映画映像論・視覚文化論・メディア研究

Rafe McGregor "The Problem of Cinematic Imagination"

カリーとスクルートンの、映画鑑賞における想像の考え方を比較している ロペスとウォルトンも出てくるが 特別面白い話をしているわけではないのだが、まあ整理としては読みやすい というか、英語が読みやすい英語だった気がする https://contempaesthetics.o…

R.Hopkins ”Depiction"

映画の哲学の教科書の中にある、描写についての章(第6章) The Routledge Companion to Philosophy and Film (Routledge Philosophy Companions) Moving and still depictions What is depiction? Seeing film as pictures What do we see in film? The uni…

エティエンヌ・スーリオ「映画的世界とその特徴」

美学者スーリオによる、映画が作り出す「映画的世界」について 『映画理論集成』に収録されているものを読んだ。スーリオの著作『映画的世界』(1953)の第一章にあたるもの、ということらしい。 エクリヲvol.11 - logical cypher scape2を読んだ際に、「映画…

エクリヲvol.11

ミュージックビデオ論とかは、気になっているジャンルだったのだが、全然分からない部分でもあったので、勉強になった 扱われているMVをほとんど知らないので、それをいつかちゃんと見なきゃいけないなあと思いつつ*1 ecrito.fever.jp 【特集 I 聴覚と視覚の…

『ユリイカ2019年12月号 特集=Vaporwave』

松下哲也「ビアズリーの挿絵はマンガの形式に影響をおよぼしたのか?」(『ユリイカ2019年3月臨時増刊号』) - logical cypher scape2の勢いで、こっちの号のユリイカもちらっと眺めた やはりこちらも主に松下さんの記事についてユリイカ 2019年12月号 特集=…

森山直人編『近現代の芸術史 文学上演編2 メディア社会における「芸術」の行方』

林洋子編『近現代の芸術史 造形編1 欧米のモダニズムとその後の運動』 - logical cypher scape2と同じシリーズの、京都造形芸術大学の教科書 上の本を手に取った際、同じシリーズの本が他に色々出てるのに気づいて、とりあえずこれも読んでみようかなと手に…

マジック・ランタン 光と影の映像史

マジック・ランタンなどの機器などの展覧会。都写美。 以下の記事を読んで気になったので、見に行った。 あと、途中でぽんと出てくるリュミエール兄弟の初期映画がめちゃくちゃ異質に見えて、並置されているメリエスのほうがかえって「マジック・ランタン」…

細馬宏通『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか』

サブタイトルは「アニメーションの表現史」で、アメリカの初期アニメーションを取り上げ、当時の技術やアニメ以外の文化との関連から、なぜこのような表現になったのかについて書かれた本。 各章の独立性が高く、比較的どの章からも読めるし、とっつきやすい…

限界研『ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評』

映像・動画を軸にした、様々なトピックについての各論者によるアンソロジーとなっている。 序論――「映像」をめぐる新たな言葉の獲得のために 渡邉大輔 第一章 デジタル/ネットワーク映像の「思想」 「可塑性」が駆動するデジタル映像――「生命化」するビジュ…

ノエル・キャロル「映画(movies)の力」(『分析美学論文アンソロジー』より)

映画が、他の芸術様式と比べて、より広くより強く人々を捉えるのはどのようにしてなのか、という論文 ラマルク+オルセン編『美学と芸術の哲学:分析的伝統:アンソロジー』 - logical cypher scape2に収録されている。初出は1985年。 映画についての、リア…

レフ・マノヴィッチ『ニューメディアの言語』

ニューメディアとは、CG合成の映画やコンピュータゲーム、web、メディアアートなど、コンピュータを使ったメディア(作品)の総称で、そうしたものについての美学理論入門*1 ニューメディアと(オールドメディアである)映画との連続性を検討している感じの…

ハル・フォスター編『視覚論』

視覚文化をめぐるシンポジウムのための論文と討議を集めた本 マーティン・ジェイ「近代性における複数の「視の制度」」 「視の制度」という言葉は、クリスチャン・メッツ由来 近代における主要な3つの制度 デカルト的遠近法主義 イタリア・ルネサンスにおけ…

三輪健太朗『マンガと映画』

マンガと映画についての美学的メディア比較論であり、これまでの議論・言説を丁寧に再検討しながら、「映画的」であるとはどういうことなのかを論じ、それが「近代」を前提しにした視覚文化であることを示していく本。「映画的」っていうのが単に技法的な話…

石岡良治『視覚文化「超」講義』

「アート/エンタメ」あるいは「サブカル/オタク」という軸を取っ払って、現代(視覚)文化について取りかかる切り口を講義する本。 このあたりは、n11books.com -でも、以下のように紹介されていて、読んでいてその通りだなと思った。 長々と歴史が語れら…

渡邉大輔『イメージの進行形』

現代の映像文化を「映像圏」という独自の用語で呼びながら、一方ではtwitterなど映像以外の現代文化とも接続し、またその一方では現代にとどまらない映画史とも接続させながら論じていく本。 元々、早稲田文学のweb版で連載がなされていて、僕もそれを読んで…

北野圭介『映像論序説――デジタル/アナログを越えて』

映像を巡る言説を、アナログとデジタルの区別について吟味する形でまとめたもの。 冒頭で、方法論として概念分析と系譜学的考証というのを挙げている通り、映像という言葉がどのように使われてきたのかというのを追いかけている。 アナログ映像とデジタル映…

加藤幹郎編著『アニメーションの映画学』

映画研究の手法でもって、アニメーションについて論じる論文集。 以下のエントリをきっかけに読んだので、参照に。というか、概要は以下のエントリに任せて、各論文の感想を。 『アニメーションの映画学』読みました - 覚え書き、あるいは思考メモ 第1章「…

『映画理論講義』

タイトル通り。 映画理論の教科書。良くも悪くも教科書だと思うのだけど、とりあえず映画の教科書を読んでみたいと思っていたので、よかった。 映画の教科書といっても、映画理論の教科書なので、実践的な話ではないけれど。 扱われているのは70年代くらい…

加藤幹郎『映画館と観客の文化史』

映画は一体どのようにして見られてきたのか、ということについての歴史的変遷を追った本。 映画を見る、と一言で言っても、それには様々な様態がある。シネマ・コンプレックスで見るのか、DVDを借りてきてホームシアターで見るのか、ネットで落としてきてPC…

『不過視なものの世界』

『コンテンツの思想』でも『文学環境評論集』でもなく『不過視なものの世界』 今までずっと読み損ねていた東浩紀の対談集で、斎藤環、山形浩生、村上隆、法月綸太郎、山根信二、阿部和重との対談がそれぞれ収められている。 『存在論的、郵便的』『郵便的不…

映画、2日で30本!

28日、29日の2日間、表象文化論の集中講義でした 末岡一郎という映像作家の方を講師に迎え、実験映画の歴史というような内容です 実験映画なので、1本1本の長さが短いわけですが(最短で30秒、長くてもまあ15分程度なのだけど)、1日目は16本…