布施英利『パリの美術館で美を学ぶ』

タイトル通り、パリの美術館ガイドであると当時に美術入門書
構成としては、1区にあるルーブル美術館から始まって、区の順番に美術館を巡り、さらにはパリ郊外および南仏まで足を伸ばす
例えば、ルーブル美術館の章は簡単な西洋美術史の解説にもなっている、というように、単なる美術館ガイドではなく美術入門書ともなっているが、個々の章が短いので物足りなさはある。その一方で、パリってこんなにたくさん美術館あるのかーとも思う。
著者は、美術解剖学を専門とする美術批評家。美術解剖学というのは、彫刻作品などを解剖学的視点で研究するものらしく、本書でも、骨格や筋肉に対する言及が目立つ。突然、筋肉の名前が並べられたりするのは、美術入門書としては珍しいのでは、という気がする。
筆者の旅行記的な部分のある本でもある。
『印象・日の出』の太陽のくだりは、「ちょww」ってなった。
それから、『モナリザ』についての試論もある。三幅対にできないか、とか。
あと、ミロのヴィーナスの体型が、両性具有的なことを指摘し、美の特徴かもしれない、とか 


パリの美術館で美を学ぶ ルーブルから南仏まで (光文社新書)

パリの美術館で美を学ぶ ルーブルから南仏まで (光文社新書)