2011-01-01から1年間の記事一覧

メモ(新書3冊・スペイン関係)

読んだという記録に。ガウディ:建築家の見た夢 (「知の再発見」双書)作者: フィリップティエボー,千足伸行,Philippe Thi´ebaut,遠藤ゆかり出版社/メーカー: 創元社発売日: 2003/03/01メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 10回この商品を含むブログ (…

鹿島田真希『ゼロの王国』

気付けば出版されたから2年も経っていたのか。久しぶりといえば久しぶりに読む鹿島田真希だが、一気にぐいぐいと読めて面白かった。 あまりにも無邪気で無垢なゆえに、出会う人全てを愛し、出会う人全てから愛される吉田青年の、愚かしい恋の物語。 聖なる愚…

『ゴッドファーザー』

恥ずかしながら未見だったのだが、「午前10時の映画祭」でやっていたので見​に行った。 とても面白かった! 劇場が明るくなったときに思わず「あー面白かった」と漏らすくらい あらすじ マーロン・ブランド演じるドン・コルレオーネの娘の結婚式から始まる。…

八木沢敬『分析哲学入門』

『名指しと必然性』の訳者による、初めての日本語による著書。 トピック毎に分かれた章立てになっているが、特に従来の分析哲学入門と比べると*1、クリプキに割かれている部分が多いのが特徴的ではないかと思う。 かなり八木沢流に噛み砕いて書かれている感…

『シリーズ心の哲学3 翻訳編』

超長いこと、積ん読になってた本。 しかも何故か1と2は読んでないのに3だけ持っていたという謎具合。 5つの論文が収録されていて、そのうち1番目に入っていたキム論文が難解だったため(後述するが訳語が悪い)、挫折していた。どうせ、論文集なのだから…

ジェグォン・キム『物理世界のなかの心』

サブタイトルは「心身問題と心的因果」 徹底した物理主義の立場から書かれた心の哲学の本。 実を言えば、心の哲学の中でも心的因果の話はいまいちピンとこないままだったのだが、今更ながら、おー、そういうことなのか、と思ったりw スーパーヴィーニエンス…

渡辺零『超電磁砲×虐殺器官』vol.1

タイトルで分かるかと思うが、二次創作同人小説。自分としては初めて手を出すジャンルだし、あと同人系でこれだけ長いの読んだのも初めてかも。 超電磁砲×虐殺器官 Vol.1 - 渡辺書房 | 同人誌通販のアリスブックス 上のリンクから表紙画像を見てもらうと分か…

『ミッション:8ミニッツ』

原題をそのままカタカナにしました系タイトルに見えて、実は日本でつけられたタイトル(原題はSourceCode)。まあその手の訳はよくある話なので、今さらあーだこーだいうもんじゃないかもしれないけど、ちょっと気になった。 よくできたSFエンターテイメン…

『三銃士 王妃の首飾りとダヴィンチの飛行船』

3Dで見た。3Dを見るのは2度目だと思う。またXpanD方式で見た。XpanDはメガネ重いし、画面暗くなるのでちょっと嫌だなあと思うところもあるのだけど、これよりもグレードの高い3DってIMAXくらいなのか、もしかして? あんまり3Dがかかってないような…

中山康雄『科学哲学』

「ブックガイドシリーズ基本の30冊」というシリーズの中の一冊。 その名の通り、30冊の本についての紹介がなされている。 1つの本につき大体6ページくらいなので、それぞれにつきそれほど詳細に論じられているわけではないけれど、要約に終わらず、著…

『ウィトゲンシュタイン』

KAWADE道の手帖シリーズ。 鬼界彰夫、永井均、飯田隆、岡本賢吾による「レクチャー」、野家啓一のエッセイ、戸田山和久、大家雄裕、田中久美子、小山明、前田泰樹、山田啓一による論考、著作解題、さらに、大森荘蔵、藤本隆志、坂井秀寿、奥雅博がかつて書い…

瀬名秀明『希望』

文フリの前に読み終わっていたので、もうずいぶん経ってしまった。 何故か知らないが、瀬名秀明の小説についてブログで書くときは、わりといつも時間がないとか何とかであんまりちゃんと書けていない気がする。今回もまたそんな感じになってしまった。 とい…

読んだ本の感想とか書いていくよー(4)

第13回文学フリマで買った本の感想と言うかメモ 『floating view 郊外から生まれるアート』 floating view展という、今年の2月から3月にかけて行われていたアート展についての評論集。 藤田直哉、渡邉大輔両氏も、作家としてこの企画に参加しており、行…

読んだ本の感想とか書いていくよー(3)

第13回文学フリマで買った本の感想。 こっからは、批評以外 「ランド・オブ・クリステン・スチュワート」 urza358こと森悠輔による小説。 自分にはこれをうまく解題したり批評したりすることはできないけれど、面白かった。どうしてなのかよく分からないが…

読んだ本の感想とか書いていくよー(2)

なんとなく分けてみた。 第13回文学フリマで買った本についての感想をまとまりもなくバラバラと書いていく。 『アニメルカvol.4』 まずは、背景アニメ鼎談から。 背景と移動の話(ハルヒ論)。ポニョの話。震災の話など。最後、震災の話のあたりではるをさん…

