津原泰三『ヒッキーヒッキーシェイク』

色々と話題になった本作。
ひきこもりたちが集まってCGキャラクターとかUMAの映像とかを作ることになる話で、エンタメ的にぐいぐいと読ませてくれる作品
ただ、これまで自分が読んだ津原作品と比較すると、好みの度合いとしては少し下がるかなあという感じだが、そもそもジャンルがだいぶ違うので。



ひきこもりカウンセラーの竺原は、自分の患者であるひきこもりたちと正体不明の天才ハッカー(多分ひきこもり)に対して「不気味の谷を越えろ」というミッションを課す
ただ、この物語の本題は「不気味の谷を越える」ことではない。それは単に、竺原が彼らを巻き込むためにでっちあげたフレーズに過ぎない。


こういう話だ、とまとめるのが難しい物語で、竺原(JJ)と、それぞれセージ、パセリ、ローズマリー、タイムとコードネームを名付けられたひきこもりたち、そして、竺原の友人たちの物語が、同時並行的に進んでいく。
それらの物語は、もちろんそれぞれ交錯していくのだが、それでいてそれぞれ独立に進んでいくきらいもある。
最後は、なかなか投げっぱなしエンドのようにも見える終わり方をするのだが、人生のある期間から期間までを切り取ってきたという感じで、彼らの人生はここから先も続いていくのだから、そんなきれいな幕引きもできないともとれる。


不気味の谷を越えることを目標に彼らが立ち上げたのは、CGの女性キャラクターによるアゲハ・プロジェクト。
アゲハという、本物の人間に見まがうようなCGキャラクターに対して、色々と話しかけるというwebコンテンツ。あるフレーズで話しかけると、アゲハが返答してくれる。
アゲハというのは、セージの元婚約者の名前で、外見はパセリが描いたパセリ自身の姿に近いもので、アゲハとの会話についてはタイムが考案したもの。
それぞれが、それぞれのひきこもりの原因なんかと絡んでいる
セージは元々優秀なプログラマーだったんだけど、アゲハ
パセリは、父親がヨーロッパ人のハーフで、その外見がコンプレックスで学校に通えなくなる
タイムは、両親が離婚している母子家庭の小学生で、彼の考えた会話は母親とのやりとりが元になっている


実はこのアゲハ・プロジェクト、竺原の友人が手がける芸能プロダクションの新人アイドル売り出しに使うために画策されたもの
ただ、竺原自身の目的はまた別のところにある
竺原は、アゲハ・プロジェクトとは別に、過疎化している自分の故郷にUMAが出没するという噂をネット上に流す計画をたて、タイムを誘って帰郷する。猿飛峡という、その名の通り、かつては猿がいた山に、小型の象がいた、という映像を作る。
アゲハ・プロジェクトによるアイドル売り出しは、結果的には失敗する
一方、猿飛峡のUMAの方は、うまく話題になって観光客がたくさん訪れるようになる


パセリは、とある美大生やステンドグラス作家との出会いから、自分のやりたいことを見つける。


うーん、記事書くのに力尽きた