今年、『ギレルモ・デル・トロのピノキオ』 - logical cypher scape2と『フランケンシュタイン』 - logical cypher scape2とを見たので、『パンズ・ラビリンス』を見返してみることにした。
以前の感想は
『パンズ・ラビリンス』 - logical cypher scape2
あと、デル・トロは以下を見たことがある。
『パシフィック・リム』 - logical cypher scape2
『シェイプ・オブ・ウォーター』 - logical cypher scape2
デル・トロ監督作品って今wikipedia見たら13作品あるようなので、そのうちの半分も見てないわけで、デル・トロ作品はっていう主語で話しにくいが、今まで見たデル・トロ作品の中でやっぱり一番の傑作だと思う、『パンズ・ラビリンス』
『パンズ・ラビリンス』というとやはり、手に目がついているペイルマンの印象が強いし、あれの造形や演技はやはりピカイチだと思うが、見返してみると牧神パンの不気味さ・邪悪さも結構やばい。
パンとペイルマン、そして『シェイプ・オブ・ウォーター』の半魚人、中の人みんな同じ役者さんらしい。
正直、メルセデスのことを結構忘れてしまっていたが、オフィリアとメルセデスのW主人公といっていいくらい、メルセデスの比重が大きかった。
メルセデスと弟、オフィリアと弟と、どちらも姉弟なんだなー。
対比というと、オフォリアは亡くなるとき地下の王国の人たちの拍手に迎えられるけど、大尉は迷宮出てくるとゲリラに囲まれる。あそこもちょっと対比っぽく見えた。
最後に大尉も射殺されるけど、額じゃなくて、目の下、頬骨あたりを撃ち抜かれて、右目に血が流れてくる、というのがあんまりみたことない射殺シーンで、かっこよかった。いや、射殺シーンがかっこいいってよくわからないが。
大尉というと、メルセデスに斬られた頬を自分で縫うところがあるが、その後、酒飲んだら、傷口にしみて痛てぇってなるシーンがあるんだけど、そこも血がじわっとガーゼに染みてくるという描写があったりする(射殺時の目といい、あるいはオフォリアの血が垂れるシーンといい、血がじわっと流れる、この映画)
オフィリアは弟を連れ出さずに自室で待っていれば、メルセデスとゲリラが助けに来てくれたと後知恵でいえるわけだが
後知恵いうなら、スペインではフランコ政権が続くので、あの映画内では、山岳ゲリラが大尉の部隊に勝って終わるけど、その後はどうなったかわからないんだよなあ
医者の先生が言っていたように、大尉を殺してもまた別の奴が来るだけだぞ、って奴。
魔法の扉を開けることができるチョーク、弟連れ出す前にパンに渡されているけれど、実際に使ったかどうかは描かれていないし、
また、最後に大尉がオフィリアを見つけたシーンでは、オフィリアとパンとの会話はオフィリアの独り言として映し出されており、
ファンタジーパートはオフォリアの白昼夢に過ぎませんよ的なことが、丁寧に示されてはいる。
地下の王国で迎え入れられたシーンのあとに事切れてるし(=死後の世界として描かれているわけでもない)。
お母さんが、魔法なんてないのよ!と怒るシーン
お母さんはお母さんで、ある種のサバイバルとして大尉との結婚を選んでるんだろうなあ、と想像すると、重い。オフィリアには響いていないが。
ところで、母と大尉のなれそめ話。元々、大尉が仕立屋である夫の客であり、夫が亡くなった後、偶然再会した、とあり、それに対して客が「そんな偶然あるんですね(字幕では偶然に傍点がついている)」的な返しをして、大尉が話を打ち切るというのがあって、あ、察し……となる。
重傷を負った脚の切断や、捕虜への拷問といったところについては、映像的には寸止めで、切断そのもの拷問そのものは写っていない(切断されている人や拷問されている人のうめきなどもない)。意外と、ゴアシーンに対して抑制的だったんだな、と。
大尉が自分で自分の頬を縫うシーンが、映像的には一番「痛い」が、あそこも流血はない。