認知科学・心理学・神経科学・意識研究

Newton2025年1月号

SFは実現可能か? 摩訶不思議な物質変化の世界 感動する化学 「時間心理学」入門 子供と大人で時間の流れ方がちがうのはなぜ? 「超伝導」の世紀 電気抵抗がなくなる物理現象が社会を変える日 能登半島は今 600万年つづく隆起が 地形を変えつづけている AIを…

小草泰・新川拓哉「意識をめぐる新たな生物学的自然主義の可能性」

田中泉吏・鈴木大地・太田紘史『意識と目的の科学哲学』 - logical cypher scape2のあとがきで紹介されていた論文 意識をめぐる新たな生物学的自然主義の可能性 ギンズバーグ&ヤブロンカ、ファインバーグ&マラットについてのサーベイ論文 それぞれの問題点と…

田中泉吏・鈴木大地・太田紘史『意識と目的の科学哲学』

意識について、進化論的なアプローチにより解明するには、目的論を導入する必要があるという本 自然主義だけれども、機能主義ではないこと、あるいは、進化論的なアプローチだけれども、意識を適応の産物と捉えないことが、面白いと思う。 他の意識理論との…

『Newton2024年12月号』

音楽の脳科学 不死のサイエンス 無数の宇宙が生まれつづける驚異の 「マルチバース宇宙論」宇宙はいくつあるのか? 変貌する地球 Newton 2024年12月号作者:科学雑誌Newton株式会社ニュートンプレスAmazon 音楽の脳科学 監修 伊藤浩介 執筆 西村尚子 音楽の脳…

「ビートを感じる脳」(『日経サイエンス2024年11月号』)

音楽を聴いて踊りたくなるのはどういう時か。 シンコペーションの程度を変えて実験したという研究 シンコペーションの程度が大きいと、次のリズムが予測しにくくなる。 中程度の時、一番踊りたくなることがわかった つまり、リズムが単調で予想がたやすい場…

『Newton2024年1月号』

「共感覚」の不思議 世界の都市図鑑 数式いらずの数学入門 暗号 ドローンが見た 野生動物 Newton 2024年1月号作者:科学雑誌Newton株式会社ニュートンプレスAmazon 「共感覚」の不思議 まず、共感覚には色々な種類がある、と。 有名なのは、色字共感覚だが、…

『科学2023年6月号』(特集:意識とクオリアの科学は可能か?)

クオリア構造学とかロボティクスからのクオリア研究とか言語との関係とか 以前、生体の科学 Vol.73 No.1 2022年 02月号 特集 意識 - logical cypher scape2があったけど、一部重複する人もいるけれど、領域がまた違う感じ。 『生体の科学』にもいた大泉・土…

『日経サイエンス2023年10月号』

オウム以上フクロウ未満? 生成AIの“思考力” G. マッサー 大規模言語モデルとは何か 出村政彬 脳とAI 溶ける境界 大規模言語モデルが開く脳の理解 平 理一郎/丸山隆一 タンパク質を語る言語 出村政彬 「理解」はどう変わるか 瀧雅人氏に聞く エンケラドゥ…

『Newton2023年8月号』『日経サイエンス2023年8月号』

Newton2023年8月号 建築の未来 進化するリニア 意識の謎はどこまで解けたか 日経サイエンス2023年8月号 フロントランナー挑む:AIが仮説,ロボが実験 サイエンスの営み変える:高橋恒一 ChatGPTが映し出すヒトの知性 数の感覚 生まれつきか学習か J. ベック…

毛内拡『脳を司る「脳」』

脳の活動というと、イコールでニューロンの活動と思いがちだし、実際に脳の研究はそのような前提で進められてきたが、ニューロン以外の活動(非シナプス的相互作用)も実はかなり重要である、ということを紹介してくれる本 以前から、グリア細胞が実は脳の情…

『日経サイエンス2023年2月号』『Newton2023年2月号』

日経サイエンス2023年2月号 SCOPE 不要なシナプスを”食べて”整理 ADVANCES 軟組織が化石になるには 撮像の舞台裏 C. モスコウィッツ 小惑星リュウグウから火星のフォボスへ にくづきにくら 柞刈湯葉 データを駆使したクリミアの天使 ナイチンゲール RJ アン…

土谷尚嗣『クオリアはどこからくるのか?』

ジュリオ・トノーニの統合情報理論と、筆者が提案しているクオリア構造についての入門的解説書 生体の科学 Vol.73 No.1 2022年 02月号 特集 意識 - logical cypher scape2を読んだ際に、この本の筆者である土谷や共同研究者である大泉の論文に出てくるクオリ…

生体の科学 Vol.73 No.1 2022年 02月号 特集 意識

生体の科学 Vol.73 No.1 | 雑誌詳細 | 雑誌 | 医学書院 鈴木さん、渡辺(正)さん、大泉さん、土谷さん、乾さんと、門外漢でもよく見かける名前が並び、日本における意識研究者オールスターかもしれない、分からんけど。 普通に売ってる雑誌ではないが、筆者…

紺野大地・池谷裕二『脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか 脳AI融合の最前線 』

BMI・BCI研究のここ最近の動向を分かりやすくまとめてある本 筆者の紺野は、池谷研究室に所属しており、まえがきによれば、本書の構想は池谷が担当し、実際の執筆は紺野が担当したとのこと。紺野はメルマガやnote、twitterで最新研究の紹介を行っており、そ…

Newton2022年2月号

ハプティクス─触覚をあやつる新技術 スペースXの最新ロケット 凶悪犯罪はなくせるか? 知能をもつ都市─スマートシティ Newton 2022年2月号作者:科学雑誌NewtonニュートンプレスAmazon ハプティクス─触覚をあやつる新技術 触覚VRについて 感覚については特殊…

『Newton』2021年8月号・9月号・10月号

『Newton2021年8月号』 Super Vision ダンスする光と影 足し算とかけ算の未知なる関係の謎にせまる ABC予想とIUT理論 ティラノサウルス研究の最前線 「中年危機」の心理学 地球が生んだ脅威の洞窟 タイムトラベル映画を科学する アルゴリズムな世界第3回 情…

神経美学と自由エネルギー原理?

