読んだ本の感想とか書いていくよー(3)

第13回文学フリマで買った本の感想。
こっからは、批評以外

「ランド・オブ・クリステン・スチュワート

urza358こと森悠輔による小説。
自分にはこれをうまく解題したり批評したりすることはできないけれど、面白かった。どうしてなのかよく分からないが(というのは自分は別にアメリカ文学なんて大して読んだことないので)、アメリカ文学っぽいと思った。最初、映画っぽいかなと思ったのだが、映画っぽさとは多分違うので、アメリカっぽいのかなと。
全部で3章に分かれていて、1章はとあるハリウッド女優について書かれており、2章と3章は相模湖の近くで同じ車に乗り合わせることになった2人の男女について書かれている。で、2章と3章がどちらも「三枝ヒナコが助手席のドアを閉めることになる二時間前」というフレーズで始まっているのが、何かこの作品全体の雰囲気を決めているような気がした。

ロウドウジン

社会人アートが面白かった

号外チョコレート・てろりすと

おまけ(?)としてついていた、この紙面を作るまでの制作過程を載せたzipが面白かった。あー、こうやって作るものなのかーと思ってw

PinkHeartsBlackMoons

vol.1とvol.2
どっちもすごく読みにくいんだけどw、よくできた印刷物だなあと思った
こういう本ならぬ本に出会うのが、文フリの楽しいところ。
普通にA4の紙に印刷してんのかなーと思ってよく見たら、小さいカードに分かれるようになっていて、切り離して単語帳みたいな感じにできるというもの
もったいなくて切り離してないけどw

伊藤計劃トリビュート』

京大SF研の会員とOB8人による、伊藤計劃トリビュート短編小説集。全体的には、『ハーモニ−』の世界観だったり、主人公2人の関係性だったりから書いていった作品が多いかなという感じ。どれも面白かったけど、大体どれも『ハーモニー』を元ネタにして8本もあると、似たのもあって、というところはある。
舟戸一人「死者の時制」
上でハーモニーハーモニーと言いつつ、こちらは『虐殺器官』オマージュ。「言銘(リテラル)」という技術が発達した未来における、とある2人の音楽家とその娘の話。2人の音楽家についての架空のドキュメンタリーとして読めて面白かった。
水なづき蕎麦「量子の海のカルペディエム
これは、伊藤計劃というよりもなんかもうすこし軽快な感じ。過去を修正できる技術を手に入れた男の話。
谷林守「ThePileofHope」
これは現在と回想と手紙とをフォントを変えて書いている。それがきれいに混ざっていると思う。回想は、脳内のインプラントによって鮮やかに惹起することができるという設定があるので、フォントを変えて入り交じらせるというのはうまい演出だと思う。
死んだ双子の姉に変わってとある私立学校の教師となった主人公が、その学校で姉が社会実験をやっていたことを知るという話。
伴名練「美亜羽へ贈る拳銃」
イーガン的なインプラントによる感情操作による愛情の話
最後のところがうまい。
そういえば、この物語世界では、とあるグループが、イーガンや伊藤計劃の作品を「聖書」と呼んでいるという記述があったり。

『トルタのマンガ』

文字だけで書かれたマンガ全15本。
文字だけなのに、文字だけだからこそ、面白かった。マンガの演出をうまく使っている感じ。
「クロムvsアルゴン」
基本的に擬態語ばっかりな奴
「ニコニコ言葉(夜)」
ニコニコに流れてるコメとかを集めてる
「流星」
見開きがよかった
「レ・コスメコミケ
お化粧についての話。謎の盛り上がりがw
「なぜ意味論は「プロセス」を含むのか」
岡本賢吾による論文のマンガ化。もちろん絵はなくて、書かれているテキストはおそらくそのほとんどが論文ままではないかと思われる。
書かれている内容は全く1ミリも分からない。なのに、読めるような感じがしてしまう。おお、ここがこの論文の盛り上がりポイントなのか、とかがわかる。


あと、まだ4冊くらい残っている。