2011-01-01から1年間の記事一覧

パウル・クレー展

行ってきたわけだけれども、うーんと思ってしまった まず混んでた。混んでいるために途中でちょっと疲れてしまった。 それから、普段は大抵美術館というと新美術館に行くことが多くて、近代美術館は初めてだったのだけど、何かこう新美術館とは展示方法が違…

P・W・シンガー『戦争請負会社』

P・W・シンガー『ロボット兵士の戦争』 - logical cypher scapeに引き続きシンガー。 こちらの方が刊行は先。 これまた現代における必読書 PMF(民間軍事会社)というのは名前は知っていたし、アメリカで戦争の外注化が進んでいるのは何となく知っていたけ…

歌姫爆宴Vol.2

土曜日には「6月のimoutoid」が、日曜日には「電刃」がやっていて、どちらもまあ行きたくはあったのだけれど、しかし自分は「歌姫爆宴vol.2」に行ったのだった*1。 行ってよかった!すげーよかった! 歌姫爆宴 アイマスのクラブイベントで、秋葉原のMOGRAに…

スコット・マクラウド『マンガ学』

原題はUNDERSTANDING COMICS マンガ論とか読むと間違いなく言及されている一冊で、いつか読みたいと思っていたのが読めた。 これ間違いなくスゴ本。 マンガ論それほど読んでいないので断言できないけれど、これだけ広範にわたって総合的にマンガを論じている…

今井哲也『ぼくらのよあけ』

上では、今月最終巻がでた『忘却のクレイドル』を紹介したので、今度は今月第一巻のでた『ぼくらのよあけ』を。 まず、この表紙がいい。でもってカバーそでが実写だし!w 目次をマンガのコマの中に組み込んでいるのもかっこいい。 と、いきなり内容以外のと…

藤野もやむ『忘却のクレイドル』

藤野もやむのセカイ系キターという感じで読み始めた『忘却のクレイドル』の最終巻が発売されたので、ブログで紹介することにした。 とはいえ、このマンガは結構難しい。 僕は、藤野もやむは今まで『ナイトメア・チルドレン』と『はこぶね白書』を読んでいて、ナ…

前田富士男・宮下誠・いしいしんじ『パウル・クレー絵画のたくらみ』

クレー展行く前のお勉強用。 いしいしんじは冒頭にエッセーを寄せていて、本書の大半は、前田と宮下の対談による解説。 クレーは、1879年に生まれて1940年に60才で病没している。国籍はドイツでドイツで活動していたが、生まれたのも亡くなったのもスイス。 …

パオロ・バチガルピ『ねじまき少女』

既に巷で話題沸騰の本書*1 上巻の帯を見るとなんと「『ニューロマンサー』以来の衝撃! グレッグ・イーガン、テッド・ちゃんを超える〜」といった感じでビッグネームを並べて比較しているが、とりあえずここらへんは忘れてよいw あとまあ、正直タイトルも忘…

『ボカロクリティーク』への寄稿で引用したもの

島袋八起編集によるボカロ評論誌『VOCALOID CRITIQUE(ボカロクリティーク)』(2011-06-11)に寄稿しました。 その中で、紹介した作品のリンクなどをはっておくので、参照してみてください

君は伝説を見たか

日曜日は文フリでした。 みなさん、お疲れ様でした。そしてありがとうございました。 「感想を書くまでが文学フリマ」というのは毎回言ってることですが、まあまだ全然そういう状況じゃないのですみません。 今回はちょっといつにもましてなんかすごいことが…

P・W・シンガー『ロボット兵士の戦争』

現代においてシンガーは必読書に数えられると思うが、今まで読んでいなかったのをようやく読めた。残り2冊もなるべく早いうちに読む*1。 とりあえず、タイトルを見て通り、ロボットで戦争である。このどちらかに興味ある人は、あるいは興味がなくても読むべ…

『筑波批評2011春』@第12回文学フリマ

このブログでは、ぎりぎり直前の告知になってしまいましたが、今度の日曜日、ということはあと4日後! 大田区産業プラザPioで行われる文学フリマに、新刊『筑波批評2011春』を持って行きます。 よろしくお願いします。 僕はなんか、自分としては珍しく…

『SFマガジン2011年6月号』

パオロ・バチガルピ特集 以前読んだ「第六ポンプ」*1が面白かったので思わず。 「ギャンブラー」 ソーシャルネットワーキングがさらに盛んになっている近未来。ニュース配信サイトはこぞってアクセス数を競い合っている。ラオスでのクーデターを逃れてアメリ…

『冷たい熱帯魚』

初めての園子温 「人生は痛いんだ−!」 実際にあったバラバラ殺人事件をモデルにしており、R-18指定もついているので、結構スプラッタなシーンも多いけれど、何よりも怖いのは気付いたら訳分からんところまで連れて行かれてるハイテンションさじゃないかとい…

ヘンリー・ダーガー展

なんで、原宿のファッションビルの最上階でやってんの、とか思いつつ そんななので、客層の半分くらいがサブカル女子っぽい感じ ヘンリー・ダーガーというのは、一人誰にも知られずこっそりと作品を書きためており、老人ホームに移った際にアパートの管理人…

