世紀転換期・戦間期
最近ちらほら読むようになった「もっと知りたい」シリーズ 筆者の長尾天については、以前長尾天『イヴ・タンギー―アーチの増殖』 - logical cypher scape2を読んだことがあったが、その後、キリコについても著作を出していたようだ。今、上の記事を確認した…
都美術館にて。 キリコというとシュールレアリスムの先駆け的存在であり、昨年あった「パリポンピドゥセンター キュビスム展 美の革命」 - logical cypher scape2とあわせれば、20世紀美術の二大潮流が押さえられるのでは、と思ったりして、見に行こうと思っ…
昨年末に以下のようなことを書いた。 『軍靴のバルツァー』からの『リラと戦禍の風』、あるいはキュビスム展の流れで、第一次世界大戦前後が気になり始めている。 というか、もともと戦間期の文化史は興味があって、なので大正史も読んでて面白かったなあと…
サブタイトルに「1920年代・アメリカ」とある通り、1920年代のアメリカを振り返った社会史。 執筆されたのは1931年で、まさについ昨日の出来事、として語られているのだが、歴史書としての距離感もありつつ、筆者のアレンは元は雑誌編集者なので、読み物…
引き続き、中公の『哲学の歴史』 いわゆる大陸系哲学あるいは現象学の潮流に位置する人たちで、また、戦後の人たちも一部含むが、概ね20世紀前半から戦間期に活躍していた人たちが中心となっている巻 知っているようで知らない人たちで、「へえそういうこと…
中公の『哲学の歴史』!! 本についての話をする前に個人的な話をするが、これは、自分が学生だった頃に発刊されたシリーズで、なんかすごいの出たなあと思っていた。その後も近くの図書館で見かけたりして*1「いつか読むぞ!」「いつ読むんだ?」というのを…
20世紀のデザイン史について、19世紀後半のアーツ・アンド・クラフツ運動から戦後の消費社会まで辿る本 元々、マシン・エイジやアメリカのインダストリアル・デザインについての何かを読みたいと思って探していて見つけた本だった。もとより、タイトルや目次…
1883年~1995年までの、欧米の哲学・思想・文学・芸術を編年体で綴った本。 「世紀転換期・戦間期について読む(哲学思想篇)*1」の一環として手に取った本なのだが、タイトルと目次(あとはAmazonの該当ページとか)だけ見て図書館で予約した本なので、実際…
第一次世界大戦がヨーロッパの若い世代の作家などに与えた精神的影響についての本 本の惹句としては「20世紀精神史の試み」とある。 どういうのであれば思想史で、どういうのであれば精神史なのか、自分にはよく分からないが、まあそういうジャンルの本で、…
タイトルは「マッハとニーチェ」だが、基本的にはマッハの思想とその影響について 『大航海』での連載をもとにした本。 「世紀転換期」という言葉知らなかったけど、使い勝手よさそう マッハについては、原子論をめぐってボルツマンと対立し、アインシュタイ…
タイトルにある通りヴァイマル共和国についての本だが、林健太郎『ワイマル共和国』 - logical cypher scape2が政治史で1冊であったのに対して、同様の内容がこちらでは全6章のうち前半の3章くらいに圧縮されている。 後半では、政治思想、宗教、教育、学…
ブルームズベリー・グループについては名前だけはなんとなく知っていたけれど、しかし、どういう人たちなのかよく知らなかったので。 20代の前半くらいに仲良くしていた友人グループで、30代過ぎてからみんなそれぞれの分野で有名になっていった、という感じ…
スペイン内戦の通史 最近、大戦間期の歴史の本をいくつか読んでいる。当初は「ベル・エポックから1920年代、パリ、ウィーン、ベルリンないしヴァイマル共和国、ニューヨーク、ロンドンあたりの、美術・芸術、大衆文化、社会主義、哲学・思想についての概観を…
大戦間期のイギリスを覆っていた「悲観主義」についての本 第一次世界大戦の衝撃を受けて、次なる戦争への不安が共有されていた時代であり、西洋文明が終わりを迎えるのではないかという悲観主義に覆われていた、と。 歴史学、経済学、生物学(優生学)、心…
常松洋『大衆消費社会の登場』 - logical cypher scape2は、戦間期アメリカの文化を考えるうえで、そのベースとなる社会構造などについて知れるよい本だったが、文化そのものについては手薄だったので、なんかいい本ないかなーと探しているのだが、それはそ…
