科学哲学

Marco Tamborini "Technoscientific approach to deep time"

古生物学(歴史科学)の科学哲学論文 古生物学において、いかに被説明項たる現象がテクノロジーによって生産され、処理され、提示されているか。 テクノロジーと不可分であることを示す。 Derek D. Turner "Paleoaesthetics and the Practice of Paleontology(…

Derek D. Turner "Paleoaesthetics and the Practice of Paleontology(美的古生物学と古生物学の実践)"

古生物学の科学哲学の本で、その美的側面を強調している。 タイトルのPaleoaestheticsは、直訳するなら「古美学」になるだろうが、ここでPaleo-としているのは古生物学Paleontologyとかけているからであり、また、古生物学の美学、というよりは、古生物学の…

Milena Ivanova「科学の美的価値」

原題は、Aesthetic Values in Science 科学において、「この理論は美しい」とかいった形で、美や美的価値に言及されることがあるけれど、これは科学においてどういう役割を果たしているのか、という論文 筆者は、科学哲学が専門で、ケンブリッジ大学所属 以…

瀧澤弘和『現代経済学』(一部)

サブタイトルが「ゲーム理論・行動経済学・制度論」で、様々なサブジャンルに多様化した現代の経済学についての入門書となっている というわけで、個人的には、制度論に興味があったので、制度論の章だけとりあえず読もうかなーと思ったら、結構それ以外も面…

アストロバイオロジーの哲学

アストロバイオロジーの哲学、という分野があるらしいということを、以前、以下のシンポジウムで少し聞きかじったので、ちょっとググったりして見つけた論文を読んでみた。 軽く検索して見つけられて、pdfがそのままweb上で公開されていて、テーマ的に読みや…

科学基礎論学会シンポジウム「宇宙科学の哲学の可能性――宇宙探査の意義と課題を中心に」

6/16・17に千葉大で行われた科学基礎論学会のうち、16日のシンポジウムに参加してきた。 近年、宇宙科学・探査についての人文社会科学的アプローチが増えてきている。 全然フォローしきれているわけではないが、これまでこのブログで扱ったものとしては、以…

三中信宏『思考の体系学』

サブタイトルは「分類と系統から見たダイアグラム論」 分類や系統を視覚的に表現するために用いられるダイアグラム、本書では特に系統樹に関して、その数学的な基礎と存在論的な基礎を示していく本 三中信宏『系統樹思考の世界』 - logical cypher scapeや三…

マイケル・ワイスバーグ『科学とモデル――シミュレーションの哲学入門』(松王政浩 訳)

科学におけるモデルとは何か、ということについての科学哲学の本。 モデルの分類、モデルとは何であるのか、モデリング行為とはどのようなことをしているのか、といったことが主に論じられている。 具体例が豊富で、科学者が実際に何をやっているのかという…

『現代思想2017年12月臨時増刊号 総特集=分析哲学』

多岐にわたるトピックを扱っていて、普段あまり触れてないジャンルについても知ることができてよかった。 個人的には、倉田さんの社会存在論、井頭さんの自然主義、佐藤さんの倫理学あたりが特に、勉強になったなー面白いなーという感じだった。 今回、特徴…

美学会・科学基礎論学会・科学哲学会

10月から11月にかけて参加した学会 とりあえず、どの題目を聞いたくらいはメモっておくことにした 第68回美学会全国大会(@國學院大学) 大会プログラム 10/7 研究発表 松粼俊之(石巻専修大学) 表象的特性としての知覚的クオリアと美的クオリア―フレーゲ…

SEP「科学におけるモデル」ほか

Models in Science (Stanford Encyclopedia of Philosophy) 部分的に眺めたので、その時に書いたメモを放っておく SEP「科学におけるモデル」 意味論 世界の一部(ターゲットシステム)についてのモデル 現象のモデル モデルってそもそもどういう種類の表象…

ロバート・P・クリース『世界でもっとも美しい10の科学実験』

古代から現代まで、物理学における「美しい」科学実験について紹介するとともに、科学実験における美についての哲学的エッセイがまとめられている本 筆者の専門は哲学・科学史で、『フィジックス・ワールド』誌でコラムを担当している。 ちなみに、訳は青木…

科学における美とは何か

といった大上段な問いに答える用意はないのだが、ロバート・P・クリース『世界でもっとも美しい10の科学実験』 - logical cypher scapeと『現代思想2017年3月臨時増刊号 総特集=知のトップランナー50人の美しいセオリー』 - logical cypher scapeとを連続…

森元良太・田中泉吏『生物学の哲学入門』

哲学的観点から、主に進化論・進化の総合説を主軸に生物学史を追っていくような形の教科書 普通に生物学の勉強になった。 これ、もちろん明らかに「生物学の哲学」の本だと思うし、読んでいて結構「哲学者っぽい書き方だな」と感じるところはあるんだけれど…

「宇宙倫理学研究会: 宇宙倫理学の現状と展望」

JAXA Repository / AIREX: 宇宙倫理学研究会: 宇宙倫理学の現状と展望 筆者は、呉羽真、伊勢田哲治、磯部洋明、稲葉振一郎、岡本慎平、神崎宣次、清水雄也、水谷雅彦、吉沢文武、 海外の研究と国内の研究がざっとまとめられていてよかった。宇宙倫理学と一言…