読んだ本の感想とか書いていくよー(1)

第13回文学フリマ、お疲れ様でした。 といって、もう一週間経っているので、当日のことについて書くよりも、読んだ本の感想を書いていきたいと思う。 ところで、前回は全く感想が書けておらず、本も結構読み残しがあったので、今回の文フリの前に読んでいた…

『筑波批評2011秋』告知

いよいよ、あと一週間後に文フリだよー! なんと10周年! 振り返ってみると自分も2007年から参加しているから、5周年なんだろうか。 今回、自分は、空想都市へ行こう! – 地理人がいざなう、空想地図の世界へようこそ。で、空想都市の地図を描いてい…

グレッグ・イーガン『プランク・ダイブ』

イーガンといえばアイデンティティSFといったイメージがあるが、訳者あとがきや解説にもハードSF寄りの短編集とあるように、むしろ数学や物理学をテーマとした、あるいは宇宙を舞台にしたSFが多い短編集だった。もちろん、今まで刊行されたイーガン作…

斎藤環『キャラクター精神分析』

これまで出てきたキャラクター論のまとめをしつつ、斎藤環なりのキャラクターの定義を提案している本。 個人的に、斎藤環のキャラクター論というのは以前から気に入っていて、この本も面白く読んだ。 斎藤環の文章というのは、そこかしこにラカン派の言葉が…

音楽の哲学シンポジウム

この三連休のあいだ行われている応用哲学会の1日目において開かれた、音楽の哲学シンポジウムに行ってきた。 哲学者、美学者に加えて、フルート奏者と作曲家を交えた、哲学のシンポジウムとしては異例のメンツによるちょっと実験的な企画であった。 最初は…

京都国際マンガミュージアム

行ってきたので、印象に残ったことをいくつか まず、館内を回っていて一番印象に残ったのは、老若男女人種問わず、館内のそこら中でみんなマンガを読んでいるということ。外に広がる芝生に面したテラスでも、思い思いにみんなマンガを広げている。その風景が…

大和田俊之『アメリカ音楽史』

僕の周辺で覇権*1とまで呼ばれていた本をようやく読んだ。 その名の通り、アメリカ音楽の歴史の本であるが、いわゆる大文字のHistoryを解体し、様々な伏線を通してhistoriesを見出していくタイプの研究。自分が大学の時に受けていた授業には、これと似たよう…

【初音ミク】 Just route!! 【オリジナル曲】/【初音ミク】Animistic Prayer【オリジナル】

id:ja_bra_af_cuさんの真似をして、ボカロ曲レビューなんぞをしてみようかなという企画 レヴュー: 【VY1】サイバーサンダーサイダー 【オリジナル曲】 - Jablogy 【猫村いろは】胡蝶のミメシス【オリジナル曲PV付】 - Jablogy ボカロクリティーク界隈で各論…

村上裕一『ゴーストの条件』

ゼロアカ道場優勝者である村上裕一によるデビュー作。 これで長きにわたったゼロアカ道場企画も本当に終結したと言える。 キャラクターというものが現代オタク文化の中で拡散している様をゴーストという概念で捉え直し、そのリアリティを批評している本。 三…

NoNoWire11

今年も見てました、NoNoWire しかも今年は、NoNoWire on floorなるイベントまであったので、行ってきました アイマスのクラブイベントというよりは、アイマスもあるクラブイベントという感じでとてもよかった。楽しいを通り過ぎて死ぬかと思ったw その場で…

『ボカロクリティークvol.01』

島袋八起(発起人)と中村屋与太郎(編集長)による、ボカロ評論同人誌創刊号。 ちなみに、八起さんはこの前の文フリの時に突発的に、この本のパイロット版にあたる『ボカロクリティークvol.00』*1を作っており*2、僕はその際に寄稿したという縁があるが、今…

仁木稔『ラ・イストリア』

仁木稔『グアルディア』 - logical cypher scapeの続編。 『グアルディア』から遡ること400年、23世紀のメキシコはバハ・カリフォルニアを舞台に、生体甲冑アルマドゥラとインテリヘンシアの生体端末が如何にして中南米へと放たれたのかが描かれる。 『グア…

鬼界彰夫『生き方と哲学』

「生き方」を考えるとはどういうことかを考える本。 その一方で、「プラトニズム」批判も展開されている本であり、まさに「生き方」と「哲学」の本になっている。 ウィトゲンシュタイン研究で知られる筆者だが、この本で前面に出てきているのは実はアリスト…

ティエリ・グルンステン『マンガのシステム コマはなぜ物語になるのか』

フランスのマンガ研究書。サブタイトルにあるとおり、コマについての話で、物語論や記号論なども踏まえつつ、マンガの原理を明らかにしようとする本。 マンガ批評、ではなく、マンガ研究であり、基礎的な概念を明らかにして名前を付けていくというような作業…

P・W・シンガー『子ども兵の戦争』

P・W・シンガーの本を読む企画第3弾にして最終回。 『ロボット兵士の戦争』→『戦争請負会社』→『子ども兵の戦争』と読んできた。実際の刊行順は、『戦争請負会社』→『子ども兵の戦争』→『ロボット兵士の戦争』である。 *1 本書は、先に読んだ2冊とは多少雰…