2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ローレンス・レッシグ『CODE』

『CODE』というと、人の振る舞いを規定する4つ――法、市場、規範、アーキテクチャを示したことで有名だけど、この本にとって、そのことはわりと前提みたいなもので、主題はもうちょっと踏み込んだところにある。 それは、この4つの中でも、法とアーキテクチ…

リアリティという語について

上では、芸術についてと述べたが、芸術といってもその中で特に興味関心があるのは、フィクションであり、小説、映画、マンガである。 僕は大概、小説、映画、マンガを総称してフィクションと呼んでいる。 フィクションには、国家とはフィクションであるとか…

問いの整理

ブログで書かなくてもいいのだが、ブログで書いてもいいので、とりあえず書く。 自分の興味・関心のあることを腑分けしてみる。 「何故生きてるのか」的問い 哲学的な問いの例として、「私は何故生きてるのか」というのが挙げられることが多いと思うのだが、…

『筑波批評2008秋』告知

第7回 文学フリマにて、新刊『筑波批評2008秋』を出します! 今回、文学フリマにで同時開催される、東浩紀のゼロアカ道場第四関門に、道場破りとして参加することになりました。 東浩紀のゼロアカ道場 講談社BOXと東浩紀による、批評家養成企画です…

『ダークナイト』

結局、見に行きそびれてしまったなーと思っていたのだが、調べてみたらまだやっていたので、ギリギリ滑り込む感じで見てきた。 ほんとこれは、劇場で見てよかった。 もちろん、ジョーカーが素晴らしいのだが、アクションシーンやら演出やら最後のシーンやら…

カズオ・イシグロ『わたしたちが孤児だったころ』

1930年代のロンドンと上海を舞台に、名探偵クリストファー・バニングスが失踪した両親を捜す話。 主人公であるクリストファーの一人称で語られていくのだが、この語り口が何とも読み手を落ち着かない気分にさせる。 全部で7章に分けられているが、それ…

明日から学祭

明日からの三連休は学祭です。 筑波批評社は、1C503504教室です。 http://d.hatena.ne.jp/tsukubahihyou/20081006/1223307147 http://d.hatena.ne.jp/SURViVE/20081006/1223308302 http://f.hatena.ne.jp/twitter/20081010161157 http://d.hatena.ne.jp/klov…

黒沢清『トウキョウソナタ』

やっぱり、黒沢清はヤバい。 この人の映画はやはり劇場で見たい。劇場で見て、何故か身震いしてしまう感じ。 この映画がどういう風に広報されているのか、よく知らないのだけど、「家族の破壊と再生を描いた感動の物語」という感じになっているのだろうか。 …

中上健次『枯木灘』/『ユリイカ10月号』

中上はいつか読もうと思いつつも読まずにいて、今月のユリイカが中上特集だったので、読んでみた。 『枯木灘』 思ってたよりは読みやすかったし、面白かった。 最初は人間関係を把握するのが大変かなと思ったが、話としてはむしろ分かりやすかった。 『カラ…

『感情とクオリアの謎』

柴田正良、服部裕幸、長滝祥司、月本洋、伊藤春樹、前野隆司、三浦俊彦、柏端達也、篠原成彦、美濃正の論文集*1。 第1部が感情、第2部がクオリアを扱っており、第3部では座談会が行われている。 論文数は、第1部が4つ、第2部が6つであり、第1部にし…