読書
自由に見るのでもなく、知識を当てはめるのでもなく、何に注目し、何を探して見ていくかという、絵画を見る方法を教えてくれる本。この手の本としては以前、布施英利『構図がわかれば絵画がわかる』 - logical cypher scape2を読んだことがあるものの、あま…
アメリカ文学研究者で翻訳者である筆者が、主に20世紀後半以降に書かれた実験小説を色々紹介してくれる本。 今、海外文学読むぞ期間を個人的に展開中だけれど、それのガイドになればなあと思って。それ以前から気になっていた本ではあるけれど。 どういう手…
山口輝臣・福家崇洋編『思想史講義【大正篇】』 - logical cypher scape2に引き続き、今度は戦前昭和篇 もともと日本思想史とか全然だったので、大正篇も知らないことが多くて勉強になったところではあるが、とはいえ、大正篇は、自分の従来持っていた日本史…
カルヴィッキによる画像の意味についての本 言語哲学を応用し、言語的表現と比較しながら論じられる。 具体的には、カプランの「内容」と「キャラクター」の区別を画像にも適用するというもの。 第1章で、本書全体の概要を説明している。 その中で本書をミー…
サブタイトルに「一七二〇年から二〇〇〇年まで」とあり、18世紀からの宗教哲学、19世紀からのプラグマティズム、20世紀からの分析哲学の三部構成で書かれた本。 元々、フィルカルvol.5 no.2 - logical cypher scape2でアメリカ哲学史特集が組まれたりと、ア…
『宇宙開発未来カレンダー 2022-2030's』という本をパラパラと眺めている。 カレンダーというタイトルだが、どちらかといえばロケット・宇宙機カタログという感じの本で、今後打ち上げが予定されているロケットや探査機・人工衛星と、現在運用中の探査機・人…
20世紀のロシアにおける哲学や思想に一体どんなものがあるのか、概略をつかむのにちょうどよい入門書ないしハンドブック かなり広範に扱っているが、ページ数は手頃な長さにおさまっている。その点、個々の思想について説明が少なくなってしまっているところ…
サブタイトルは、「日米同盟、憲法9条からNSCまで」 防衛政策史研究者による本で、タイトル通り、戦後日本の安全保障政策の歴史を論じた本である。 小林義久『国連安保理とウクライナ侵攻』 - logical cypher scape2を調べていたら、関連する本として出てき…
珍しく時事ネタ。 タイトルにある通りで、ロシアのウクライナ侵攻を受けて改めて国連安保理とは何かについて書かれた本。 筆者は、共同通信で長年国連取材に当たっていた記者で、その経験を踏まえて、国連安保理の歴史について書かれている。 研究者ではなく…
普段こういう本、つまり文化人類学の本や食文化の本を読んでいないし、本を読むほどの興味関心を抱いている分野ではないのだが、しかし、日常生活において、料理や食文化についてちょっとした疑問を抱くことは度々あって、その都度、wikipediaを読んだりして…
大正新興美術運動を研究している著者*1の評論集。 大正振興美術運動については、ゲルハルト・リヒター展 - logical cypher scape2で近代美術館の常設展を見ていて知ったのだが、その後、大正期新興美術運動の概容と研究史 | 日本近代美術史サイトをざっと眺…
ちくま新書の歴史講義シリーズから、新たに『思想史講義』シリーズが始まり、その第1回配本にあたる。シリーズ全体としては、明治1、明治2、大正、戦前昭和の4篇を予定しているとのこと。 最近、筒井清忠編『大正史講義』 - logical cypher scape2筒井清…
『グリーンバーグ批評選集』の中から「モダニズムの絵画」「ポスト・絵画的抽象」を読んだ。 グリーンバーグについてはいつか読まないととはずっと思っていたのだが、なかなか手つかずのまま、「カラーフィールド色の海を泳ぐ」展 - logical cypher scape2を…
恐竜アメリカ文学史。 以前、恐竜文学研究として南谷奉良「洞窟のなかの幻想の怪物―初期恐竜・古生物文学の形式と諸特徴」東雅夫・下楠昌哉編『幻想と怪奇の英文学4』 - logical cypher scape2を紹介したが、他にも恐竜文学研究をしているっぽい本を見つけ…
サブタイトルは「音楽美学と心の哲学」で、心の哲学、とりわけ知覚の哲学や情動の哲学を用いて、美学の理論構築を行っている本である。 さらにいえば、認知科学の知見も取り入れながらの、美学の自然化プロジェクトの一環として書かれている。 1~5章は、…
