読書

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史2』

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史1』 - logical cypher scape2に引き続き第2巻 全8巻シリーズで、第2巻は「(古代2)世界哲学の成立と展開」 目次を見ればわかる通り、宗教の比率が高いが、そんな中執筆陣も(人により差はあるが)…

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史1』

ちくま新書でスタートした世界哲学史シリーズ 全8巻刊行予定のうちの第1巻で「(古代1)知恵から愛知へ」 自分も「哲学」といえば、プラトンに起源をもつ知的伝統という理解をしているので、哲学=西洋哲学という感覚が強く、どうしても西洋以外の哲学のこ…

石田尚子「フィクションの鑑賞行為における認知の問題」

teapot.lib.ocha.ac.jp いま気づいたんですが、石田尚子さんの博論全文がお茶の水女子大学のリポジトリに上がってますね。「フィクションの鑑賞行為における認知の問題」 https://t.co/iEXKkxporm— MORI Norihide / 森 功次 (@conchucame) 2020年1月27日 森…

倉田剛『日常世界を哲学する』

社会存在論の入門書的な本 ただし、結構前提知識が必要な部分があり、しかも紙幅の都合で何気なく省略されたりしている部分もあったりする 「社会存在論? サールとかがやってるのは知ってるけど、日本語で読めるの少なくてあんまりよく知らないんだよね」く…

藤崎慎吾『我々は生命を創れるのか』

サブタイトルは「合成生物学が生みだしつつあるもの」とあり確かに合成生物学の話ではあるが、生命の起源研究の中に合成生物学を位置づけている感じ 藤崎が、この分野の研究者に取材した連載記事が元になっている。 面白そうだなと思ったから読み始めたわけ…

たつざわ「芦田漫画映画製作所の通史的な解明」

(おそらく)2018年5月の文フリで購入し、その直後に読み終わっていたもの 感想メモも、読んだ当時に書いているのだが、何故かブログに載せずに放置されていたので載せる 何故か、というか、おそらく同時期に買った他の同人誌と一緒に感想をあげるつもりだっ…

飯田隆『新哲学対話』

プラトンが書かなかったソクラテスの対話編、とでもいうか、まあ二次創作というか。 4本が収録されているが、例えばそのうちの「アガトン」は、『饗宴』のあとも残って話を続けていた4人の対話の記録、ということになっている。 ところで、フィルカルVol.4 N…

古田徹也『ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考』

『論考』の入門書で、『論考』やウィトゲンシュタインをあまりよく知らない人でも読めるようにと書かれており、実際、とても読みやすい。 自分は、ウィトゲンシュタインについて多少興味があって入門書くらいは読んでいたりするけれど、わりと『探求』の頃の…

大森望・日下三蔵編『おうむの夢と操り人形 年刊日本SF傑作選』

2018年に発表されたSF短編の中から、大森・日下の両名が選出した18編+第10回創元SF短編賞受賞作を収録したアンソロジー 元々、2008年に刊行された『虚構機関』から始まった本シリーズだが、今回、12冊目にして最終巻となる 『零號琴』のスピンオフである「「…

ダレン・ナイシュ/ポール・バレット『恐竜の教科書』

そのものずばり、恐竜の教科書という名前に違わぬ本。 筆者は、古生物学者であり、他にも一般向けの著作を書いているダレン・ネイシュだが、それだけでなく、監訳者が、小林快次を筆頭に、日本の若手恐竜研究者たちが揃った豪華ラインナップとなっている。 …

鬼界彰夫『『哲学探究』とはいかなる書物か――理想と哲学』

全3巻が予定されている「ウィトゲンシュタイン『哲学探究』を読む」シリーズの第1巻にあたる 『探求』の§89~§133にあたる部分を読み解く なお、第2巻では§134~§242、第3巻では§243~§693を扱うことが予告されている。 この§69~§133にあたる部分を本書は…

森山直人編『近現代の芸術史 文学上演編2 メディア社会における「芸術」の行方』

林洋子編『近現代の芸術史 造形編1 欧米のモダニズムとその後の運動』 - logical cypher scape2と同じシリーズの、京都造形芸術大学の教科書 上の本を手に取った際、同じシリーズの本が他に色々出てるのに気づいて、とりあえずこれも読んでみようかなと手に…

林洋子編『近現代の芸術史 造形編1 欧米のモダニズムとその後の運動』

タイトル通り美術史の本で、ちょうど20世紀を丸々扱っている。 京都造形芸術大学の教科書として作成された本だが、森さんが授業のシラバスでお薦めの図書として挙げていたので、気になって読んでみた。 美術の世界(大妻女子大学シラバス) まさに教科書的な…

松下哲也『ヘンリー・フューズリの画法』

サブタイトルは「物語とキャラクター表現の革新」、筆者の博士論文を書籍化したもの 美術としての絵画とそうではない絵画の結節点となる画家として、18世紀イギリスの画家フューズリについて論じる。 フューズリは、ロイヤル・アカデミーの画家だが、観相学…

大塚英志『ミュシャから少女まんがへ 幻の画家・一条成美と明治のアール・ヌーヴォー』

明治期における日本のミュシャとアール・ヌーヴォーの受容を、与謝野鉄幹が主宰した『明星』とその表紙・挿画などをミュシャ風の絵で飾った一条成美を中心として見ていく本 文学において「内面」が発見されていった過程に、ミュシャ様式の絵がいかに併走して…

