Regula Valérie Burri and Joseph Dumit "Social studies of scientific imaging and visualization"

STSにおける、科学の視覚的表象研究についての総説論文みたいな奴
http://www.kana-science.sakura.ne.jp/scientific-illustration/studies.html で紹介されていたので読んでみた。
科学哲学には一応慣れ親しんでいるつもりだが、STS読むのはこれが初めてだったので、ディシプリン違う感じがするなあと思いつつ、まあこれは単に、こういう研究があるよという紹介している論文なので、ふーんという感じで読めた。

科学における視覚的表象の色々なディシプリンでの研究

科学哲学、科学史、ラボラトリー・スタディーズ、STSカルチュラル・スタディーズと様々なディシプリンでそれぞれの関心に基づいて研究されている
本章は、Social Studies of scientific imaging and visualization(SIV)について

IMAGING PRACTICES AND PERFORMANCE OF IMAGES

SIVは、社会的側面に注目しながら、科学的知識の形式としてのヴィジュアルの特徴とは何かを問う。
画像がどのように作られ、使われているかという実践に即して考える
production、engagement、deploymentの3つのトピック
production=誰が、どのように画像を作るのかを、実践、手法、技術、アクター、ネットワークを分析することで説明する。制作物artifactとしての画像
engagement=画像の、科学的知識が作られる際の装置としての役割に注目する。装置instrumentとしての画像
deployment=画像が、非アカデミックな環境にどのように拡散するかを研究し、異なる知識の形式との交流を分析する。研究室の外でどのように使われるか。


ラトゥールやハラウェイやフーコーの名前があった

PRODUCTION

どのように、そして、誰が画像を作るのか
Lynch、Schaffer、Galisonなどの論文を参照しながら、MRIX線CTスキャンなどの例が挙げられている。
MRI画像は、決してニュートラルな産物ではない。


画像を読むことができる人と読むことを許されている人の多様性

ENGAGEMENT

視覚化作業は、暫定的でインタラクティブ。データを意味深くしていく作業の一環。
どのようにして画像は、観察における不確実性を減らし、客観的な知識の生成に貢献するのか。

DEPLOYMENT

医療や地球温暖化、裁判の場などで使われる科学の視覚イメージ
画像は多義的に使われてしまう


画像が自己の身体イメージを形成する
通常と異常の区別
超音波画像が、胎児が患者で妊婦は子宮と保育器であるというイメージを形成

SOCIAL STUDIES OF SCIENTIFIC IMAGING AND VISUALIZATION: OUTLINING A RESEARCH AGENDA

モデルは不完全、視覚化は不完全という考え
ゴンブリッチの「見者のシェアbeholder’s share」