- 量子のパラドックス 監修 和田純夫 執筆 小谷太郎
- 室伏広治×金井宣茂─重力に挑む
- 人工生命への挑戦 監修 瀧ノ上正浩/川又生吹 執筆 尾崎太一
- 楽器のサイエンス 監修 吉川 茂 執筆 加藤まどみ
- 人体と機械は融合できるか 監修 稲見昌彦 執筆 梶原洵子
- 水中考古学の最前線 監修 山舩晃太郎/市川泰雅 執筆 山田久美
もともと、合成生物学、楽器、水中考古学あたりに目がいって読み始めたが、量子のパラドックスが一部、日経サイエンス 2025年11月号 - logical cypher scape2を読むための予習として機能した。
量子のパラドックス 監修 和田純夫 執筆 小谷太郎
量子論の黎明期における発展を、パラドックスという観点から説明していく
- 量子の重ね合わせと収縮
- 二重スリット実験
→思考実験だったが、1989年に外村彰が可視化
- 光子の裁判
- 量子の不確定性
量子の玉突きとトンネル効果
- シュレディンガーの猫
- 光子箱の実験
アインシュタインとボーアの論争の中で、不確定性原理を批判するためにアインシュタインが考案したが、翌日、ボーアが一般相対性理論を使って反論した
アインシュタインとボーアの論争はベンハミン・ラバトゥッツ『恐るべき緑』(松本健二・訳) - logical cypher scape2に出てきたなー
「量子もつれ」→アインシュタインはこれを量子論の不完全さとみなした
が、それこそが量子論の本質だった
- 超光速通信
1981年、ニック・ハーバートが量子もつれと量子複製器があれば、超光速通信が可能になると発表。が、翌年、観測前の量子複製が不可能だということが証明される
- 量子ゼノン効果
ゼノンのパラドックス(飛ぶ矢のパラドックス)→量子論では似た現象がおきる
量子コンピュータのエラー訂正への応用
観測者と観測対象をどこで「切断」すればいいのか
- 量子自殺実験
量子ロシアンルーレット、コペンハーゲン解釈と多世界解釈とで違うように思える
- 情報のパラドックス
ブラックホールに物質が落下すると情報が消失する(ホーキング放射とブラックホールの蒸発)
量子論では、波動関数情報は保存される
→パラドックス
→情報がブラックホール表面に書き込まれている
室伏広治×金井宣茂─重力に挑む
スポーツ庁とJAXAのあいだに協定が結ばれたらしく、それを記念しての対談
結構面白かった。
宇宙に行くと重心の位置が変わるとか
室伏考案のトレーニング方法を教えてもらって、金井がこれは宇宙でも使えるのではないかとか
人工生命への挑戦 監修 瀧ノ上正浩/川又生吹 執筆 尾崎太一
合成生物学系の、既知の生物を模倣してを作る話題と
バイオコンピュータなどのDNAを利用する話題の2本立て
前者の中で、最後に出てくる話題として、2024年、生成AI「ESM3」を利用したタンパク質の合成。既知のタンパク質と同一の機能を維持しながら4割も配列が異なる新規のタンパク質を合成。配列が4割異なる、というのは、5億年の進化に相当するとか
記事の前半と後半の間に、アート作品がいくつか紹介されている。藤堂高之の犬ロボット、岩崎秀雄による人工細胞の慰霊碑、佐藤曉子の歯車でできた心臓(の多分イラストレーション)
岩崎については藤崎慎吾『我々は生命を創れるのか』 - logical cypher scape2で見たことがあった。
後者について
がんのマーカーになるマイクロRNAがあって、そのRNAを検知する仕組み。4つのRNAのうち3つがあって1つがないと、液滴が分裂する、というもので、AND回路とNOT回路の組み合わせみたいな処理に相当するんだ、というような話だったけれど、微妙によく分からなかった。
もうひとつ、DNAを記録媒体にするという試み。少量のDNAで大容量データを保存できるし、堅牢。ところで、生物のDNAは基本的に読み込みだけであって、新たに書き込むという機能はもっていない。しかし、細菌の免疫システムにおいて、DNAへのデータ書き込みができる(DNA編集にもつかわれているcas)。これを使って、2017年、映像データを大腸菌のDNAに保存する実験が成功している。
人体と機械は融合できるか 監修 稲見昌彦 執筆 梶原洵子
ピーター・スコット-モーガンという、ALS(筋萎縮性側索硬化症)になったことをきっかけに、自身を機械化し、AIアバターも利用するになった科学者の話から
この人、2022年に亡くなってたのか。
前半は、人工心臓や人工網膜、義手など、失われた機能を機械で補完するもののについて
後半は、稲見が「人間拡張工学」と称する、新たな機能を付加するものについて
自在化身体
第6の指や3本目の腕
近赤外線を知覚するコンタクトレンズ
物質のミクロな表面の特徴を指先で体験できる装置
BMI
稲見昌彦は以前稲見昌彦『スーパーヒューマン誕生! 人間はSFを超える』 - logical cypher scape2を読んだことがある
また、拡張という点では紺野大地・池谷裕二『脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか 脳AI融合の最前線 』 - logical cypher scape2に類似した話が
水中考古学の最前線 監修 山舩晃太郎/市川泰雅 執筆 山田久美
海に沈んでいる軍艦などの調査について
考古学というと古代の遺跡を想起しがちだが、この記事で取り上げられていたのは主に近現代の艦艇だった。
写真組み合わせて立体データ起こす奴(3次元フォトグラメトリ)、スティーブ・ブルサッテ『恐竜の世界史』 - logical cypher scape2で見たことあるな
ダイビングってほんと短時間しかできないんだな、とか
ドローン使えば長時間調査ができる。ただし、ケーブルを遺跡にひっかけないようにするため、人ほど近距離に接近できないというデメリットもある