タイトル通り、大正文化史についての本。全27章で様々なジャンルについてオムニバス的に書かれている。 目次をぱらぱらと眺めたときに、小林一三に2章さかれていることに目が行き、そのほかにもメディア論的な話題が多くて面白そうだなと思い手に取った。 大…
最近、『乾と巽』というマンガを読んでいて大正時代も気になり始めていた。『ゴールデンカムイ』や『鬼滅の刃』の影響もある(ゴールデンカムイの舞台は明治末期で大正ではないが) 同じ編者の『昭和史講義』を以前読んで面白かったのと、昭和史自体、当然な…
ジュリオ・トノーニの統合情報理論と、筆者が提案しているクオリア構造についての入門的解説書 生体の科学 Vol.73 No.1 2022年 02月号 特集 意識 - logical cypher scape2を読んだ際に、この本の筆者である土谷や共同研究者である大泉の論文に出てくるクオリ…
サブタイトルは「地球外生命に迫る系外惑星の科学」 筆者は天文学の人で、系外惑星探査についての入門書となっている。 2020年3月刊行で、2019年までの最新データに基づき、様々な探査手法の観点から整理されている。例えば、系外惑星探査には、トランジット…
タイトルにある通り、ユダヤ人と近代美術の関係について論じた本。19、20世紀のユダヤ人画家やパトロンについて書かれている。 本書は、繰り返し注釈されているが、「ユダヤ美術」についての本ではない。 このテーマにはいくつかの困難がある。 まず、ユダヤ…
倉田剛による下記の2つの論文が、グァラに触れているので、フランチェスコ・グアラ『制度とは何か』(瀧澤 弘和 監訳・水野 孝之 訳) - logical cypher scape2を読んだついでに、これらの論文も読んでみた 倉田剛「社会存在論の「統一理論」について」 htt…
社会科学の哲学の立場から書かれた制度論 経済学的な制度理解と哲学的な制度理解とを架橋するための議論が展開されている。 二部構成となっており、前半では、制度についての均衡説と制度についてのルール説を統合した統一理論「均衡としてのルール」説を展…
恐竜・古生物学文学研究の論文 同じ著者による恐竜・古生物文学研究の記事としては、以下もある。 最近、福井県立大学に恐竜学部ができるというニュースがあった時に、とある古生物学者の方が、ぼくの考えるさいきょうの恐竜学部的な感じでこんなツイートを…
TVアニメ『平家物語』を見るにあたって参考書として手に取った とはいえ、ごく一部しか読んでいない 大きく分けて二部構成になっていて、前半であらすじを紹介し、後半では登場人物の関係を図式的に当てはめた読解、というか平重盛にフィーチャーした解説を…
BMI・BCI研究のここ最近の動向を分かりやすくまとめてある本 筆者の紺野は、池谷研究室に所属しており、まえがきによれば、本書の構想は池谷が担当し、実際の執筆は紺野が担当したとのこと。紺野はメルマガやnote、twitterで最新研究の紹介を行っており、そ…
「水際世界」の古生物を解説した本で、両生類、偽鰐類、水棲哺乳類を取り扱っている。 「古生物学の黒い本」と称された一連のシリーズ(土屋健『古第三紀・新第三紀・第四紀の生物』 - logical cypher scape2など)の後継シリーズの第一弾。こちらの表紙もお…
アメリカの生物学教科書『LIFE』を分冊して翻訳しているシリーズ。以前から気になっていたが、たまたま本屋で新版が出ているのを見かけて手に取った。 なお、何故いきなり3巻なのかというと、自分が今興味があり、学び直したいと思っていたのが生化学だった…
サブタイトルは「チョウのように読み、ハチのように書く」(もちろんモハメド・アリの言葉が元ネタ)。批評を書くための方法を分かりやすく解説している。 ここでいう批評はかなり広い意味で使われていて、何らかの作品について分析して説得的に論じた文章、…
サブタイトルは「超新星からブラックホール、重力波まで」 元々連星に特に興味があったわけではなかったのだが、サブタイトルにある通り、ブラックホールや重力波天文学あるいは系外惑星などの最近話題のトピックについて扱っており、連星をキーワードとした…
恐竜の黎明期から絶滅まで、恐竜がいかに進化し生きてきたのかを描いた恐竜入門。 1984年生まれの筆者自身や筆者の研究仲間による最新の研究成果を交えながら、恐竜の歴史をトータルに見せてくれる。 プロローグ 恐竜化石の大発見時代 1 恐竜、興る 2 恐竜、…