科学的表象・科学の美学

マーティン・J・S・ラドウィック『太古の光景』(菅谷暁・訳)

サブタイトルは先史世界の初期絵画表現。原著タイトルは”Scenes from Deep Ttime: Early Pictorial Representation of the Prehistoric World” 19世紀のパレオアートについての科学史 「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」展 - logical cypher scape2の副…

「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」展

上野の森美術館にて行われたパレオアート展。 19世紀に描かれた黎明期の古生物復元画から、ナイトやブリアンの作品群、日本の恐竜関連古書やグッズのコレクターである田村博によるコレクション、さらに現役のアーティストらによる作品群などが展示され、恐竜…

『日経サイエンス2023年2月号』『Newton2023年2月号』

日経サイエンス2023年2月号 SCOPE 不要なシナプスを”食べて”整理 ADVANCES 軟組織が化石になるには 撮像の舞台裏 C. モスコウィッツ 小惑星リュウグウから火星のフォボスへ にくづきにくら 柞刈湯葉 データを駆使したクリミアの天使 ナイチンゲール RJ アン…

「パレオアート小史」(Mark Witton”The Palaeoartist's Handbook”1章) 

最近、パレオアート(古生物復元画)について少しずつ本を読んだりしており、今回は、パレオアートの歴史について読んだ。 ”All Yesterdays: Unique and Speculative Views of Dinosaurs and Other Prehistoric Animals” - logical cypher scape2 Mark P Wit…

Regula Valérie Burri and Joseph Dumit "Social studies of scientific imaging and visualization"

STSにおける、科学の視覚的表象研究についての総説論文みたいな奴 http://www.kana-science.sakura.ne.jp/scientific-illustration/studies.html で紹介されていたので読んでみた。 科学哲学には一応慣れ親しんでいるつもりだが、STS読むのはこれが初めてだ…

巽孝之『恐竜のアメリカ』

恐竜アメリカ文学史。 以前、恐竜文学研究として南谷奉良「洞窟のなかの幻想の怪物―初期恐竜・古生物文学の形式と諸特徴」東雅夫・下楠昌哉編『幻想と怪奇の英文学4』 - logical cypher scape2を紹介したが、他にも恐竜文学研究をしているっぽい本を見つけ…

Nick Zangwill "Formal natural beauty"

以前、動物の美学について、Glenn Persons "The Aesthetic Value of Animals" - logical cypher scape2を読んだが、それに引き続いて動物の美学関連論文 上述のパーソンズ論文でも紹介されていた、ザングウィルの形式主義について ザングウィルは、そもそも…

Mark P Witton "Patterns in Palaeontology: Palaeoart – fossil fantasies or recreating lost reality?"

www.palaeontologyonline.com復元画について、どれだけ科学的に正確で、どれだけ画家の想像なのか、という論文 で、当たり前の話だが、色々な科学的根拠もあるけれど、もちろん分からない場所は想像で補うしかないのであり、単純に正しいのか想像なのかと言…

南谷奉良「洞窟のなかの幻想の怪物―初期恐竜・古生物文学の形式と諸特徴」東雅夫・下楠昌哉編『幻想と怪奇の英文学4』

恐竜・古生物学文学研究の論文 同じ著者による恐竜・古生物文学研究の記事としては、以下もある。 最近、福井県立大学に恐竜学部ができるというニュースがあった時に、とある古生物学者の方が、ぼくの考えるさいきょうの恐竜学部的な感じでこんなツイートを…

メタファーについて論文2つ

石田知子「「遺伝情報」はメタファーか」 www.jstage.jst.go.jp第18回日本科学哲学会石本賞は、石田知子さんの「「遺伝情報」はメタファーか」が受賞されました。素晴らしい。— Masashi Kasaki (@kasa12345) 2021年11月27日 このツイートを見て存在を知り、…

Glenn Persons "The Aesthetic Value of Animals"

動物の美学について論じた論文 動物を美的に鑑賞するのは不道徳なのかという問題に対して、機能美を鑑賞するのであれば不道徳ではないと論じる。 以前、青田麻未「動物の美的価値 : 擬人化と人間中心主義の関係から」を読んだ時に、主に紹介されていたもの …

Marco Tamborini "Technoscientific approach to deep time"

古生物学(歴史科学)の科学哲学論文 古生物学において、いかに被説明項たる現象がテクノロジーによって生産され、処理され、提示されているか。 テクノロジーと不可分であることを示す。 Derek D. Turner "Paleoaesthetics and the Practice of Paleontology(…

”All Yesterdays: Unique and Speculative Views of Dinosaurs and Other Prehistoric Animals”

筆者は、 Darren Naish、John Conway、 C.M. Kosemen 以前読んだDerek D. Turner "Paleoaesthetics and the Practice of Paleontology(美的古生物学と古生物学の実践)" - logical cypher scape2の参考文献に出てきていた本だったので、手に取った。 All Yest…

Derek D. Turner "Paleoaesthetics and the Practice of Paleontology(美的古生物学と古生物学の実践)"

古生物学の科学哲学の本で、その美的側面を強調している。 タイトルのPaleoaestheticsは、直訳するなら「古美学」になるだろうが、ここでPaleo-としているのは古生物学Paleontologyとかけているからであり、また、古生物学の美学、というよりは、古生物学の…

