2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

マリオ・バルガス=リョサ『楽園への道』(田村さと子・訳)

19世紀フランスで女性解放活動家として労働組合結成を呼びかけたフローラ・トリスタンと、その孫でポスト印象派の画家であるポール・ゴーギャンの半生をそれぞれ描いた歴史小説。 リョサはマリオ・バルガス=リョサ『世界終末戦争』(旦敬介訳) - logical cyp…

デイヴィッド・クォメン『生命の〈系統樹〉はからみあう』(的場知之・訳)

カール・ウーズを主人公に据えて、アーキアの発見と3ドメイン説および遺伝の水平伝播説について、科学者たちの人間模様のドラマも織り交ぜた科学史なしいドキュメンタリーの本 サブタイトルは「ゲノムに刻まれた全く新しい進化史」で、原題はThe Tangled Tre…

『日経サイエンス2023年6月号』『Newton2023年6月号』

日経サイエンス2023年6月号 [雑誌]日経サイエンスAmazon 量子コンピューター 日本の初号機が稼働 古田彩 理研(和光市)の量子コンピュータ だが量子ビットは極めて繊細で、加工はいまだ手探りだ。設計からずれることもあり、個体差も大きい。そのため狙った…

ディーノ・ブッツァーティ『タタール人の砂漠』(脇功・訳)

士官学校を出た主人公が、辺境の砦に任官するところから始まり、定年で退官するまでを描き、いつか人生を意味づける瞬間が訪れると期待しながら、しかし、徒に時間が過ぎていくばかりの人生を描いた作品 先日から海外文学読むぞというのを個人的にやっている…

倉根啓「ゲームプレイはいかにして物語になるのか」

ビデオゲームにおいて提示される虚構的内容のうち、全てがそのゲームの物語を構成しているわけではないが、その関係はどうなっているのか、という内容の論文 マリオの命は3つあるのか問題 あるいは、RPGをやっていて、戦闘中に死んだとしても必ずしもそのゲ…