19世紀後半から1920年代頃までのアメリカにおける、大衆消費社会の成立について 1920年代頃に、現代まで続く形の社会や文化が成立したといわれるが、それがよく分かる(およそ100年たっていて、また転換期にあるのかな、という気もするが)。 企業活動の再編…
イタリア戦間期の文化(文学・美術・音楽・映画・建築)をファシズムとの関係から見ていく本 イタリア戦間期の文化、断片的に何人か名前を聞いたことある程度だったので、概観するために読んだ。ネオレアリズモがファシスト政権時代に萌芽があったとか勉強に…
1909年から1929年にかけてパリで席巻したロシアのバレエ団「バレエ・リュス」について、舞台芸術のカラー図版を大量に交えて紹介する本。 バレエ・リュスについては、ピカソが舞台美術を描いていた、ということくらいは知っていたのが、逆に言うとそれ以上の…
海野弘『アール・デコの時代』 - logical cypher scape2に引き続き、海野弘本。 20世紀に開催された万博のうち10の万博を紹介している。 それらは、第二次大戦後のブリュッセルと大阪を除くと、パリかアメリカで開催されたものとなる。 元々筆者は、アール・…
1920年代のアール・デコと総称される芸術・文化・生活スタイルについて 最近、20世紀前半の文化史等についていくつか本を読んでいるが、このテーマの本を探していると、海野弘の本にあたることが多い。 ただし、アカデミックな研究者というわけではないので…
タイトル通り、ワイマル共和国14年の歴史についての本 1963年刊行の本だが、分かりやすくて読みやすい本であった。とりあえず、ワイマル共和国史について最初に読むにはよさそうな本であった。 というか、なんでパウル・フレーリヒ『ローザ・ルクセンブル…
ローザ・ルクセンブルクの評伝 上田早夕里『リラと戦禍の風』 - logical cypher scape2で参考文献としてあがっていて、検索してみたら図書館に置いてあったので。 ほんとはもっと軽めの本を読みたかったので、思いのほか分厚いかつ二段組でひるんでしまった…
タイトルにあるとおり、19世紀後半のベルエポック期から、狂乱の時代とも呼ばれる1920年代までの、パリのサロンにおける芸術家たちの人間模様について書かれた本。 クラシック音楽にはあまり知識や関心がなかったので、「パリの音楽サロン」についても事前に…
ベル・エポック期から大戦間期の歴史を勉強するぞシリーズとして、この前、福井憲彦『世紀末とベル・エポックの文化』 - logical cypher scape2を読んだので、今度はもう少し具体的な都市に着目した本を読もうと思って、世紀末ウィーンへ。 世紀末ウィーンと…
本書については、以前も読んだことがある(筒井清忠編『大正史講義』 - logical cypher scape2)。その際、興味のある章を拾い読みしただけだった。木村靖二『第一次世界大戦』 - logical cypher scape2を読んだので、そういえば、『大正史講義』の第一次世…
第一次世界大戦全体の流れを新書一冊にまとめた本。 『軍靴のバルツァー』*1や上田早夕里『リラと戦禍の風』 - logical cypher scape2を読んで、第一次世界大戦が気になっていたので。なお、この本は『リラと戦禍の風』の参考文献として挙げられていた。 第…
19世紀末から20世紀初頭にかけてのヨーロッパの文化について 山川からでている「世界史リブレット」シリーズの中の1冊で、全部で100ページほどの小冊子である。そのため、内容的にはそこまで深く論じられているわけではないが、学術・文化にかんして概観でき…
1994年に愛知県美術館(宮城県美術館、世田谷美術館)で開催されたクプカ展の図録 「ABSTRACTION抽象絵画の覚醒と展開」展 - logical cypher scape2と「パリポンピドゥセンター キュビスム展 美の革命」 - logical cypher scape2とでクプカの作品を見て、興…
キュビスム展にいった際に思わず購入 表紙、出版日からして、キュビスム展にあわせて企画された本なのではないかと思う。キュビスム展の復習になりつつ、キュビスム展には(い)なかった画家やトピックも含まれており、よかった。 キュビスムというとピカソ…
西美にて キュビスムというと以前はピカソとブラックしか知らなかったが、「ABSTRACTION抽象絵画の覚醒と展開」展 - logical cypher scape2や井口壽乃・田中正之・村上博哉『西洋美術の歴史〈8〉20世紀―越境する現代美術』 - logical cypher scape2でキュ…