2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『ナラティヴ・メディア研究』第5号

2015年11月に行われたマンガ研究フォーラム「マンガのナラトロジー ―マンガ研究における〈物語論(ナラトロジー)〉の意義と可能性」での発表論文が収録されたもの。 森本浩一が発表を行い、野田謙介、中田健太郎、三浦知志、三輪健太朗がコメンテーターとし…

ポンピドゥー・センター傑作展

東京都美術館 ポンピドゥー・センターは実は去年行ったのだが、一部改装中で、常設展のうち20世紀前半の方は全く見れなかったのだった。 この展覧会は、すでに広く宣伝されているように「1年1作家1作品」という形式で展示がなされている。 普通の展覧会とい…

『帰ってきたヒトラー』

アドルフ・ヒトラーが現代のドイツに突如タイムスリップしてきたら、という話 コメディだと思って笑って見ていたら後半になるにつれて笑えなくなってくる、という感じで話題になっていた作品だが、そういう評判を最初から知って見ていたせいか、最初からシリ…

小川哲『ユートロニカのこちら側』

企業による個人情報収集が著しく進んだ結果、少しずつ自由の概念が変わっていった世界を舞台にした連作短編集 第3回ハヤカワSFコンテスト大賞作品 アメリカを主な舞台にしているからなのか、どこか翻訳小説のような文体で書かれている。 SFではあるのだが、…

アレックス・メスーディ『文化進化論』

サブタイトルは「ダーウィン進化論は文化を説明できるか」 そのタイトル通り、進化論で文化を説明するという新しい学問分野について、一般向けに書かれた、分野全体を見通す本 「統合」がキーワードとして出てくる。日本語版序文では、「自然科学と社会科学…

冲方丁『マルドゥック・アノニマス1』

マルドゥック・アノニマス 1 (ハヤカワ文庫JA)作者: 冲方丁,寺田克也出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/03/24メディア: 文庫この商品を含むブログ (8件) を見るとりあえず、読んだという記録

ジョン・ヴァーリィ『へびつかい座ホットライン』

未来の太陽系を描く「八世界」シリーズの長編作品 同シリーズの短編集は読んだので、満を持して長編を手に取った。 発表順はよく知らないが、作品世界内の時間順序でいうと、この作品がシリーズ内では一番後の時代にあたる。 短編集とは雰囲気が違う感じなの…