうでなくても、物語に関わらない虚構には、抽象的というか何を表しているのかわからない記号のような絵が出てくることもあるのではないか、ということ(上で論じた渦巻きのような)
Michael Newall ”Abstraction” - logical cypher scape2
Elisa Caldarola "Pictorial Representation and Abstract Pictures" - logical cypher scape2


それから、OPやEDについて考えるなら、MVについてもだろう、と
エクリヲvol.11 - logical cypher scape2
で、スーリオをほんのちょっとだけ眺める
エティエンヌ・スーリオ「映画的世界とその特徴」 - logical cypher scape2


それから、映画の哲学のあたりからいくつか。あまり自分の関心意識と一致するわけでもなさそうだったが
R.Hopkins ”Depiction" - logical cypher scape2
Rafe McGregor "The Problem of Cinematic Imagination" - logical cypher scape2


あと、ちょっとズレるが、画像の起源を探る認知考古学的研究。
自分としては、画像や描写とは何か考えるためのヒントとして。
Derek Hodgson "The Visual Brain, Perception, and Depiction of Animals in Rock Art" - logical cypher scape2
Derek Hodgson ”Seeing the 'Unseen': Fragmented Cues and the Implicit in Palaeolithic Art" - logical cypher scape2

【テーマ2】「主に現代オタク文化に見られる様々なメイクビリーブ実践と虚構的真理の関係」

『フィルカルVol.2No.2』 - logical cypher scape2で書いた声優ライブとか、今後出る予定の『ガルラジ合同』で書いた聖地巡礼とか、まあその手の奴について。あるいは、二次創作とかも含めての話


James Harold "The Value of Fictional Worlds (or Why 'The Lord of the Rings' is Worth Reading)" - logical cypher scape2
Craig Derksen & Darren Hudson Hick "On Canon" - logical cypher scape2



ちょっとズレるが
Deena Skolnick and Paul Bloom ”The Intuitive Cosmology of Fictional Worlds" - logical cypher scape2


これはちょっと違う話
https://sakstyle.hatenadiary.jp/entry/2020/03/25/232837


話題としては、描写・画像の話に近いのだが、この中で使われていたプロップ概念の区別は、こっちのテーマでも使えるかもしれない。もちろん、画像・表象の話としても面白く、テーマ1にも無論関わる