2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『現象学と二十一世紀の知』長滝祥司編著

現象学と分析哲学、現象学と認知科学、現象学と心理学、現象学と知覚論、現象学とロボティクス、現象学とフランス・ポストモダニズム、現象学とフェミニズム、現象学と社会科学、現象学と技術の哲学 現象学をそれ単体ではなく、様々な他の学との関わりの中に…

『不過視なものの世界』

『コンテンツの思想』でも『文学環境評論集』でもなく『不過視なものの世界』 今までずっと読み損ねていた東浩紀の対談集で、斎藤環、山形浩生、村上隆、法月綸太郎、山根信二、阿部和重との対談がそれぞれ収められている。 『存在論的、郵便的』『郵便的不…

未来のつくばエクスプレス(ギートステイト)

今、講談社のMouraで東浩紀と桜坂洋がギートステイトというものを連載している。 2045年の東京を舞台にした作品で、東が設定を、桜坂が小説を担当している。 基本的に読者は、ブログ形式で連載される桜坂の小説を読んでいくことになるのだけど、時々サブ…

『現代哲学の岐路』生松敬三・木田元

ここ最近、読みにくい本を連続で読んでいたので、ちょっとした休憩。 対談形式の現代哲学史入門。 サブタイトルに「理性の運命」とあるのだが、現代哲学、現代思想というのは近代という理性の時代を批判していくものであった。 この本は基本的に、「近代合理…

『フッサール』田島節夫

今まで、3冊連続で白水社文庫クセジュを読んで*1、ここに来て講談社学術文庫に変わったのだけど、圧倒的に後者の方が読みやすい。というのも、文庫クセジュを読んでいる途中に知ったのだが、文庫クセジュはフランスのクセジュ文庫を翻訳出版しているレーベ…

『ライプニッツ』ルネ・ブーヴレス

関東限定ですが、昨日のNHK*1に東浩紀が出ていました。偶々見てたら出てきたのでびっくりしました。だってNHKに東浩紀ですよ。「東京工業大学特任教授で批評家の東浩紀さん」と紹介されていましたが、これじゃあ一体何者なんだかって感じです。 番組内容は監…

『ベルクソン』ジャン=ルイ・ヴィエイヤール=バロン

ベルクソンはやはり重要な哲学者だ、ということと、ベルクソンにはこれ以上関わるのをやめようかな、ということの二つを感じた。 その方法論と思索の広さにおいて、学ぶべきところはあるように思えるが、その内容には必ずしも首肯しがたいものがある。 ベル…

『ニーチェ』ジャン・グラニエ

ほかの解説書も読みなさいと、永井均が言ったから読んでみたw しかし、読みにくかった、というのが大きな感想。 既存のニーチェ解釈に否を唱えようとしているのが、このグラニエという人なのかな、と思った。 特に前半部、ニーチェの生涯や著作について語る…

鬼界彰夫『ウィトゲンシュタインはこう考えた』

再読。 しかし、以前読んだときとは全然異なる。以前読んだときは「何だかよく分からないけれど、これが哲学という奴なのか」というのが主な感想だった。すごさを感じたし面白くもあったのだけど、何が書かれているのかほとんど分かっていなかった。 それっ…

永井均『これがニーチェだ』

とりあえずこの本で記されているニーチェは、あくまでも永井によるニーチェ解釈であることが何度か指摘されている。別にこれは当たり前のことで、世にある解説本というのは全てそういうものなのである。逆に、例えばこの本であればそこにあるのは、ニーチェ…

永井均『マンガは哲学する』

タイトルで想像されるとおり、マンガ作品を使って哲学的問題を考える、といったもの。 講談社SOPHIABOKKSとかいう全く聞いたことのないレーベルからでているのだが、この本以外のラインナップが怪しすぎるw*1 取り上げられているマンガは、藤子F不二雄*2、…

『現代思想2月臨時増刊ゲーデル』

ゲーデルというと不完全性定理ですが、それ以外にも色々とトピックがある人ですごいなあ。 ゲーデルの論文 が2本収録されているが未読。 訳・解題は、高橋昌一郎と飯田隆 エッセイ ゲーデルのもとで学んだことのある人の、ゲーデルについての思い出話 討議…

内井惣七『空間の謎・時間の謎』

オルタナティブな物理学史を描き出した一冊。 科学哲学と隣接する学問に科学史というものがあって、その科学史の研究成果の一つだと思う。 普通考えられている歴史観とはちょっと異なる歴史観を提示するという仕事。 歴史「観」を強く打ち出すので、歴史家で…

渚音楽祭春2007

朝から晩までお台場で踊りつづける音楽イベント。 10時から20時まで、トランスとかハウスとかその手の音楽がずっとかかっていて、その中を1万人以上の人たちが踊り狂う。 最後をのぞけば、非常によい天気で気持ちよかった。足の裏が痛いけど。 出演して…

『薔薇窓』帚木蓬生

直球でエンターテイメントの小説を読むのが久しぶりだったような気がする。 ミステリ、それもどちらかという社会派(謎解きのある本格と対比する意味で)。 そんなわけで話の筋とかはここでうだうだ解説するようなものではない。 1900年、第5回万博の開…

『トゥモロー・ワールド』

邦題がよくないなあ。 かといって、原題のChildren of men が優れたタイトルかというとそれも微妙だけど。 非常によく構築された作品だった。 見て損はしない。 この作品を言い表す言葉は二つ、「ファンタジー」と「静謐な緊張感」だと見ていて思った。 ファ…

鹿島田真希「ナンバーワン・コンストラクション」、島本理生「大きな熊が来る前におやすみ」など『新潮2006年1月号』

卒業して引っ越す先輩のもとから流れてきた、およそ1年前の『新潮』 その先輩も含めて、先輩方のmixi日記やblogを眺めていると、入社式という言葉をよく見かけるようになった。この前一緒に牛タン食べた先輩は、就職活動を始めた。 満開の桜を眺めたり、今…