ラプラス『確率の哲学的試論』(内井惣七訳)

最近、科学哲学の本を読んでいて、やはり確率大事だなと思ったのと、戸田山『哲学入門』の参考文献で、訳者解説が確率の哲学入門となっていると紹介されていたので、読んだ。 ラプラスの書いた本編が160ページくらい、訳者解説が70ページくらいあるので、訳…

N.R.ハンソン『科学的発見のパターン』

ハンソンというと、観察の理論負荷性であり、この本でもそれについて扱っているわけだが、逆に言うとそれしか知らなかった。 科学哲学の入門書とか教科書とかを読めば、必ず名前が出てくるけれど、クワイン=デュエムのテーゼとクーンのパラダイム転換との間…

アレックス・ローゼンバーグ『科学哲学』

科学哲学はやはり面白いなあ 科学哲学の面白さは、問題意識が哲学の中では比較的分かりやすい点にあるのではないか。 分析哲学の入門書を読むと、普通は、フレーゲの明けの明星と宵の明星がどうの、という話から始まる。あれは面白いけれど、最初に突然読ま…

エリオット・ソーバー『過去を復元する』三中信宏訳

難しかったので、途中で読むのを断念した……orz サブタイトルは「最節約原理,進化論,推論」 生物学哲学の本だが、科学哲学、生物体系学、統計学がある程度分かっていることが前提で、統計学の話がばかすか出てきたあたりで挫折 この本は、生物体系学の論争…

内井惣七『空間の謎・時間の謎』

Ucci Leipuccini, Monadology, Information, and Physics - Togetterを読んで、内井惣七がまたライプニッツの本を準備していると知ったので、再読してみた。 件のtogetterでは、ライプニッツの情報理論的な側面の話をしているが、本書では最後に、情報理論に…

中山康雄『科学哲学』

「ブックガイドシリーズ基本の30冊」というシリーズの中の一冊。 その名の通り、30冊の本についての紹介がなされている。 1つの本につき大体6ページくらいなので、それぞれにつきそれほど詳細に論じられているわけではないけれど、要約に終わらず、著…

エリオット・ソーバー『進化論の射程』

三中さんの本で紹介されていた本で、ようやく読めた*1。 日本語サブタイトルは「生物学の哲学入門」、原著タイトルはそのものずばり“Philosophy of Biology”である。 では、生物学の哲学とは何か。まあ、何かと問われてはっきりとした答えが出せるものでもな…

ラリー・ラウダン『科学と価値』

日本語版のサブタイトルに「相対主義と実在論を論駁する」とある通り、科学哲学における二つの極端な(?)考えを批判していく中で、ラウダン*1の網状モデルという科学哲学が展開されている(解説で戸田山さんが述べているが、「網状モデル」というより「三…

イアン・ハッキング『偶然を飼いならす』

ハッキング二冊目。 統計にまつわる科学史。 面白い章も色々あったのだけど、一方で統計がよく分かっていないとよく分からない部分も多かった。統計について解説してくれるかと思ったら、統計や確率の概念についての説明はほとんどなくて、統計や確率といっ…

三中信宏『分類思考の世界』

生物学哲学の大問題である「種」を巡って、その博覧強記をもって様々なエピソードから描き出した一冊。 というわけで、これは紛うことなき科学哲学の本であり、実際著者も何度も形而上学という言葉を使っているのだけど、哲学という言葉を聞いてこういったも…

内井惣七『ダーウィンの思想』

ダーウィンが如何にして進化論を考えるに至ったのか、ということがまとめられている。 進化論そのものの解説としてもコンパクトにまとまっているけれど、それが実際にダーウィンがどのように考えていったのかがわかる。 まずはビーグル号の話と、地質学者ラ…

内井惣七『進化論と倫理』

上とあわせて、今日は進化論漬け。 それにしても、ダーウィンはすごいなあと思う。 20世紀の天才はアインシュタインだとして、19世紀の天才は間違いなくダーウィン。 進化論は、ダーウィン以後様々に改訂されてきたし、そもそもダーウィンは分子生物学は…

イアン・ハッキング『表現と介入』

科学的実在論を扱った、科学哲学の本。 タイトルにあるとおり、本書は大きく分けて、表現についてと介入について扱っている。 この場合、表現というのは、科学の理論のことであり、介入というのは、実験や観察や測定のことである。 従来、哲学者があまり注目…

『科学哲学』サミール・オカーシャ

岩波から出ている「1冊でわかる」シリーズの新刊。 「1冊でわかる」というタイトルに名前負けせず、科学哲学が一体どういう営みであるかということが、コンパクトにまとめられている。 過度に抽象的にならず、具体的な例が適宜用いられているし、また何故…

野家啓一『増補科学の解釈学』

論文集なので、章ごとの独立性が結構高いけれども、大きくは3つの部分に分けられている。 すなわち 第一部科学哲学の構造転換 第二部「知識の全体論」をめぐって 第三部ウィトゲンシュタインの問題圏 である。 第一部 新科学哲学、すなわち、論理実証主義的…