『日経サイエンス2019年12月号』

NewsScan●海外ウォッチ 卓上の重力波検出器 あなたも感じる「数学の美」 特集:真実と嘘と不確実性 物理学 物理学におけるリアリティー G.マッサー 数学 数学は発明か発見か K. ヒューストン=エドワーズ 神経科学 脳が「現実」を作り出す A. K. セス ネット…

Stephen Chadwick「星々の中の想像――芸術的天文写真における想像の役割」

Stephen Chadwick Imagination in the Stars: The Role of the Imagination in Artistic Astronomical Photography https://www.contempaesthetics.org/newvolume/pages/article.php?articleID=770Representation and Transparency in Artistic Astronomical…

Milena Ivanova「科学の美的価値」

原題は、Aesthetic Values in Science 科学において、「この理論は美しい」とかいった形で、美や美的価値に言及されることがあるけれど、これは科学においてどういう役割を果たしているのか、という論文 筆者は、科学哲学が専門で、ケンブリッジ大学所属 以…

三中信宏『思考の体系学』

サブタイトルは「分類と系統から見たダイアグラム論」 分類や系統を視覚的に表現するために用いられるダイアグラム、本書では特に系統樹に関して、その数学的な基礎と存在論的な基礎を示していく本 三中信宏『系統樹思考の世界』 - logical cypher scape2や…

マイケル・ワイスバーグ『科学とモデル――シミュレーションの哲学入門』(松王政浩 訳)

科学におけるモデルとは何か、ということについての科学哲学の本。 モデルの分類、モデルとは何であるのか、モデリング行為とはどのようなことをしているのか、といったことが主に論じられている。 具体例が豊富で、科学者が実際に何をやっているのかという…

『現代思想2017年8月臨時増刊号 総特集=恐竜』

『現代思想』で恐竜特集というのもかなり不思議な感じがするのだが、 大人向けで、恐竜初学者も対象にしつつ最新研究まである程度はフォローして、複数の専門家ないし周辺分野の書き手による論文集、というのは、おそらくあまり類例をみないのではないか、と…

『日経サイエンス2017年10月号』

特集:若冲の科学 若冲が描いた虫たちを語る 倉谷滋/橋本麻里 若冲を生んだ江戸の博物学 橋本麻里 謎のボヤジアン星 K.カルティエ/J.ライト 地衣類に見る共生の姿 E.ギース サイエンス考古学 オンデマンド 海外ウォッチ 顔認識のメカニズム 若冲、特に興味…

科学とイラストレーションについて

むかわ竜復元画 以前読んだ土屋健『ザ・パーフェクト』 - logical cypher scape2の中には、むかわ竜の復元画を描いた服部雅人についての章もあった。 小林からの依頼から、プレスリリースで使われるむかわ竜のイラストをどのように描いていったのか、メール…

SEP「科学におけるモデル」ほか

Models in Science (Stanford Encyclopedia of Philosophy) 部分的に眺めたので、その時に書いたメモを放っておく SEP「科学におけるモデル」 意味論 世界の一部(ターゲットシステム)についてのモデル 現象のモデル モデルってそもそもどういう種類の表象…

ネルソン・グッドマン『芸術の言語』(戸澤義夫・松永伸司訳)

待望の邦訳 原著についてはネルソン・グッドマン『Languages of Art』 - logical cypher scape2というか、超文フリにて新刊『筑波批評2013春』! - logical cypher scape2でレジュメをまとめたので、こちらの記事では内容まとめません。 ただまあ、やは…

『現代思想2017年3月臨時増刊号 総特集=知のトップランナー50人の美しいセオリー』

各分野の著名人・専門家50人に「お気に入りの、深遠で、エレガントで、美しいセオリーは何か?」に答えてもらう企画 もともと、『知のトップランナー149人の美しいセオリー』という海外の本があって、それの日本版というもの。元ネタの方は読んでない。 生物…

ロバート・P・クリース『世界でもっとも美しい10の科学実験』

古代から現代まで、物理学における「美しい」科学実験について紹介するとともに、科学実験における美についての哲学的エッセイがまとめられている本 筆者の専門は哲学・科学史で、『フィジックス・ワールド』誌でコラムを担当している。 ちなみに、訳は青木…

科学における美とは何か

といった大上段な問いに答える用意はないのだが、ロバート・P・クリース『世界でもっとも美しい10の科学実験』 - logical cypher scape2と『現代思想2017年3月臨時増刊号 総特集=知のトップランナー50人の美しいセオリー』 - logical cypher scape2とを連…

橋本毅彦『図説科学史入門』

図とトピックごとにまとめられた科学史。 天文、気象、地質、動植物、人体、生命科学、分子・原子・素粒子の7つのテーマごとに章立てされており、それぞれの章ごとにおおむね時代順にトピックが並べられている。 1つのトピックにつき、おおよそ1つの図・写真…

ジョン・カルヴィッキ『イメージ』(John V. KULVICKI "Images")後半(6〜9章)

イメージの哲学の教科書 ROUTLEDGEのNew Problems of Philosophyというシリーズの一冊 全部で9章構成で、大きく前半と後半に分けられる。 前半については、ジョン・カルヴィッキ『イメージ』(John V. KULVICKI "Images")前半(1〜5章) - logical cyphe…