キャラクターの現前性

基本的にテヅカ・イズ・デッドについて再整理したことのつぶやきまとめ http://togetter.com/li/131760

アール・コニー+セオドア・サイダー『形而上学レッスン――存在・時間・自由をめぐる哲学ガイド』

タイトルにあるとおり、形而上学の入門書である。 が、そもそも形而上学とはなんぞやというところが分からないとならないだろうが、それはそれ自体が一つのトピックになるほど、実は厄介であったりする。 とりあえず、訳者あとがきから要約しておくと、 形而…

『阪急電車』

宝塚から西に宮北口までを走る、阪急今津線を舞台にした、幾人かの女性たちの「人生の機微」が交差する群像劇。 結婚直前に彼氏を寝取られた独身OL(中谷美紀)、DV彼氏に悩む女子大生(戸田恵梨香)を中心に、阪急電車を中心に色々なドラマが少しずつ重…

『キック・アス』

冴えない男子高校生がコスプレしてスーパーヒーローになってみる話と思わせて、復讐に身を焦がす父娘が殺人マシーンと化してマフィアどもを殺しまくる話。 11歳のヒット・ガール(まさに戦闘美少女!)が繰り出すアクションの数々と、過去のヒーローコミック…

『NOVA2』

NOVAはすでに、3と1を読んでいたので2を 大森望編『NOVA3』 - logical cypher scape 大森望編『NOVA1』 - logical cypher scape しかし、今回は一部の感想にとどまる。 神林長平「かくも無数の悲鳴」 宇宙中を逃げ回り場末の酒場にたどり着いたアウトロー…

『エンジェル・ウォーズ』

なんか廃墟っぽい戦場をセーラー服で日本刀を振り回す映画と聞いて、なんだかよく分からないけれど見に行ったw ひでー映画だったw とりあえず最初に行っておくと、わざわざ映画館で見なくてもいいです あ、でも、BGMは爆音(ってほどでもないが)で聞きたい…

シュルレアリスム展

国立新美術館 何となく新美術館の展覧会ってよく行くな−。代わりに(?)都内の他の美術館はほとんど行ったことない気がする。上野のあたりとか、ブリジストンとか。 国立新美術館の展覧会は、いつも広くて途中で疲れるけれど、今回は途中で映画を座って見れ…

久しぶりにお薦めボカロ・UTAU曲

久しぶりに、ボカロを新規開拓したので、ちょっと紹介。 まさに、期待の大型新人といってもいい、Tochaさん。 【初音ミク】 Anti Rogue 【オリジナル曲】 - ニコニコ動画を聴いたときに、この感じは久しぶりだよ、これだよ俺がボカロで聴きたかったのは、と…

石川博品『耳刈ネルリと十一人の一年十一組』

ネルリシリーズの最終巻 石川博品『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』 - logical cypher scape 石川博品『耳刈ネルリと奪われた七人の花嫁』 - logical cypher scape もともとLianさんが一巻について どう見てもポストモダン文学。こんな傑作がラノベ畑から…

石川博品『耳刈ネルリと奪われた七人の花嫁』

石川博品『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』 - logical cypher scapeの続刊。 前作は、作品世界の中ではシリアスな話が展開しているはずで、主人公もシリアスなことを喋っているはずなのに、主人公の語りが謎のハイテンションでそれに覆われている、という…

奥泉光『石の来歴』

積読消化。 芥川賞受賞作「石の来歴」 奥泉というとSFとミステリーが入り交じった小説のイメージが強いけれど、この作品はそうではない。 すごく感覚的な話だけど、純文学っぽい雰囲気でなおかつリーダビリティも高い。 終戦して、レイテ島から戻ってきた…

震災チャリティ本『Pvol.2』に寄稿しました。

陸条くんの企画した、東日本太平洋沖大地震チャリティ同人誌『Pvol.2』に、「音楽はフィクションか?」という文章を寄稿しました。 まず、そもそも『P』というのは、陸条くんが電子書籍サービス・パブーを利用して配信している電子書籍型の同人誌です。 そ…

上田早夕里「リリエンタールの末裔」『SFマガジン2011年4月号』

『華竜の宮』と同じ世界を舞台にした、全く別の物語。 魚船は出てこないが、背中に鉤腕と呼ばれる腕を持つ人々が出てくる。 鉤腕を持つ民族の一人、チャムは、空を飛ぶことに憧れ、山を下り海上都市へと働きに出る。海上都市ではグライダーが娯楽としてある…

仁木稔『グアルディア』

前々から作品名は知っていたが、表紙のイラストを見て勝手にファンタジーだと思い込んで読んでいなかった*1。 しかし、SF乱学講座1: 事実だけとは限りませんとか限界小説研究会編『サブカルチャー戦争』 - logical cypher scapeを読んで、購入決定。 実際…

田中久美子『記号と再帰』

サブタイトルに「記号論の形式・プログラムの必然」とある通り、記号論とプログラム言語について書かれた本である。 だが、自分には、記号論とプログラム言語の両方の知識が足りないために、かなり不十分な理解で終了してしまった。 ただ、読んでいてずっと…