清塚邦彦『フィクションの哲学』
色々な意味で勉強になった。
何というか、文章の書き方レベルから。
想像って結局何なの、とか、西村清和から来るであろう反論をどうかわすの、とかが気になった。
あと、やはりウォルトンは面白そうだなあとか。
虚構記号とかも気になる。
池尾和人『現代の金融入門』
金融とは金を融通すること、と書いてあって、不覚にもなるほどと思ってしまった。
お金、いわゆるマネーって奴を商品のように売買の対象にしてしまったというのが、資本主義とか近現代の金融の特徴というかすごいところなのかなあと思った。
経済学の入門書読んだとき(この本も経済学の入門書だけど)、信用創造と金融政策の関係がいまいちよく分からなかったのだが、銀行が持っているお金って紙じゃなくてデータじゃんってことが書いてあることで、分かった。あ、あと銀行が何であんなに早く閉まるのかも分かった(決済がリアルタイムじゃなくて一日毎にやっているからみたい)。
それから、証券化の話。まあ一種のギャンブルじゃんとは思うのだが、マネーを融通するようにリスクも融通することによって、市場の効率化(本当はある事業をやる能力を持っている人がリスクを怖れてそれをやらなくなってしまうことを防ぐ)を図っているのだから、有用という話だった。
あとは、株価の話とかコーポレートガバナンスの話とかセーフティネットの話とかがあって、それぞれ勉強になった。
これ自体が入門書なので、全く何にも分からない人でもそれなりに読めるかなと思うけど、金融政策って聞いて、オペレーション、法定準備率操作、公定歩合操作*1が出てくる程度の知識はいる*2
菊池成孔・大谷能生『憂鬱と官能を教えた学校』
音源もキーボードもなく、ただ文字だけで読んでいったので、正直わからないところだらけなのだが、今まで音楽に関する理論も言説もほとんど読んだことがなかったので、ポピュラーミュージックはこういう理論みたいなのがあるのかあということだけでも衝撃的だった、というか勉強になった。
あとで、音鳴らして確認してみたい。
あと、この2人はすごい色々なことを勉強しているのだが、その一方でこの本の元になった講義はかなり準備時間が短かったらしく、そしてまた菊池が精神科に通っていた時期でもあり、異様なテンションの中、勢いこんで色んなことが出力されている。
そのテンションを楽しんでいく本でもある、かな。
前島賢『セカイ系とは何か』
まあ読めよ、としか言えない。
セカイ系にまつわる言説史で、どういう風にセカイ系という言葉が使われるようになって、それがどのように変遷していったのかが書かれている。
というわけで、セカイ系とかまだ言ってんのかよと思っている人にも読んでいただきたい。そもそもこの本自体が、既にセカイ系がアクチュアルではないことを前提にして書かれており、ゼロ年代のオタク界隈(の一部?)はセカイ系とかで騒いだりしていたけれど、そういうのも一段落したわけだし、不毛な論争だったとかいって総括しちゃうのはそれこそ不毛だし、整理しておこうぜという感じである。
個人的には結構刺激された。
あと、細かい話だけど、そうだよなあと思ったので強調しておきたいこと。大塚英志の『物語消費」という用語は「世界観消費」って言った方が、紛らわしくなくていいんじゃないかってこと*3。

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