筒井康忠編『昭和史講義【戦前文化人篇】』

筒井清忠編『昭和史講義――最新研究で見る戦争への道』 - logical cypher scape2に引き続き、昭和史の本。同じ編者による同名シリーズの一番新しいものにあたる。 このシリーズでは政治家篇とか軍人篇とかが先だって出ているのだけれど、今回、昭和史読むかー…

筒井清忠編『昭和史講義――最新研究で見る戦争への道』

ワシントン条約から占領政策まで、昭和期の日本政治史を15講に分けて解説している 執筆者15人中8人が7~80年代生まれの比較的若い世代の研究者であり、サブタイトルにある通り、最新研究を踏まえた論述となっている。 直接的には、柴田勝家『ヒト夜の永い夢』…

『日経サイエンス2019年10月号』

日経サイエンス2019年10月号(カンブリア前夜/『天気の子』の空)出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2019/08/24メディア: 雑誌この商品を含むブログを見る 特集:カンブリア前夜 生命爆発の導火線 エディアカラ生物の進化 R. A. ウッド www.nikkei-s…

クリスチャン・ダベンポート『宇宙の覇者ベゾスvsマスク』

イーロン・マスクのログインパスワードが書かれている本*1 アメリカの二大宇宙ベンチャー企業となったスペースXとブルー・オリジンの創業からこれまでを描いたノンフィクション ただ、正確に言うと、この2社だけでなく、ポール・アレンとリチャード・ブラ…

長尾天『イヴ・タンギー―アーチの増殖』

タンギーが描く不定形物体について、批評的読解を試みる、博士論文をもとにした著作。 この不定形物体は、指示対象をもたない・言語と交換不可能であるが、三次元イリュージョンとして描かれているイメージである、という特徴付けをして、これが一体何に由来…

『多元化するゲーム文化と社会』(一部)

全部読んだら、ブログに書こうかなと思っているといつまでも書けなくなってしまうので、読んだものだけでも 全14章、コラムも10本以上ある中の、論文3本、コラム1本なので、一部も一部にすぎるのだけど…… 第1部と第4部はもうちょっとちゃんと読みたい 序章 …

土屋健『リアルサイズ古生物図鑑 中生代編』

現代の風景写真の中に、古生物のCGイラストを合成することによって、古生物の「サイズ感」を実感することのできる本 本書は、シリーズ第二弾である中生代編 中生代の古生物といえばもちろん恐竜 というわけで、恐竜を多く収録しているが、この本の面白いとこ…

乾敏郎『感情とはそもそも何なのか』

日本語で読める本で、自由エネルギー原理についてわりと詳しく説明している本だと聞いて、読んでみた で、そのあたりがまとまっていてとても面白かった 筆者は、マー『ビジョン』の翻訳者でもあり、川人光男とも共同研究していたりする人。認知神経科学者? …

布施英利『構図がわかれば絵画がわかる』

美術における構図入門、といった感じの新書 タイトルに「絵画」とあるが、取り上げられる作品の中には、写真、彫刻、建築、庭園も含まれており、美術作品と言った方がより正確。 最初のStep1~Step3が「平面」「奥行き」「光」で、最後のStep4が、筆者の専門…

エリック・R・カンデル『なぜ脳はアートがわかるのか―現代美術史から学ぶ脳科学入門』

神経科学の大家であるカンデルが、主に抽象絵画を対象に、芸術と神経科学を結びつけて論じている本。 なお、カンデルは、美術と神経科学について他にも著作がある。もともと、記憶や学習について研究しており、それでノーベル賞も受賞しているが、芸術との関…

倉谷滋『進化する形 進化発生学入門』

あ、これ、サブタイトル「入門」だったんだ。入門ではない、おそらく。 新書とは思えない密度で内容が詰まっている本である。 筆者自らあとがきで倉谷滋『形態学 形づくりにみる動物進化のシナリオ』 - logical cypher scape2の続編だと述べている。 この本…

暮沢剛巳・江藤光紀・鯖江秀樹・寺本敬子『幻の万博 紀元二千六百年をめぐる博覧会のポリティクス』

1940年に、東京五輪と同時開催の計画を立てられていた幻の東京万博について、同時代の他の万博や博覧会との比較を通して浮き彫りにすることを試みる。 芸術や文化と政治・戦争の関係を万博を通じて紐解いていく。 むろん、開催されることのなかった万博につ…

セオドア・グレイシック(源河亨・木下頌子訳)『音楽の哲学入門』

タイトルにある通り、音楽の哲学についての入門。ラウトレッジ社のThe Thinking in Actionシリーズの一冊で、原著タイトルはOn Musicであり、同シリーズには、ジジェク『信じるということ』、ドレイファス『インターネットについて』、キャロル『批評につい…

須田桃子『合成生物学の衝撃』

『日経サイエンス』の合成生物学記事 - logical cypher scape2に引き続き、合成生物学の勉強 毎日新聞科学環境部の記者である筆者が、ノースカロライナ州立大学に留学し*1、取材したルポ 合成生物学の研究史・研究内容について書かれているが、生物兵器開発…

瀧澤弘和『現代経済学』(一部)

サブタイトルが「ゲーム理論・行動経済学・制度論」で、様々なサブジャンルに多様化した現代の経済学についての入門書となっている というわけで、個人的には、制度論に興味があったので、制度論の章だけとりあえず読もうかなーと思ったら、結構それ以外も面…