神経美学の本と自由エネルギー原理の本を読んだわけだが、そうするとその2つはどう繋がるかも気になってくるよな— シノハラユウキ (@sakstyle) 2021年7月10日 専門家と素人とで、作品の見方が違う(作品全体を満遍なく見るかそうでないか)話は、なんか説明で…

乾敏郎・阪口豊『脳の大統一理論』

サブタイトルは「自由エネルギー原理とはなにか」 フリストンの自由エネルギー原理についての入門書 同じ作者による乾敏郎『感情とはそもそも何なのか』 - logical cypher scape2でも、自由エネルギー原理について解説しており、内容としては一部重複するが…

石津智大『神経美学―美と芸術の脳科学』

タイトル通り、神経美学についての入門書 筆者は、ゼキのところで共同研究していたこともある研究者 もちろん、人文系の美学とは異なるところも色々あるが、しかし、人文系の美学とも接続可能な議論も色々なされていると思う。 後半で出てくる2つの美という…

『認知科学第28巻第2号(2021)』解説特集「深層学習と認知科学」

TLで論文pdfのリンクが流れてきたので、特集の論文を3つとも読んでみた。 賀沢 秀人「深層学習は認知科学の対象となるか」 深層学習は認知科学の対象となるか 認知科学が対象にするのが、何らかの意味で知的に(ヒト的に)振る舞っているシステムだとした上…

トッド・E・ファインバーグ,ジョン・M・マラット『意識の神秘を暴く 脳と心の生命史』(鈴木大地 訳)

サールの「生物学的自然主義」を引き継ぎ「神経生物学的自然主義」を掲げる筆者らによる神経生物学的な意識研究の本 前著『意識の進化的起源』のダイジェスト的な本らしく、前著の方を未だ読めていなかったので、とりあえずこっちを手に取ってみた。 基本的…

日経サイエンス2020年3月号

SF小説『三体』に見る天文学最前線 系外惑星の先にある異星文明 中島林彦/協力:須藤 靖 作者 劉 慈欣が語るSFと科学技術 語り:劉慈欣 神経回路網はどのように知性を生み出すのか M. ベルトレロ/D. S. バセット From nature ダイジェスト AIが地動説を“発…

『日経サイエンス2019年12月号』

NewsScan●海外ウォッチ 卓上の重力波検出器 あなたも感じる「数学の美」 特集:真実と嘘と不確実性 物理学 物理学におけるリアリティー G.マッサー 数学 数学は発明か発見か K. ヒューストン=エドワーズ 神経科学 脳が「現実」を作り出す A. K. セス ネット…

乾敏郎『感情とはそもそも何なのか』

日本語で読める本で、自由エネルギー原理についてわりと詳しく説明している本だと聞いて、読んでみた で、そのあたりがまとまっていてとても面白かった 筆者は、マー『ビジョン』の翻訳者でもあり、川人光男とも共同研究していたりする人。認知神経科学者? …

エリック・R・カンデル『なぜ脳はアートがわかるのか―現代美術史から学ぶ脳科学入門』

神経科学の大家であるカンデルが、主に抽象絵画を対象に、芸術と神経科学を結びつけて論じている本。 なお、カンデルは、美術と神経科学について他にも著作がある。もともと、記憶や学習について研究しており、それでノーベル賞も受賞しているが、芸術との関…

『日経サイエンス2019年7月号』

特集:ブラックホール撮影成功 地球サイズの電波望遠鏡で一般相対論を検証 銀河中心の巨大ブラックホールを観測 特集:顔 その役割と進化 陰謀論が広がる理由 離散数学で若手輩出 次は基礎研究の強化:河原林健一 ネコは自分の名前を聞き分ける 日経サイエン…

『日経サイエンス2018年9月号』

NEWS SCAN 窒素源としての堆積岩 微生物の起源に新たな光 賢い壁 From nature ダイジェスト 火星の内部構造に迫る探査機 特集:恐竜大進化 覇者への意外な道 S. ブルサット ファルコンズ・アイ小林快次に聞く恐竜の大進化 内村直之 協力:小林快次 むかわ竜…

『Newton2018年9月号』

SCIENCE SENSOR 台風の動きは遅くなっている ヘビやトカゲの共通祖先 FOCUS Biology 眠気の正体をつきとめた! Planetary Science 火星の地下から約30種類の有機物を発見 Paleontology 恐竜絶滅の隕石衝突から生物は数年で復活した!? イーロン・マスクの火星…

『日経サイエンス2018年8月号』『Newton2018年8月号』

日経サイエンス 特集:AIの身体性 特集:エッシャーを超える Newton 美しき曲線の世界 遺伝子のON/OFFを操る新医療 縄文の美 はやぶさ2が小惑星に到着! ネアンデルタール人の絶滅は小脳の小ささが原因だった? 日経サイエンス 日経サイエンス2018年8月号(特…

クリス・フリス『心をつくる――脳が生み出す心の世界』

人間の様々な心的現象を、脳が予測によって作り上げたモデルによるものとして説明する 近年、急速に、脳と心の理論として台頭しつつある予測コーディング理論だが、2008年(原著)と10年前に書かれた本書は、既にそのような立場からまとめあげられた入門書と…